81「魚谷さん、いつから柳井の彼女になったのかな? あなた確か、俺の婚約者ではなかったかな? 俺の誘いを断って柳井たちと会ってたってわけだ。 柳井には話してるの? 婚約者がいること……って話してないよね、たぶん」「洋平さん、黙っててごめんなさい。 いつか話さなきゃって……」 「柳井、その人俺の婚約者……だった人かな。 悪いけど帰るわ。また連絡する。 皆さん楽しいところに水差すような形になってすみません。 失礼します」 「雨宮、婚約したのいつだ?」「先月の頭」「魚谷さん、出会った時付き合ってる人いないって言っ……いたんだ、 参ったな」 柳井の呟きを聞くや否や雨宮は踵を返していた。 星野が宮内のほうを見ると首を横に振り小声で 「部屋に行こう」 と囁き、その場から星野を連れ出した。 「星野さん、知ってた?」 「つい最近までっていうか、えっとそうじゃなくてぇ、まず婚約者が いるって話はレセプションに行く少し前に知ったって感じかな。 魚谷とは久しく会ってなかったから。 だいたい柳井さんとのことを知ったのが最近、宮内さんから聞いて 知ったの。 知ってから私も焦っちゃって……。 それで柳井さんにはまだ話せてないっていうの聞いて、せめて雨宮さん には心変わりしたことを伝えた方がいいよって話してたところっていうか……。 話す前にこんなことになったっていう感じかなぁ~。 どうしたらいいんだろう、私がレセプションに誘ったばっかりに。 雨宮さんに申し訳なくて」「星野さん……」「はい?」「星野さんまで他に誰か恋人がいるなんてこと……」「ありません。いません、いませんよ。信じて下さい」 「分かった、ほっとしたよ。 あとは柳井の気持ちひとつだな。 多分もう結論は出てると思うけど」 「えっ、柳井さんの気持ちがそんなに簡単に分かるの?」「時々聞かされてたからね、雨宮さんのこと。 彼とは大親友らしい。 柳井なら親友の婚約者とどうこうはないと思うね。 例え、魚谷さんが柳井推しでもね。 今回の場合なら間違いなく男同士の友情を取ると思う。 すごく魚谷さんのことを気にいってたから辛いだろうけど。 そこはまだ付き合いも始まったばかりだし、なんとか踏ん張って 気持ちを立て直すんじゃないか
최신 업데이트 : 2025-04-20 더 보기