บททั้งหมดของ ザ・ラストゲーム・オブ・ 辻女ヴァンパイアーズ: บทที่ 31 - บทที่ 40

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3-4.ヒビキはひたすら調査する

 外は雨。夜にめずらしく家にいたらやっぱりおかーさんとぶつかった。泣きわめけばこっちが言うことを聞くと思ってる。中学生の頃から全然変わらない。そういうのが嫌だ。しまいにどうでもよくなってくる。 部屋に戻って電気を消してベットに入ったはいいけど眼が冴えて眠れない。おかーさんは疾うに寝たみたいだけど。 雨の音に耳を澄ませて心を落ち着かせる。テラスの手すりに雨水がしたたる金属的な音。雨どいを伝わって水が流れ落ちる音。風向きが変わって雨が窓をたたく音。風に揺れた木々の葉が立てる音。誰かが外の廊下を歩く音。玄関先であたしを呼ぶかすかな声。  ベッドをぬけて玄関を開けると、目の前に子ネコが立っていた。全身雨でびしょ濡れで彼女独特のお日様の匂いはしなかった。  これまでこんなことなかったから、嬉しいやら驚いたやらでどうしていいかわからなかった。とりあえずミルクをあげようと、いつものように襟を広げて名前を呼んだけれど、子ネコは動かず金色の目であたしを見つめるばかり。放って置くこともできず、家にも入れられないから、あたしは外で子ネコと一緒にいることにした。 切れかけの電灯と雨の音だけの静かな玄関前の廊下。子ネコは何も話さないし、あたしも言う言葉がない。時間はゆっくり過ぎて行くけど、全然変化がないからどれだけ経ったか分からない。 遠くで犬が鳴くのが聞こえた。すると、子ネコはあたしに背中を向け帰って行ってしまった。いつの間にか、雨も上がり東の空がほんのり赤くなっていた。  次の夜、また来てくれるかと思って待ったけれど子ネコは来なかった。もしかしてどこかに行ってしまったかと心配になって見に行ったら、子ネコは何も変わりない様子でいつもの地下室にいた。それから夜、家に居るときは待つとはなしに過ごすようになったけれど、結局それ一度きりだった。
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4-1.レイカ、夜間窓口業務になじむ

 いくら寝てないって言ったって寝れんわ、こんな朝から。でも寝とかないと仕事中やっちゃうからね。 爆睡中……。  あっつー。マジ死ぬ。クーラー誰とめた? 自分でタイマーかけたんだった。何時? スマフォ反応悪いな。エイ! っとね。まだ昼の1時かよ。汗でべっとべとしてるからかな。シャワー浴びてこよ。  さっぱりしたー。お風呂上りには冷たい飲み物ね。冷蔵庫にまたまたミワちゃんにもらったドクダミミルクコーヒー入れておいたんだ。いくら雑草ジュースブームだからって毎回雑草でなくっても。うっへ、これすっごい味なんだけど。ははーん。ミワちゃん少しS入ってるからね。きっと面白がってやってる。でも、もったいないから全部飲んじゃう。でも、おえー。  全然お腹すかないな。眠くないし。トーチョーするにはまだ早いし。トーチョーって言い方、お侍さんみたいでカッコいいんだよね。殿! トーチョーでございまする。ってな感じで。早いけど町でもプラプラしながら行こうかな。  やけにまっぶしーね。お日様。ふれあい公園だ。なつかしいね。高校の帰り、よく女バスの子とここで井戸端したな。 あれ? 誰とだっけ。思い出せないな。まいっか。  お、あれはサッカー少女リンちゃん。相変わらずボールはトモダチだね。でも、リンちゃん小学二年生だったから、ウチのこと覚えてないだろうな。あたしトカイセーカツで垢ぬけちゃってるから、なおさら。 「あ、レイちゃんだ。あそぼー」  覚えててくれたー。 「リンちゃん久しぶりー。帰って来たよ。またよろしくねー。リンちゃん、サッカーますます上手になったねー」 「うん」  お、急にしゃがんだ。分かりやすい、かまってチャンポーズ。 「どした? 元気ないじゃん」 「リンカね、クラブやめたんだ」 「えー、マジで? なんで?」 「クラブにね、リンカしか女の子がいなくなっちゃった」 「それはやだね。他にクラブないの?」 「あるけど、そこも女の子いなさそーなんだ」 「そっかー。でも、なんとかなるっしょ」  もちっとオトナな対応できんかね、ウチは。 「あ、クオレちゃん来た。レイちゃん一緒に
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4-2.レイカ、夜間窓口業務になじむ

