恋愛ゲームの世界から脱出する方法はイケメンからの告白!?의 모든 챕터: 챕터 41 - 챕터 50

62 챕터

第41話 先生(青)が告白できない理由

「失礼します」穂香が職員室に入ったとたん、真っ青な髪が穂香の目に映った。(とりあえず、松凪先生に相談しよう)穂香の頭の中では、昨晩、レンから聞いた言葉がずっとぐるぐる回っている。――あなたが幸せにするパートナーを1人だけに絞らず、ものすごく優秀で、多方面に影響力がありそうな穴織くん、生徒会長、先生の三人を、同時にできる限り幸せにしたら、すごいことが起こりそうじゃないですか?(だったら、私は勝手に先生と生徒会長と穴織くんを【レンを最高に幸せにするためのパートナー】に決める! 私のパートナーになったんだから、三人とも多少は幸せになるはず。幸せになれたら、協力してくれるよね?)穂香は、青い髪を目指して職員室の中を歩いた。「先生、おはようございます」「お、白川か。おはよう。朝からどうした?」机に座っている先生は、いつものダルそうな雰囲気で、忙しくはなさそうだ。(昨日の話し合いのときは、別人のようにキリッとしていたのに)レンに深い事情があるように、先生にもいろいろ事情があるのかもしれない。「先生、相談があるのでのってもらえませんか? 今すぐ!」「今すぐ!?」時計を見た先生が「まぁ、15分くらいならいいぞ」と立ち上がると風景が変わった。【同日 朝/生徒指導室】(職員室から、昨日来た場所に飛ばされてる)先生は、「時間が少ないから早く座れ」と穂香を急かす。向かい合って座ると、「で? 何を相談したいんだ?」とさっそく本題に入った。(レンは、確か私達は、同じ一族で、生まれた時代が違うから一緒にいられないと言っていたよね?)穂香は、青い瞳をまっすぐ見つめる。「先生、同じ一族っで、どれくらい離れていたら結婚できますか?」「それって親戚関係とか、そういう話か? だったら、この世界の日本では、3親等離れていたら問題ないぞ」「3親等って?」「いとこなら結婚できるってことだ」「ということは、何百年あとに生まれた人と恋愛や結婚しても何も問題ないですよね?」「どういう設定の話か、まったく分からんが……。そうだな、3親等以上離れているから法律的にも医学的にも問題ない」(ということは、同じ一族なのは問題じゃないんだ。じゃあ、時代が違うからが、一番の問題だよね?)確かに、現代人と未来人が一緒になるのは難しそうだ。(でも、私が【パートナーを最高に幸せに
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第42話 穴織(赤)が告白できない理由①

【同日 朝/教室】(生徒指導室から、朝の教室に飛ばされてる)教室内には、真っ赤な髪の穴織と、鮮やかな緑色の髪のレンがいた。穂香は、穴織に挨拶をしたあと、レンの側に行く。「穂香さん、どこに行っていたんですか?」「先生に会ってた」「先生に?」「うん。ほら、昨日レンが『このまま恋愛候補の三人と仲良くなろう』って言っていたでしょう?」「言いましたが……」「ダメだった?」「ダメじゃないのですが、その、私以外の男性と二人きりで会うのは、少し妬けます」レンの顔は、真っ赤に染まっている。(こんなことで焼きもちやくほど、私のことが好きなのに告白できないって、やっぱりおかしいよ……)レンにつられて赤くなりながら自分の席についた穂香は、隣の席に座っているレンに話しかけた。「あのね、先生の問題を解決したいんだけど、どうしたらいいと思う?」穂香では解決策が思いつかないが、頭がいいレンなら何か思いつくかもしれない。レンは「そうですね。恋愛候補の問題を解決したら、もっと仲良くなれますものね」とうなずいた。穂香が先ほど先生から聞いた話を、レンに伝えると、なぜかレンは首元からお守りを取り出す。「それって、異世界からの呪いなんですよね? じゃあ、別の世界から現代に影響を与えようとしているということで、穴織くんのお守りで解決できるんじゃないですか?」穂香は息をのんだ。「言われてみればそうだね!? レン、天才すぎるよ」「褒めても何もでませんよ」と言いながら、レンは照れている。勢いよく立ち上がった穂香は、「穴織くーん!」と手をふった。振り向いた穴織は、「白川さん、どしたん?」と言いながら、こっちにくる。「穴織くんのお守り、もうひとつほしいんだけど、いいかな?」「ええけど、何に使うん?」そのとき、教室に青い髪の先生が入ってきた。「席につけー」穂香は穴織に「あとで説明するね」と伝えると、風景が変わる。【同日 昼休み/廊下】(朝の教室から、お昼休みまで飛ばされてる)穂香の側には、穴織とレンがいた。周囲に他の生徒の姿はない。穴織が「そんで、お守りは何に使うん?」と穂香に尋ねた。「実は、松凪先生に渡そうと思っているの」「先生に? なんで?」「それは……。私から話していいのか分からないから、くわしくは言えないの」「ふーん」と言いながら、穴織は穂香の手
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第43話 穴織(赤)が告白できない理由②

