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第7話

林原光一が出てきた時、林原千代を見た。

「なんで来たの?」

「お姉さんが何かあったそうで、急いで見に来たの。お兄ちゃん、大丈夫?彼らはお兄ちゃんを困らせなかったでしょ?」

林原光一は立ち止まり、ゆっくりと顔を上げて林原千代を見た。

「誰かが警察が俺を疑っていると君に言ったの?

誰が美奈が何かあったと言ったの?

なんで俺がここにいることを知っているの?」

私が難に遭ったことを知っている二人のうち、井上健人は林原千代を知らないし、林原光一の同僚も林原千代を知らなかった。

彼女の目に一瞬の気まずさが走り、二歩後退した。

「海辺にいた時、お姉さんに電話したけど出なかった。それに、お兄ちゃんが私に蝋人形の女の死体のことを言ったじゃない。その蝋人形の目が彼女に似ていると言った。

きっとそれは蝋人形師の仕業だと思った。お兄ちゃんは蝋人形師だし、お姉さんとけんかもした。警察がお兄ちゃんを疑うのは普通だと思うよ」

林原光一は何も言わず、車に乗った。林原千代は車を運転して彼の後ろについて、手のひらに滲み出た汗を拭いて、自分がミスをしなかったことを幸運に思った。

しかしそれほど遠くないところで、彼女はこの道が私たちの家に戻る道ではないことに気づいた。

それは金沢大輝のところに行く道だった。

しかし今のところ、林原千代はまだ知らないふりをしていた。

彼女は前回、金沢大輝と取引をした時に無事に終わらせたのだから、今回もきっとできると思った。

彼女は林原光一が入っていくのを見て、ついていった。

しかし何歩も歩かないうちに押し倒された。

「君、君がやったんだよね?」

林原光一は林原千代を指差し、目が真っ赤で、額の青筋が浮き出し、胸が上下に動いていた。

「この恨みは本来君につけるべきだけど、君は美奈ちゃんをあの人と取引に使った。こうすれば俺の気持ちを乱して、今回のコンテストを諦めさせられる。そして、美奈ちゃんがいなくなれば......」

ここまで言って、彼の声のボリュームが急に高くなり、両手を拳にして、血走った目玉が林原千代の体に穴を開けるように見えた。

「美奈ちゃんがいなくなれば俺が君と結婚すると思ってるの?夢見てるんだ。俺と君は永遠にありえない。

君がこんなに悪毒なことをするとは思わなかった。嘘つきで、俺が父親の実の子供じゃないと言って、俺と母親の
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