 通学路、全然変わってないね。ついつい角のパン屋さんで女バスセット(アンドーナツと三角牛乳ね)買っちゃったよ。 「うん、これは。昔とまったく変わらぬぃ味ですぬぇ」(前の海サン)  うま。しかし、お散歩番組って、仕込みって分かってもずっと観ちゃう。フシギ。  きゃー、かわいいー。ぶちヌコ様だー。ヌコはいいね。ワンコは大概ほえられてツライけど。チッチッチッ。ほれ、ごろごろごろごろ。珍しいね、ノラヌコ。ウチらがコーコーに入ったころはここらはノラヌコだらけだった。ヌコ様の保護活動、女バスのココロが始めてそれをカリンが手伝ってたんだけど、保健所に持ってかれないよーに、病院つれてったり、飼ってくれる人探したりして、面倒見始めてさ。結局50匹近くのヌコ救ったって。みんなドギモだったよ。いまはどーなってるのかな。引き継ぎとかできなかったみたいだからね。ヌコ様、ばいばーい。ミルクのんでくれた。ほっこり。  見えてきたよ。ボコーの体育館。ちょっとちっさくなった? お、この感覚。大人になっちゃった体験ってやつだ。『スタンド・バイ・ミー』みたいなこと、ホントにあるんだね。冒険して帰ってきたら町が小さく見えたってやつ。ウチの冒険はトカイセーカツのことだけど。  おー、いるいる。女バスだ。体育館の出入り口にたむろってる。駅で会った子たちいるかな。深呼吸してー、戻る。ほら、違う子が顔出した。深呼吸でー、また戻る。やってるね、あの出入り口。夏場の練習の時、体育館の中が酸欠で苦しくなって、めっちゃ熱くて堪んなくて、女バスのみんなちょくちょく出てきては、あーやって涼しい風に当たって一息ついてた。それをコーチョーに、ドジョウが息吸いに上がってくるみたいだって言われて、キャプテンのヒマワリが 「うっせーマダラハゲ! こっちは死ぬ気でやってんだ!」  ってぶち切れたの。そしたらマダラハゲのやつ、川田せんせーにチクりやがって、罰として 「校長先生はマダラハゲではありません」  ってノート10ページ分書かされた上、 全員外周り二十周走らさせられた。 連帯責任でマネージャーのウチまで走らされたかんね。炎天下の中走ったもんだから、あんときは全員死んだ。熱中症にならなかったのが不思議なくらい。セイラは途
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4-3.レイカ、夜間窓口業務になじむ

