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第189話 今夜はおかしくなかった?

 露間朔也の引っ越しを手伝うために、入江紀美子は仕事が終わってすぐに藤河別荘に帰った。

家に入ると、朔也が走ってきて、「G、子供達は?」と尋ねた。

紀美子「晋太郎のところにいるけど、説明すると長くなるから、まずは引っ越しの荷物を片付けよう」

紀美子が答えてくれなかったので、朔也もそれ以上聞かなかった。

荷物の片付けが大体終わった頃、紀美子は携帯アプリで出前を頼んだ。

十数分後に、ドアがノックされた音が聞こえた。

紀美子は立ち上がってドアを開けに行こうとしたが、朔也に止められた。「俺が行く」

適当にスリッパを履き、朔也は走って玄関に向って、ドアを開けた瞬間、計画通りにあの男の姿が現れた。

森川晋太郎は朔也が見えた瞬間、顔色がすぐに曇った。

「なぜ君がここに……」

「朔也おじさん!!」

晋太郎の質問がまだ終わっていないうち、後ろに立っていた入江ゆみが小さな頭を伸ばしてきた。

朔也の目は光り、いきなりゆみを抱き上げた。「ゆみっち!!おじさんは会いたかったよ!

一体ゆうきっちとどこに行ってたんだ?あっ、いい知らせがあるんだけど、俺達はもうすぐ一緒に住めることになるんだよ、毎日会えるんだよ!」

朔也の話は、晋太郎にとって耳障りだった。

なにが「もうすぐ一緒に住める」だ?

彼は紀美子と同居したのか??

彼がGで、紀美子に手伝ったから、彼女がこの男を家に迎え入れたのか?!

リビングで、子供の声を聞いた紀美子は慌てて立ち上がった。

玄関まで歩いたら、彼女は3人の子供そして黒ずくめのスプリングコートを着た晋太郎の姿を見ると、動きが止まった。

なぜ彼が急に子供達を連れてきたのだろう?

暫くすると、紀美子は我に返って、「あなた達、どうして来たの?」と尋ねた。

入江佑樹はその小さな顔に意味深い笑みを浮かべ、「お母さんが僕達に説明するべきじゃない?」

「説明?」紀美子は戸惑った。「何の説明?」

佑樹はスリッパを履き替え、家に入ってから、朔也に向って顎を動かし、「ほら、朔也おじさんがさっき、もうすぐ僕達と一緒に住めると言ってたじゃん?」

「それか」紀美子は笑って説明しようとした。「朔也おじさんがね……」

「紀美子さん!」

朔也は紀美子の説明を打ち切って、必死に彼女にアイコンタクトをとろうとした。

「ちょっとその話はよその人の前で言わないで
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