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第67話

華恋が朝食を終えた後、水子からメッセージが届いた。「華恋ちゃん!本当に家当主の誕生日パーティーで結婚のことを発表したの?」

華恋が「うん」と返信した途端、水子から電話がかかってきた。

電話の向こうで、水子は興奮して声を上げた。「嘘でしょ!華恋ちゃん、勇気あるね。当主は怒ったの?大丈夫だった?」

「ううん、怒られなかった。ただ、彼に会いたいって」華恋が時也さんのことを話すと、顔が自然と赤くなった。

水子はため息をついて言った。「よかった、怒られなくて。本当に安心したよ。でも、これで哲郎のようなクズからやっと解放されたね」

その瞬間、外から哲郎の怒った声が聞こえてきた。「華恋、出てこい!」

華恋は驚いて、水子もその声を聞き、心配そうに言った。「華恋ちゃん、大丈夫?」

「大丈夫だよ」華恋は彼女を安心させ、「後でまた電話するね」と言って電話を切った。

電話を切った直後、和樹夫婦が現れた。華恋は少し眉をひそめ、二人の後ろに立っている哲郎を見て疑問に思った。

哲郎が一歩前に出て、「お前の夫はどこだ?」と尋ねた。

今になって彼は華恋の夫の名前を知らないことに気づいた。

華恋は彼を冷たく一瞥して、「何か用?」と返した。

「お前は目が見えないのか?お前の両親がどれほど苦しめられたか見てわからないのか?」

華恋は首をかしげ、震えている両親を見るが、その表情には依然として疑問が浮かんでいた。

「お前の夫がタクシー運転手に命じて、彼らを山頂まで連れて行き、服を剥ぎ取って、一晩中冷たい風に晒したんだ......」

華恋は哲郎を遮って言った。「どうしてそれが私の夫だって言えるの?証拠でもあるの?」

哲郎は一瞬戸惑い、少しの間沈黙した後、言葉を絞り出した。「華恋、お前の両親がこんな目にあっているのに、お前は彼らを心配するどころか、他人の肩を持つのか?」

華恋の清らかな瞳には皮肉の色が浮かんでいた。

「以前、私たちが婚約していた頃は、たとえ結婚していなくても、彼らは半分お前の義理の両親だったのに、お前は一度も彼らを庇ったことがなかった。

でも今、私たちに何の関係もないのに、急に正義の味方ぶるつもり?」

哲郎は華恋の言葉に顔を赤らめた。

以前、彼は確かに家にはあまり関わっていなかった。

投資の件だって、当主の命令がなければ手を貸すこともなかった。

今日は
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