「化け物に近い?」そう呟いた穂香に、穴織は「そうそう」とうなずく。「といっても、急に俺が白川さんに襲いかかるとかはないで? でも、化け物退治の能力が強すぎると、心身への負担が大きくてな。長く生きられへん者が多いんや」穴織の胸ポケットから、しわがれた声がする。『涼の言う通り、今の我が一族は皆、短命でな。生き長えたとしても、年齢と共に感情が希薄になっていき、30歳を迎える頃には感情をなくして、化け物退治だけをする人形のようになってしまう』「どっちに転んでも、死んだも同然や」そう呟いた穴織の表情は暗い。「そんな……」それは、穂香の想像を遥かに超える深刻な状況だった。(まさか、穴織くんだけじゃなくて、一族全体の問題だったなんて……)穴織は言葉を続ける。「解決策を長年探してきたけど、まだ見つかってないねん。ここ数年の対策としては、化け物退治の能力を薄めるために、一般人との結婚を推奨されてるけど……。効果が出るのは、何十年も先や」話す武器は、『特に涼は、先代当主であるワシをも超えているのでは?と、言われるほどでな。一族の中でも、飛びぬけて能力が高い。このままでは、短命や人形化は避けて通れぬだろう』と淡々と告げる。「そういうことやねん。だから、せめて学生の間くらいは、笑って楽しく過ごそうと思ってるんや」すべてを諦めたように小さく笑う穴織に、穂香の胸は締めつけられた。(こんなの、私がどうにかできることじゃないよ。でも、あれ? ついさっき似たような話を聞いたような……?)穂香は、先生が【魔王の呪いが進行していくと、身体を乗っ取られて、自分が魔王になってしまう】と言っていたことを思い出した。(状況はぜんぜん違うけど、最終的に自分がなくなってしまうのは一緒だよね?)そして、先生は、神々の祝福で呪いを防いでいるとも言っていた。(もしかしたら、先生が持っている神々の祝福で、穴織くんも助かるかも?)穂香は、「あのね、穴織くん。ちょっとだけ気になることがあるんだけど」とためらいながら話す。「なんでも言って。白川さんには悪いけど、元から期待してないし」そう言った穴織の言葉には、優しさが含まれていた。穂香が解決できなくても、気にしなくていいと言ってくれている。「じゃあ放課後に時間をもらっていいかな? 会って欲しい人がいるの」「分かった」穴織がうなず
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第44話 解決策は?