 女バスの部室、ドア開いてる。ブヨージンだわ。中に入ったらニオウね相変わらず。バッシュが98パーセントを占めるのね、このニオイは。  2年の夏、あんまりニオウから、誰のバッシュが一番ニオウかコンテストした。バッシュって洗えないから誰のでもすぐ臭くなるんだよね。プシュプシュかけても気休めっての? みんなして、めっちゃクッセーとか言いながら、人のバッシュの臭いかいで、臭(シュー)ケーとってさ。結果、 シオネのが最有臭除臭ズ賞 とって、そのバッシュさ、金ラベル張られて、外周引き回しの上、ハリツケゴクモンの刑に処された。一か月雨ざらし。で、シオネにはそれに代わる新しいバッシュ、みんなでお金出しあって買ってあげたんだ。 ナイキのレブロンスペシャル。 シオネは最初、 「オレ、イラネーヨ」  って言ってた。こんな不名誉なことはないって。でも、結局受け取ってくれたよね。 「あんがとナ。感謝するゼ」  って。男前かっての。  シオネの名誉のために言っておくけど、シオネのが臭かったのは、誰よりも動いてバッシュがすぐにぼろぼろになるから。うちの点取り屋だったからね。相手のマークが厳しくって怪我もよくしてた、ウチが手当てしてあげたんだよ。すごかったのが相手のディフェンス一人で潜り抜けてリーチバック決めた時。どよめきが起きたあと大歓声で体育館が揺れたもんね。  でも、仲が良いことばっかりじゃなかった。ウチらが三年生になってから、女バスが二つに分かれていがみ合うようになって、練習の後とか、しょっちゅうケンカしてた。コートでは川田せんせーがいるからって、ブシツまで我慢して、ここで爆発させてたんだよね。そのころは、みんな家でもいろいろあって、ミワちゃんは二人暮らしのオジーちゃん体調悪くしてずっと心配してたし、ヒマワリはママが死んですぐだった。ウチは毎日ママとケンカばっかしてた。 家飛び出して夜の街を裸足で徘徊したこともあったよ。 今から思うとバッカみたいだけど。  家のことが学校生活にニジミ出ちゃうことって、ある。だから、他のみんなもそれぞれあってギスギスだったんだろうな。あの事件があって結局それどころじゃなくなっちゃったけど。
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4-4.レイカ、夜間窓口業務になじむ

 空気入れ変えよ。バスケのユニホーム干してあるや。こーやって並んでるのを見るのはやっぱツライな。欠番があるのなんて、ウチのコーコーぐらいじゃないかな。バスケのゼッケンなんて野球とかと意味違うのにね。 4番と7番と9番ない。ヒマワリ。 シオネ。 ココロ。三人があのシーズンに付けてたゼッケン。忘れらんないよ。  これ見るとあの事件のこと思い出しちゃうね。ウチらが高校三年の一学期、梅雨が始まったばっかのころ起こった女バス連続失踪事件のこと。 一番最初は、ヒマワリがいなくなった。 地区大会の練習でいつもより帰りが遅くなって、六道辻で一緒に帰った子とバイバイしたあと、いなくなっちゃった。ヒマワリのパパから捜索願いが出て、近くの池とか森の中とかも町の人総出で探したけど、見つかんなかった。 それからすぐに続けてシオネが、 梅雨が明けるころココロが行方不明になった。 あたしは、女バスのマネージャーってこともあったけど、 ヒマワリは、ミワちゃんもだけど、ちっさいころから家を行き来してよく遊んだ幼馴染だった。 ココロは家が近所だったからよく一緒に帰ってた。 シオネにはみんなには内緒の練習手伝ってもらってた。 だから、みんながいなくなって本当につらかった。  事件の後、ヘンタイに攫われたとか、カミカクシだとか、悪霊の仕業とかいろいろ言われたけど、結局誰一人見つからなかったから、いつの間にか事件はうやむやになってって、なんでかヒマワリのパパ達も捜索願い取り下げちゃてて。しまいには三人一緒に都会に家出したんだとか、そんな子は初めからいなかったとかいう大人まで現れたりして。そういうことにもウチらみんながキズついた。  ウチはこの町が超嫌いになってたから、高校卒業するとすぐに都会に出ようって、実はミワちゃん誘ったんだけど、ミワちゃん卒業式の時に言ったんだ、 「ヒマワリを待ってる」  って。ミワちゃんすごい強いと思った。でもウチはダメだった。はやく忘れたかったもん。
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4-5.レイカ、夜間窓口業務になじむ

