「だが、帝都は危険だ。いつ魔が襲ってくるかも分からない」「そうですね。ですが、エルバート様の程の方が付き添っていれば、魔も恐れをなしてフェリシア様の近くには寄っては来れないでしょう」「だといいが」帝都の街にフェリシアを連れていくならば、やはり、ドレスが必要だな。フェリシアは初日のドレス以外は美しいものを持っていないようだから、日頃の料理の感謝を込めて渡したい。だが、いきなり、自分のドレスを作る為に仕立て屋が来たら驚くだろうし、自分も気恥ずかしい。嘘をつくほかないか。「ディアム、何着かドレスを、“使用人の仕事着”との名目で仕立てたい」「仕立て屋に明日の午後に家に来るよう伝えろ」「かしこまりました」* * *「――え? 明日の午後に仕立て屋が来るのですか?」夜、寝る前に廊下でフェリシアがエルバートに尋ねる。「あぁ。使用人の仕事着を仕立てる為、大きさを測りにな」「明日も勤務な上、よろしく頼む」エルバートはフェリシアの承諾した言葉を聞かずに廊下を歩いて寝室に向かう。自分の言葉も聞かずに行ってしまった。フェリシアは俯き、胸元をぎゅっと掴む。(わたしの態度がずっと悪かったせいね…………)その後、時間は瞬く間に過ぎていき、翌日の午後になると、ブラン公爵邸に華やかな帽子を被った美しい仕立て屋が訪れた。先に男性を測ると言って、ラズールに仕立て屋は着いていき、やがてラズールとクォーツの大きさを測り終えたと言って戻ってくると、仕立て屋はリリーシャの大きさを測り、続けて自分も測ろうとしたので、自分には勿体無くて一度遠慮したけれど、料理をする時の服がいると、リリーシャに体を押さえられ、その隙に仕立て屋が自分の大きさを測り、帰って行った。そして一週間後の夜。仕立て屋が再び、ブラン公爵邸に訪れ、エルバートに呼ばれたフェリシアは大広間に向かう。「入れ」
Terakhir Diperbarui : 2025-04-05 Baca selengkapnya