「先生のお役に立てたのなら良かったです。あの、それで先生、お願いがあるんですけど」「俺にできることなら、なんでも言ってくれ」穂香は、チラッと穴織を見た。「さっき穴織くんから聞いた話を、先生に言ってもいいかな?」穴織は無言でうなずく。「先生。実は、穴織くんは、長く生きられなくて……」「そうなのか⁉」と驚く先生に、穴織は「そうなんです」と真面目に答えている。そして、どうして短命なのかや、運よく生き長らえたとしても、徐々に感情が失われていくことなどを説明した。穴織の説明が終わると、穂香が口を開く。「それで、先生が言っていた神々の祝福で、それをどうにかできないかなーと思いまして」「事情は分かった。白川の予想通り、穴織の問題は、俺が解決できそうだ」先生の言葉に、今度は穴織が驚いた。「ほんまですか⁉」「ああ、神の試練を受けて認められれば、祝福がもらえるからな。俺から話して、穴織が試練を受けれるようにしてやるよ」首にかけていたお守りを外す先生を見て、穴織は慌てている。「ちょっと待ってください! 先生は勇者なんですよね⁉ 俺は、そんなすごい人じゃないんですけど⁉」「化け物退治も、魔王退治も同じようなもんだろ」「絶対に違う!」先生は、しばらく目をつぶったあと「神々と話がついたぞ」と穴織の肩に手を置く。「いやいやいや、どういうこと!?」不安になった穂香が、小さく右手を上げた。「あの、先生」「白川、どうした?」「もし、穴織くんが神の試練に失敗したらどうなるんでしょうか?」「祝福がもらえないだけで、どうにもならない。そもそも、本来、神の試練は受けるまでが大変なんだ」「ということは、とりあえずで試練を受けても大丈夫ってことですね」穂香が遠慮がちに穴織を見ると、穴織はため息をついた。「分かった。白川さんがここまでお膳立てしてくれたんや。俺も覚悟を決めるわ! 先生、よろしくお願いします」先生は「じゃあ、放課後に俺のとこにこい」と言いながら穴織の肩をポンポン叩く。そして、ハッと思い出したような仕草をした。「そういえば、穴織。校門のバラの件は、どうなったんだ?」普通の人には見えないバラが、昨日から校門に咲いている。先生に「あれはおまえの管轄だろう?」と言われた穴織は、「たぶん、そうだと思うんですけど……」と、どうもはっきりしない。「あの
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第45話 生徒会長(黄)に相談します

【同日 放課後/教室】(生徒指導室から、放課後の教室に飛ばされてる)放課後の教室には、たくさんの生徒が残っていた。(そういえば、いろいろありすぎて忘れていたけど、今日から文化祭の準備期間だったっけ)これまでに穴織が下準備を進めていてくれたおかげで、お化け屋敷の準備はスムーズに進んでいる。(これなら、穴織くんがいなくてもなんとかなりそう)教室を見渡していた穂香は、姿が見えないモブ女子生徒に声をかけられた。「白川さん。穴織くんは?」「穴織くんは、松凪先生に呼び出されて、そっちに行ってるよ」今頃、神々の試練を受けているはずだ。「えー! お願いしたいことがあったのに!」「私でもいい? 文化祭実行委員だし、代わりにやるよ」「じゃあさー、これお願い」女子生徒が言うには、お化け屋敷の雰囲気を出すために段ボールに絵を描きたいが、絵が上手い人がいなくて困っているそうだ。(私も絵は、得意じゃないんだけど……)女子生徒の姿が見えないので、相手がどこかに行ってしまうと、それ以上会話ができない。(とりあえず、描いてみよう)段ボールを広げて、筆を走らせていると、レンが後ろからのぞきこんだ。「長方形が並んでいますね。アイスクリームの絵ですか?」「……お墓のつもりなんだけど」「えっ」驚くレンを、穂香は見上げる。「レンは、絵、うまい?」「うまいかは分かりませんが、これよりかはマシなものが描けると思いますよ」「だったら、代わりに描いて! お願い!」クスッと笑ったレンは、穂香から筆を受け取った。そして、指でメガネを押し上げる。「とりあえず、この時代のお墓を調べましょうか」「あっ、そっか。未来のお墓とは違うんだね」レンは、何度か瞬きすると、「これですね」とつぶやいた。(そういえば、レンのメガネはハイテクなパソコンみたいなやつだった)迷いなく筆を走らせ、レンはみるみるうちに絵を完成させていく。「レン、すごい!」いつのまにか人だかりができているようで、周囲でも「うまい!」とか「高橋すげぇ!」という声が聞こえてくる。完成すると、拍手が湧きおこった。戸惑った様子のレンは、穂香の耳元で「普通の学生生活は、こんな感じなのですね」とささやく。その言葉に、穂香はハッとなった。(そっか、レンは未来では罪人扱いされて、ずっと監視されていたって言っていたか
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第46話 生徒会長(黄)が告白できない理由