「あなた、何してるんですか? そこで」  ドッキー! やっば。ウチ、どー見ても変質者かドロボーじゃん(冷汗)。 「あっれー? レイカ? レイカでしょ?」  よかったー、川田せんせーだ。 そうですー。レイカですー(安堵)。 「やっぱりそうだ。社会人の格好しててもレイカはすぐ分かるよ。そのスーツ似合ってるよ」  先生こそ。ブルズのタンクトップにホットパンツって、相変わらずデンジャラスですね。 「こっちに戻ったんだって?」 「はい。挨拶も来ないで、すいません」 「いいって。それより、お母様のこと聞いたよ。残念だったね」 「……」(こういう時の返事の仕方、ワカラナイ)  事件のあと、先生とよくここで話し合った。てか、いっぱいウチの話聞いてもらった。 「そっか、ユニホーム見てたのか」 「欠番のままなんですね」 「そうだね。それについては、つい最近も議論されたんだけど」 「ウチはやめた方がいいって思います。後輩には関係ないことだし。残すならもっと違う方法があると思います」 「うん。先生はちょっと違うけれど、大方はそんな意見なんだよ。でも」 「でも?」 「欠番継続を強く望む人がいるんだ」 「誰ですか?」 「ヒマワリのお父様。今の町長さんだよ」  ヒマワリのお父さんって、今、町長やってんのか。ウチの上長の上長の上長の上長くらい上長じゃね。 「被害者の方の意見は、なにより優先されるからね」  先生。被害者はヒマワリたちです。ヒマワリたち望んでますかね。 「大変ですね」 「うん。でも、これは先生たちのトール道だから」  懐かしー。 川田せんせーの口癖。何かってーと、「それはあなたのトール道よ!」。 そーだ、昨日の子のことそれとなく聞いてみよ。 「どうですか? 後輩たちは?」 「あー、レイカたちの頃に比べれば、やっぱね」 「そうですか」 「ヒマワリにはなんでも任せられた。あの子、頭よかったからね。シオネは天才。WNBAでも行けたレベル。ミワとナナミのゴール下は安心して
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4-6.レイカ、夜間窓口業務になじむ

 役場に着いたら、ミワちゃんから、 「こんど、みんなで集まろうってなって。レイカも帰って来たしって」  そう言われた。みんなっていうのは、女バスの仲間のことだけど、ドージにあの事件の当事者のことでもあるんだよね。だからアンマ気が進まない。会ったらきっと嫌なこと思い出してみんなどうにかなっちゃう。 役場のお風呂、いいお湯だった。ちょっと髪の毛まだ濡れてるっぽいな。夜、冷房効きすぎて寒いから、風邪ひかないようにしなくちゃ。雑草ジュース置いてある。ミワちゃんまたくれたんだ。サー仕事、仕事。  しまった、家にスマフォ置いて来たった。ったく、どーやって長い夜を過ごせってユーのよ。 今夜は特に暇だなー。ちょっと探検しよっと。このフロアだけならいいよね。気になってんのがあるんだ。あれなんだろーってずっと思ってた。フロアの真ん中に山椒の大木が生えてんの。人工のだけど。その下に女の人が寝てる銅像があるんだよね。 『遊女 みやぎの像』  だって。遊女ってなに? 説明書き「わがちをふふめおにこらや」だけだし。どういう意味だろ。スマフォないからググれないや。この人、宮木野神社に祭られてる人だよね。 辻沢の古い言い伝えで 志野婦神社の志野婦さんと宮木野さんは双子のヴァンパイア っていうのある。この像、寝てるのかな? 死んでるのかな? あれ、この顔どっかで見たことある。っていうか、知り合いに一人はいる顔だ。なんか親しみがわくよ。て言ったからって、くわ!って、目を明けて起きてこないでね。あそぼーなんて言っても遊んであげない。ウチ、仕事中だから。やっば、窓口に誰か来てる。置いてったよ。 気付かれないようにやってきて(歪曲)、 無言で(脚色)、 「特殊縁故結縁届」を窓口に(現実)。 初めてのお客様です。これを、窓口付きのパソコンに打ち込めば。あれ? ボタン押したのにな。ブーンて起動してこない。フツー、マウスいじったら画面が明るくなってさ、登録画面が出て来て、そこに内容を打ち込んで終わりっていうのじゃないのかな。おかしいな。そう言えば、ミワちゃん何か言ってたな。「何かあったら引き出し見ろ」だった。引き出しの
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2025-04-01
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4-7.レイカ、夜間窓口業務になじむ

