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第4話

前田修一は目の前の全てが現実だとは信じられなかった。

私は地面に跪き、息子のために紙銭を燃やしていた。前田修一も腰を落として隣の紙銭を取り、息子に捧げようとした。

私は全力で彼を脇に押しやった。息子がいなくなったのは彼のせいだ。

彼には息子のために紙銭を燃やす資格はない。

「瞳、やめてくれ。僕も……僕も彼の死が自分に関係あるなんて思っていなかった」

私は前田修一を見つめ、その目には怒涛のような憎しみが溢れていた。

息子は最期まで彼のことを気にかけていたのに、彼の心には息子など存在していなかった。

本当は泣くつもりなどなかった。

息子が逝った時、彼は既に苦しんでいた。この日に感情を表に出して彼を心配させたくなかった。

だが、彼の骨壷が埋葬されるその瞬間、私の感情はもう抑えきれなかった。

彼の人生は本当に過酷なものだった。

幼い頃から父の愛をほとんど受けられず、成長しても生家の暗い影の中で生きてきた。

私はもう一度抱きしめたいと思ったが、十月かけて生んだ息子が、最終的に小さな骨壷に納まることはどうしても受け入れられなかった。

「どうか、彼を連れて行かないでください。もう一度だけ見させてください。彼は私の子供で、私の最後の家族なんです!」

前田修一が私の手を引き、前へ進ませないようにした。

「瞳、少し冷静になってくれ。君のお腹にはまだ子供がいるんだ。その子のことも考えなければ!」

私は地面に膝をつき、泣き続けた。幼い頃、母は早くにこの世を去った。

父が一人で私を育ててくれ、私は彼に穏やかな老後を過ごしてもらえると思っていた。

だが、彼は最終的に病気で逝った。私は多額をかけて名医を探したが、その命を救うことはできなかった。

その後、私は前田修一と出会い、彼のためにすべてを捨てる覚悟ができた。

私はただ温かい家庭が欲しかっただけで、それが幸福の始まりだと思っていた。しかし、これがより深い無限の深淵だとは思いもしなかった。

最後の最後に、私は自分の子供さえ守ることができなかった。

私は前田修一の方を振り返ったが、彼の目にはほとんど感情が見えなかった。

目の縁が少し赤くなっているのが、彼の唯一の罪悪感の表れだった。彼は結局、父親としてふさわしくなかった。

私は勢いよく彼の頬を打ち、「今になってようやく、私があなたの子供を身ごもってい
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