生徒会長は、ときおりうなずきながら、穂香の話を最後まで聞いてくれた。「なるほど。その小説では、主人公の女の子が、未来からきた科学者に恋をしたけど、時代が違うからずっとは一緒にいられないってストーリーなんだね?」「はい」「面白そうな小説だね。どんな題名なの? とりあえず、読んでみるよ」「えっ?」穂香と生徒会長の間に沈黙が流れた。「白川さん、どうしたの?」(ど、どうしよう……。こんなとき、レンがいてくれたら、うまく誤魔化してくれるのに!)あせる穂香の目の前に、透明なパネルが2枚現れた。(久しぶりに『選択肢』が出てきた! ということは、これは重要な選択!)パネルには、『嘘をつく』と『正直に話す』が書かれている。(嘘は……うまくつける自信がないから、もう正直に話すしかないよね)覚悟を決めた穂香が『正直に話す』のパネルにふれると、パネルは光り消えていく。「じ、実は、小説じゃなくて……。全部本当の話だって言ったら、信じてくれますか?」生徒会長は、綺麗な瞳を見開いた。「……なるほどね。じゃあ、実は僕は女性嫌いだって言ったら、白川さんは信じてくれる? 大勢に取り囲まれるのは苦痛だし、僕のことを何も知らないのに好意的な目を向けられると警戒してしまう。こんなこと、他では絶対に言えないけどね」穂香は、驚きながら後ずさり、生徒会長と距離をとる。「そうだったんですか⁉ すみません! じゃあ、私も嫌ですよね?」「ううん、白川さんは嫌じゃないよ。だって、初めて会ったときから、僕よりお弁当をキラキラした目で見ていたから」「あっ!」「しかも、僕に一度もときめいたことすらないでしょう?」「それは……。私、好きな人がいるので」生徒会長がホラーゲームの主人公位置だから、当初は『できる限り関わりたくない』と思ってしまっていたのは内緒だ。「うん、やっぱり白川さんはすごいね。僕の女性嫌い発言を疑いもしないんだから」「え? 嘘だったんですか⁉」「いや、本当だよ。でも、僕の演技は完璧だったでしょう?」「確かに。生徒会長がそんなことを思っていたなんて、まったく気がつきませんでした」「でしょう?」フワッと微笑んだ生徒会長は美しい。それでも、やはり穂香はときめかない。「生徒会長は、私の話を信じてくれるんですよね?」「うん、君が困っていたら助けるよ。恩返しもした
last update최신 업데이트 : 2025-04-05
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第47話 レン(緑)が告白できない理由

生徒会長は、「白川さんがそう言うと、本当に解決できそうな気がするから不思議だね」と微笑んだ。「僕のことは、さておき。話を君のことに戻そうよ」生徒会長は、机の上のものを端によけると、穂香にも椅子に座るように勧める。「さっそくだけど、穂香さんの話を整理しよう。もう一度、話してくれる?」「ありがとうございます!」生徒会長は、穂香の話を聞きながら、メモを取っていく。「話しをまとめると、大人になった白川さんは、とある男性と出会い、その人と結婚すると、人類が滅亡してしまう。それを阻止するために、未来から君の遠い子孫である幼なじみ設定の高橋くんがやってきた。目的は、白川さんの結婚相手を変えること。その恋愛相手候補3人のうちに僕も含まれているけど、白川さんは高橋くんのことが好きになったから、人類滅亡を防ぎつつ、高橋くんも幸せにしたいってことだね?」「はい」生徒会長は、何かを考えこんでいるようだ。「高橋くんは、すごい人だね」「え?」「だって、白川さんの結婚相手を変えたら、子孫の自分が消えてしまうリスクもあると思うんだけど」穂香は息をのんだ。「私の運命を変えたら……子孫であるレンは消えてしまうかもしれない?」生徒会長は、コクリとうなずく。「もしくは、まったくの別人になってしまうとか? これだけ大きく先祖の運命を変えたら、子孫も同じままではいられないんじゃないかな?」レンの今までの言葉が、穂香の頭に浮かんできた。――私はどうしても、あなたに愛をささやいて、生涯側にいることを誓えないのです。――あなたが愛おしくて仕方ありません。でも、告白だけは絶対にできないのです。「ああ、そっか……。レンが私に告白できない理由は、告白したら自分が消えちゃうからだ……」そのことに気がついてしまえば、抜け落ちていたパズルのピースがハマったかのように、いろんなことに気づいていく。「そういえば、レンはずっと監視されているって言ってたんです。その監視の目的は、人類の滅亡が阻止できたら、レンが消えるから……途中で逃げださないための監視……?」穂香は、ハッとなった。「あれ? ちょっと待って。じゃあ、レンは自分が消えてしまうかもしれないのに、ずっと私のサポート役をさせられていたってこと!?」穂香がレンでなくとも、誰かと恋愛するということは、人類滅亡の阻止であると同時に、レ
last update최신 업데이트 : 2025-04-06
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第48話 あきらめない

