天界皇子の妃になった私たち
私と親友は同時に天界の皇子のお気に召し、世妃として宮殿に迎えられた。
親友の彼女は上の皇子景河の妃になって、籠の鳥となった。
一方で、私は下の皇子景山の憧れだけの存在の身代わりとなった。
よりによって、皇子二人の心の中で潜んでいる高嶺の花は同じ人物だった。
人間である私たちが、天界の王子様に気に入られ、誰しも憧れの暮らしができたことは、天界の人々に羨望された。
しかし、このような暮らしが続いていたのは僅か三年の歳月だった。本物の高嶺の花が戻ってきたのと共に、私と親友の倖せな暮らしが終わりを告げた。
「我が先に仮死する。和葉もその後いい折で仮病して死んだふりをするのじゃ」
私は親友の提案に頷き、彼女と共に自分の死を偽って、人間界へ戻ったのじゃ。
高嶺の花がその連れと一緒に私たちの仮死事実を暴いた瞬間、従来冷静で自分の感情をうまく抑えてきた景河皇子は、親友を抱きしめていた。
そしてそっけなくて、感情の薄かった景山皇子は、私を宮殿に閉じ込め、毎日にように側についてくれた。
けれど、私と親友の彼女がその芝居を三年も待ち続けていたことを、彼らは知らなかった。
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