第6話

林原光一は私が消える前の詳細を尋問された。

彼は言えなかった。

なぜなら、その日々、彼は愛する従妹千代ちゃんのために蝋人形を作っていたからだった。

ずっと私が家に帰らないのは彼に気まぐれを起こしていると思っていたが、私が既に死んだことなど考えもしなかった。

林原光一が取調室から出てくると、何かを考えているように見えた。

彼がきっとあの人を思い出しているに違いないと思ったーー昔の隣人、金沢大輝だった。

昔林原光一の家族、林原千代の家族、そして金沢大輝が同じところに住んでいた。

金沢大輝という人は蝋人形師で、無口で独りよがりで、一番奥の小さな庭に住んでいた。

子供たちは好奇心があったが、一人で金沢大輝のあの小さな庭に行く勇気のある子はいなかった。なぜなら彼の庭にはいつも怖いダミーが置いてあったからだった。

しかし林原千代は敢えて行った。

彼女は、自分の「大胆な」やり方が子供たちの崇拝を引きつけることに気づいた。特に従兄弟の林原光一だった。

昔林原光一の後ろについていた引っ付き虫が一変して林原光一が憧れの女になった。

林原光一はいつも憧れの林原千代と秘密を分かち合い、怖い時に彼女に打ち明けるのだった。

しかし長続きしなかった。

すぐに学校に行く年になり、林原千代は両親と一緒に大都市に引っ越さなければならなかった。

いつまた林原光一に会えるかわからなかった。

林原千代は林原光一に深い印象を与え、彼に一生自分のことを覚えていて、大人になっても自分を探してくれるように決めた。

林原千代はライターを取って金沢大輝の家のそばに積まれている蝋人形に火をつけた。

彼女は大勢の子供たちを呼んで、自分が火を消す勇敢な行為を見せようとしたが、火の勢いが彼女のコントロールを超えていることに気づかなかった。

火はすぐに金沢大輝の家を囲んだ。

恐ろしいことに、子供たちは金沢大輝が家にいることに気づいた。

生き延びるために、金沢大輝は窓から飛び降りた。

命は助かったが、顔はガラスで切られ、深い傷跡が残った。

この火事は金沢大輝の家と一つの塀を隔てた林原家にも及んだ。

当時坂本静香は部屋でお風呂に入っていて、子供たちが「火事だ」と大声を上げるのを聞いて、反射的に外に走り出したが、外に出てから自分が服を着ていないことに気づいた。

彼女はこっそり戻ろうとし