生徒会長は、「そうだね」とため息をついた。「未来人達の目的は、あくまで人類滅亡の阻止だから、僕達の幸せはそこに含まれていないみたいだね」「そんな……。私、そんなの、嫌です」呆然とする穂香に、生徒会長は微笑みかける。「僕も未来人のやり方は気に入らないな。特に、白川さんの子孫を罪人扱いして、責任を取らせようとしているところなんて、聞いてるだけで気分が悪いよ。どうにかしたいね」生徒会長は、「そういえば……」とつぶやく。「僕の問題を解決できそうな白川さんの知り合いって、もしかして、他の恋愛候補なのかな?」「あっ、そうです。恋愛候補の残り2人は、穴織くんと松凪先生なんです」「穴織くんって、前に僕と白川さんが生徒会室に閉じ込められたときに、扉を開けてくれた生徒だよね? それに、松凪先生も?」穂香は、コクリとうなずく。「穴織くんは、化け物退治の専門家で、先生は、異世界で魔王を倒した元勇者だそうです」黄色の瞳が、驚きで大きく見開かれた。「よく分からないけど、すごそうだね。僕達、恋愛候補の3人は、お互いのためにも協力したほうがいいと思う。今から会わせてもらえるかな?」「それが……」穂香は、今は穴織が異世界で神々の試練を受けているから会えないことを説明した。「どういう状況なの?」と驚く生徒会長に、穂香は苦笑いする。「じゃあ、その試練が終わり次第合わせてもらうとして……。あとは、高橋くんは、未来から来た天才科学者で、白川さんは、パートナーになった相手を少しだけ幸せにできるって言ってたよね?」「正確には違うんですが、そんな感じです」「皆、すごいね。僕は自分で言うのもどうかと思うけど、自由に使えるお金が多い。ねぇ、僕達が協力したら、なんでもできそうじゃない?」生徒会長の顔は、どこまでも真剣だ。「それこそ、人類滅亡の阻止も、僕達、皆が幸せになれる未来作りも」穂香がうなずくと、風景が変わった。【同日 放課後/教室】(生徒会室から、教室に飛ばされてる)夕焼け色に染まる教室には、レンしかいない。穂香を見つけると、レンはため息をついた。「遅いですよ。もう、皆、帰りました。文化祭の準備は、また明日やるそうです」(あっ、そういえば私、文化祭準備の時間延長申請のために、生徒会室に行ったんだった)いろいろありすぎて、すっかり忘れてしまっていた。「ごめん
last update최신 업데이트 : 2025-04-07
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第49話 それぞれの解決