 朝8時、家帰ってからすぐにベッドにもぐりこんで寝た。昨日の散歩のおかげで、すぐ寝ついたみたいなのに、まーた真昼間に目が覚めちゃったよ。もっと寝ないと仕事続けらんない。でも今日は涼すぃーね。過ごしやすそー。お風呂は役場で入るとして、トーチョーまで何してよっか。そっだ、居間の大画面でお父さんのビデオでも観よっと。あそこのは皿うどん(つい言いたくなるおやじギャグ)、もといサラウンドだから、迫力あるんだよね。  パパのコレクション、ちょっと古いんだ。なんせ16年前からそのまんまだから。ウチが観て面白いってのはアンマない。なにこれ。 『狼男アメリカン』 アメリカ人の青年が狼男になる話? 狼男に噛まれたらゾンビになるのか。ふーん、これにしょ。  着替えるのめんどくさいからパジャマのまんまでビデオ鑑賞。ママ生きてたら怒られたろうけど。ん? なんで、お味噌汁の匂い? ママが化けて出た? のわけないか。  なんか思い出しちゃった。お休みの日に遅く起きたら、ママがお昼の用意してて、こんな感じに、お味噌汁の匂いが漂っててさ。台所行ったら、ママが厭味ったらしく、「おそよー」なんて言って来て。くっそも面白くなくってカチンと来て。お腹すいてたのにわざとお昼食べなくて、ずっとTV観てママのこと無視してた。今思えばフツーの挨拶じゃん。オトナゲなかった、あの頃のウチ。なんでもママに逆らえばいいて思ってたふしがあるよ。  そっか、ニーニーの可能性も、ってないね。ゼッテーない。ウチがここを出る何年も前から一度も部屋から出てきたことなかったヤツが、ママが死んだくらいでカイシンしないっつーの。じゃー、だれって。ビンゴ! 高倉さんでしたー。 「こんちわー」 「お目覚めですか? 勝手に上がらせていただいております。聞けば徹夜のお仕事とか。大変でございますね」 「とか」だって。いきなりギャル語? なんか使い方違うし。 「は、はい」  会話続かない。 「よかったら、お食事をご一緒にいかがですか?」  ニーニーと? いやいやいや。ありえん案件だから。 「私とでございますが、お嫌ですか?」  高倉さんと? ひとんちで食事してんの、この人。いつもこーゆー感じだったの
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2025-04-02
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4-8.レイカ、夜間窓口業務になじむ

