生存者なし愛よ
子供の頃にたまたま喘息を患っていた少年を助けたけど、その者は獅子身中の虫で、私は彼の手によって、丸七年閉じ込められていた。
「晶、きみは僕の全部なんだ。晶が僕のそばを離れることなんて許せない」
けど、私は彼のことを愛していないのだ。私は逃げたいのだ。
彼は私の実家の屋敷を焼いてしまった。五十嵐家の残した最後の跡は、その家事と共に、風の中に消え去った。
私の戻れる家が消えた以上、以後ここが私の家だと彼が言った。
私が触れさせないため、彼は外で私と同じく目の端に泣きぼくろのある女の子を探した。
その女の子は自分が可愛がられていたから、調子に乗った。彼女は、この泣きぼくろは私が彼の寵愛を争奪するために、彼女のレプリカになろうとしてわざとつけたものだと思い込んだ。
そして、彼女は私の両目を刺して、失明させた。私の顔には、血の穴でいっぱいで、体中は、ぽつりぽつりと垂らした血で染みた。
最上言弥が家に帰ったのは、ちょうどその時だった。女の子は私をゴミ入れに詰め込み、得意げに自慢した。
「言弥くん見て、屋敷に侵入したくせもののゴミを捕まえてあげたのよ!」
言弥は目もくれずに、ネクタイを解きながらのこう言った。
「ゴミだったらさっさと捨てちゃえ」
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