憎しみの連鎖
私は笑顔を浮かべながら兄の目の前で息を引き取った。その時、兄はあまりの苦しさに血を吐きそうになっていた。
この21年間、兄には一日たりとも、私の死を望まなかった日はなかったと思う。
すべての始まりは、私が5歳の誕生日を迎えた日のことだ。
あの日、私は出張中の両親に「帰ってきて一緒にお誕生日をお祝いしてほしい」とお願いした。
両親は私の願いを叶えようと、無理をして夜通し帰ってこようとしてくれた。
でもその途中、交通事故に遭い、二人とも帰らぬ人となってしまった。
それ以来、兄は私を憎むようになった。「お前のせいだ」と、まるで私が両親を奪ったかのように責め立てた。
兄は、私が作った作品を従妹が横取りするのを見過ごしただけでなく、大家さんを説得して私を追い出すよう仕向けたこともあった。
兄の願いはただひとつ、私が惨めに死ぬことだった。
だけど、皮肉なことにその願いが叶ったその日、兄は泣きじゃくりながらこう叫んだ。
「お願いだ、目を覚ましてくれ。もう一度、『お兄ちゃん』って呼んでくれ」
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