穂香とレンが一緒に教室を出ると風景が変わる。【10月14日(木) 朝/職員室前】(放課後の教室から飛ばされて、次の日になってる)穂香は、職員室の扉を開けると、松凪先生の姿を捜した。すぐに青い髪と赤い髪と黄色い髪が視界に入る。(あれ? 穴織くんと生徒会長も一緒だ)穂香に気がついた先生が、片手を上げた。「白川、ちょうどいいところに」「おはようございます」と頭を下げた穂香を、先生は職員室から連れ出した。そのあとを、穴織と生徒会長がつづく。【同日 朝/生徒指導室】生徒指導室に、赤・青・黄色の髪を持つ恋愛候補と、穂香がそろった。「さっそくだが、生徒会長から、だいたいの話は聞いた」と先生が腕を組む。「えっ?」と驚いた穂香に、生徒会長が事情を説明してくれた。「実は昨日、生徒会室のカギを返却しに職員室に行ったら、ちょうど先生と穴織くんに会って」穂香が「神々の試練って、そんなに早く終わるんですか⁉」と質問すると、先生が「いや、俺のときは1か月くらいかかったが、時空が捻じ曲がってるから、現実世界では数時間しか経っていないんだ」と教えてくれる。「それで、結果は?」穂香の問いに、穴織はグッと親指を立てた。「バッチリやで! 神々の祝福を受けたから、これで俺も長生きできるわ」明るい笑みを浮かべる穴織は、穂香の両手を握った。「白川さんのおかげや! ありがとう!」「ううん。先生のおかげだし、穴織くんが頑張ったからだよ」穴織は「めっちゃええ子や」と泣き真似をしながら感動している。穴織の胸ポケットからは、離す武器のおじいさんの声が聞こえてきた。『まだ一族全体の問題は解決しておらんが、涼だけでも助かる術(すべ)を得ることができて、希望の光が差し込んだ。娘よ、感謝する』生徒会長が「次は、僕が報告する番だね」と穂香の手を取った。「僕の問題は、白川さんの予想通り、先生と穴織くんのおかげで解決したよ」「えっ!? もう解決したんですか?」驚く穂香に、生徒会長は微笑みかけた。「うん。穴織くんに、調べてもらったら、僕の行く先々に化け物が呼び寄せられる呪いがかけられていたんだ」穴織が、「そうそう。ものすっごい複雑で分かりにくいヤツが。先生の協力がなかったら、俺では気がつけんかったわ」と言うと、先生は「俺だけでは無理だった。たまたま、その場に穴織がいたから見つけられ
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第50話 科学にだけ特化した未来の弊害?

「白川、泣いている場合じゃないぞ。生徒会長からだいたいの話は聞いたが、もう一度、現状を確認しよう」そう言った先生は、穂香にこれまでのことを話すように指示する。そして、すべてを聞き終えると、大きくうなずいた。「なるほどな。研究者が人類の滅亡を防ごうとしていることから、地球の未来は科学だけに特化した世界なんだろうな」生徒会長が、「それは、どういう意味ですか?」と質問すると、先生は、急に授業中のような顔になった。「地球では科学が進んでいるが、異世界では魔法や他のものが進んでいる場合があるんだ。科学者の発明が引き金になり、人類の滅亡が始まるなら、地球は少し他のものを取り入れたほうがいいのかもな」穂香は、先生の言っている意味がよく分からなかった。「分からないって顔をしているな? ようするに、人類滅亡を阻止するのではなく、そもそも人類が滅亡するような事態にならないくらいまで未来を大幅に変えるのはどうだろうかって話だ?」「な、なるほど?」うなずく穂香の横で、生徒会長がさらに質問する。「でも、先生。未来を変えて人類滅亡を阻止したとしても、高橋くんが消えるという問題は解決できていないのではないでしょうか?」穴織も、ウンウンとうなずいている。「そうやんな。未来を大幅に変えると、レンレンどころか、今後生まれてくるすべての人達が変わってしまうんじゃないですか、先生?」「そこが問題だな。俺の知り合いにこういうことにくわしい奴がいてな。ちょっと聞いてみるから、放課後まで待ってくれ」穂香が「はい、よろしくお願いします」と頭を下げると、生徒会長が「その詳しい人って誰ですか?」と質問した。「ああ、勇者パーティーにいた賢者だ。かなりの変人だが世界の理(ことわり)を知っている」物語の中にしか出てこないような役職名を聞いた穂香は『なんだか、すごいことになりそう』と思うと風景が変わった。【同日 昼休み/教室】(あれ? 放課後まで飛ばされると思ったら、まだお昼休みだ)今日からレンは、学校に来ていない。昨日言っていた通り、やり直しを食い止めているのだろう。(レンがいないと、一緒に食べる相手すらいないよ……)いつもお弁当を作ってくれている母には「今日は忙しいから、購買でパンでも買ってね」と言われ、お金を貰っている。(購買、混んでないといいけど)穂香が立ち上がると「穴織
last update최신 업데이트 : 2025-04-09
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