「失礼します」穂香が職員室に入ったとたん、真っ青な髪が穂香の目に映った。(とりあえず、松凪先生に相談しよう)穂香の頭の中では、昨晩、レンから聞いた言葉がずっとぐるぐる回っている。――あなたが幸せにするパートナーを1人だけに絞らず、ものすごく優秀で、多方面に影響力がありそうな穴織くん、生徒会長、先生の三人を、同時にできる限り幸せにしたら、すごいことが起こりそうじゃないですか?(だったら、私は勝手に先生と生徒会長と穴織くんを【レンを最高に幸せにするためのパートナー】に決める! 私のパートナーになったんだから、三人とも多少は幸せになるはず。幸せになれたら、協力してくれるよね?)穂香は、青い髪を目指して職員室の中を歩いた。「先生、おはようございます」「お、白川か。おはよう。朝からどうした?」机に座っている先生は、いつものダルそうな雰囲気で、忙しくはなさそうだ。(昨日の話し合いのときは、別人のようにキリッとしていたのに)レンに深い事情があるように、先生にもいろいろ事情があるのかもしれない。「先生、相談があるのでのってもらえませんか? 今すぐ!」「今すぐ!?」時計を見た先生が「まぁ、15分くらいならいいぞ」と立ち上がると風景が変わった。【同日 朝/生徒指導室】(職員室から、昨日来た場所に飛ばされてる)先生は、「時間が少ないから早く座れ」と穂香を急かす。向かい合って座ると、「で? 何を相談したいんだ?」とさっそく本題に入った。(レンは、確か私達は、同じ一族で、生まれた時代が違うから一緒にいられないと言っていたよね?)穂香は、青い瞳をまっすぐ見つめる。「先生、同じ一族っで、どれくらい離れていたら結婚できますか?」「それって親戚関係とか、そういう話か? だったら、この世界の日本では、3親等離れていたら問題ないぞ」「3親等って?」「いとこなら結婚できるってことだ」「ということは、何百年あとに生まれた人と恋愛や結婚しても何も問題ないですよね?」「どういう設定の話か、まったく分からんが……。そうだな、3親等以上離れているから法律的にも医学的にも問題ない」(ということは、同じ一族なのは問題じゃないんだ。じゃあ、時代が違うからが、一番の問題だよね?)確かに、現代人と未来人が一緒になるのは難しそうだ。(でも、私が【パートナーを最高に幸せに
최신 업데이트 : 2025-03-31 더 보기