 ズーズズー。あーまずかった。ミワちゃんからマタマタもらった、ペンペングサ&タンポポ・ミルクココア。どれか一つにすりゃーいいじゃん。ペンペングサか、タンポポか、ミルクココアか。なんでいっしょにすんのよ。エグすぎるっての。まったく確信犯だよ、ドSのミワちゃんは。  しかし、あせるね。話すことない。高倉さんも一言もしゃべらないし。一緒って意味なくね?  「レイカ様は」  ビックしたー。しゃべったよ。あれ、高倉さんって、よく見っとキレーな人だ。色白で、ホソオモテっての? オバサンくさいお化粧直せばイケイケじゃね。特にそのチークは、ナンダカ。 「お役所にお勤めですとか」  またギャル語。どんだけウチとナレシタシミたいの? でも最近使わないから、その「とか」とかー。 「どちらの部署になりますでしょう」 「特殊戸籍課ってところです」 「まあ、ミワ様と同じところですね」 「知ってるんですか? ミワちゃんのこと」 「はい。よっく存じ上げておりますよ。お生まれになったころから」 「そんなに前からですか?」 「こちらでも、つい最近までご一緒させていただいておりました」  え? うちで? ミワちゃんが? 「はい。奥様がミワ様をいたくお気に入りで、しばらくお宅に住まわさせていらっしゃいました。ご一緒にお料理などされて、それはそれは可愛がられて。私にも『娘が帰ってきたようよ』と喜ば……、大変失礼いたしました」 「いいえ。いんんです。ウチは」  いいのに、高倉さん。すっごく申し訳なさそう。 「それって、いつごろの話ですか?」 「はい。レイカ様がお宅を出られてすぐに来られてたそうで、奥様が亡くなられるちょっと前まで」  ずいぶん長い間うちにいたってこと? ミワちゃんそんなこと何も言ってくれなかった。言いにくかったのかな? 「ゴチソー様でした。玉ネギ抜き牛丼おいしかったです」 「お粗末さまでございました。あ、そのままでどうぞ」 「いえ、洗います」  洗剤どれ使うのかな。この粉の使っちゃえ。蛇口はどっち?。アッツ。ネットーじゃん。  ま、いっか。ミワちゃんと
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2025-04-03
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4-9.レイカ、夜間窓口業務になじむ

 さあ、登庁の時間です。空、曇ってるな。天気予報でこれから雨って言ってたから傘持ってこう。 「行って来まーす」 「行ってらっしゃいませ」  なんか変な感じ。ガッコー行ってた頃みたい。あ、前園のオジサンだ。喪服来てどうしたんだろ? 「こんにちは」 「やあ、レイカちゃん」 「あのー」 「この格好かい? ヘイゾーが死んじゃってね。ペットの葬儀屋やら役場やら行って来た帰りさ」 「そうなんですか。病気だったんですか?」 「いいや、老衰だってさ。ここんとこずっと寝たきりだったんだよね」  どうりでウチが帰った時吠えてくれなかったんだ。 「残念ですね」 「ああ本当に。レイカちゃんもヘーゾウと仲良くしてくれてありがとね」 「いえ」 「じゃ」  オジサン泣いてた? 無理もないよ、15年も一緒だったんだから。サビシイヨ。へーちゃん。 バスやっと来た。 ゴリゴリーン。 「役場まで」  町の経済にコーケンするため、チャリ通やめてバス通にした。おっとあの二人、桃李女子高だ。紺の紐リボンとくるみボタンの丸エリ白ブレザーに長めの紺のスカート。腕にスモモの木のワッペン。「トーリ、モモイラザレバ」だっけ。なんでかトーリくんにモモが嫌われちゃってるヤツ。辻沢から通ってる子いるんだね。誇らしくもある。今年は東大京大に何人行ったのかな。見た目もどこか知的な感じする。でもおねーさん一言だけ言うね。引っ張ると埃の線になるから、その白い靴下はピシッと履こ(無言)。 「でね、あたしの姪っ子、双子なんだけど、まだ4才なの」 「お、可愛い盛り」 「そーなぬおー。めっちゃかわいいぬおー。二人ともほっぺがぷよぷよでー」 「そーか、かわいいのか。そのかわいいのがどした?」 「あ、そうそう。伯母さんが古い家の出だとかで、あんなちっさいのに、乳歯、わざと折っちゃったんだよ。二人とも。かわいそくない?」 「おー、かわいそーだ。で、なんで?」 「女の双子だからヴァンパイアにならないようにだって。バカげてるでしょ」 「へー、いまだにあるんだ。その割礼みたい
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2025-04-04
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