Semua Bab ザ・ラストゲーム・オブ・ 辻女ヴァンパイアーズ: Bab 1 - Bab 5

5 Bab

エピグラフ

*********************************************************************************************************************************************************************************************************************************「愛には牙がある。噛みつくのだ」 (スティーヴン・キング『スタンド・バイ・ミー』〈恐怖の四季 秋冬編〉)*********************************************************************************************************************************************************************************************************************************
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-02-06
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プロローグ レイカのママの影隠し

 ママ、死んじゃった。「レイカへ。 ニーニーのことはよろしくお願いします」 ってメッセージだけ遺して。 そんなの知らない。家を出て三年も経つのに、いまさらって気持ち。ニーニー引き籠りなんだよね。部屋から出てくる事なんて無くて、ウチが実家にいた時だって何年間も顔も見たことなかった。声すらわからない。そもそも、都会生活に慣れ親しんだウチからすれば田舎のことなんて記憶のカナタだから。 ママのお葬式はセレモニア辻沢でやった。慌ただしかったな。ウチの実家は辻沢ってところの旧家で屋号とかあったりするんだけど、ママが1人で切り盛りしてた。結局喪主誰だったんだろ。おばーちゃんとパパはずいぶん前に死んじゃったし、ニーニーがするわけないしって思って、ワンチャンあるかもって、『女バスな人にもわかる お葬式の段取り』 ポチってわざわざ持って行ったのに、ウチは祭壇のそばにずっと座らせられてただけ。式次第の喪主挨拶のところには、「宮木野」 って、なんか仕出し屋さんみたいな名前が載ってて、結局そこはスルーだった。きっとあれだよカゲモシュとかいう。……カゲムシャか、それは。うちの田舎は、例えばお葬式のことカゲカクシって言って夜にしかしないとか、よく分かんないシキタリがたくさんあるんだけど、娘のウチにママの顔を拝ませないってのはどうかと思うよね。で、だれもいなくなった時、棺桶の中覗いたんだけど、中に入ってたのは、「ひえ! 首なし!!」 ママの首どこ行っちゃったの? てか、これって本当にママなの?ウチはびっくりしちゃったけど、そういうことがあっても誰も大騒ぎしないんだ。辻沢だから。 それから参列者のオジサン、オバサン? 知らない人ばっかだった。あの人たちどっから湧いて出てきた? なんか、埃くさいってのか、土くさいってのか。 嬉しかったのはミワちゃんが来てくれてたこと。高校の卒業式以来だから3年ぶり? 式場暗くて分かりにくかったけど、お腹おっきかったみたい。女バスの時からおかーさんだったけど本当のおかーさんになるんだね。おめでと。懐かしいな。ナナミやカリンやセイラ、女バスの皆どうしてるかな。 お葬式が終わった時、司法書士って人に遺産を相続する気があるならば兄上と一年間同居しろって。ママってばほんとうざい。遺産ってどれくらい? って聞いたら、「あな
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第一章 響カリンは地元企業で社畜する(1)

 やっと打ち合わせ終わった。しかし、すげーなこの広報のヒト。一人で3時間しゃべり通しだった。最初の印象は、うつむき加減で肌が病的に白くって声もかぼそくて、か弱い女子だと思ったのに、いざ打ち合わせになったらしゃべるわしゃべるわ。女傑って言われるうちの社長がたじたじって、どんだけのバイタリティーだよ。それに比べて横の町長はといえば。ずーと鼻毛抜いてテーブルに並べてやがった。ったく、ここだれが後片付けすんだっての。「ヒビキ、車まわしといてくれる?」「はい、社長」「あ、ヒビキちゃん。キー、これね」 ちゃん呼ばわりすんな。ハナ毛。 廊下、灯り消えてるや。守衛さんうたた寝してる。オツカレサマでーす(小声)。無理もないよ、すでに夜の12時半だもの。で、さすがにこの時間となるとまだ涼しー。夜風が心地いい、稲くさいけど。今、田んぼの中でガサガサって音したね。なんてね、何もいるわけないし。いたとしてもでっかいネズミのヌートリアさんだしょ。 辻沢駅裏からこんな田んぼのまん中の本社移転で唯一うれしかったのが駐車場の広さ。青物市場の旧本社の駐車場は狭くて、社員は離れたところ使わされてた。ここなら全社員の車止めてもまだ余裕がある。 えっと、ノーブルシャイニングホワイトのエクサスはっと。あったあった。てか、もう社長の真っ赤なポルポルとエクサスだけじゃん(あたしのK車は除外)。相変わらずかっこいーねー、エクサスLFAは。V型10気筒DOHCエンジン、日本の公道でこんだけいるかっていうほどのパワーとスピード。インテリアの豪華さやばい。マホガニー調のダッシュボードに黒の総皮張りシートって、これだけであたしの車10台ぐらい買えちゃうんじゃないの?いつかあたしもこんな車に乗れるようになるんだろか。 まずは、キーを真ん中のスペースに置いてステアリング横のボタンを押すとエンジンがかかる。マジ? 激マジ?鼓動を揺さぶるエギゾーストノイズ。エンジン音ずっと聞いていたい。発車オーライ。おっと、アクセル踏み過ぎた。って、わざとー。怖いよ、この底知れぬ馬力。ハンドリング軽い。タイヤ吸いつく。これだったら峠道、楽勝でぶっ飛ばせるね。って、やっば、社長たちもう玄関で待ってる。「じゃあ、社長、三社祭スポンサードの件はよろしくということで」「はいはい。アイデアは町長、お金はう
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第一章 響カリンは地元企業で社畜する(2)

 それにしても、エクステ、めっちゃかっこいかった。「ヒビキ。あいつ一度、コロしてくれない」「いいんですか? 社長」「じゃんじゃんコロして」「じゃ、遠慮なく。これで、今月二人目になります」「あれ? そうだった? もう一人は誰?」「会長です。うちの引き籠り、ヤッチャってって、先週」「そうだった? でも、あのカスは常時依頼案件だから」「そういえば先々月も頼まれました」「だめじゃなーい。納期守らなきゃ。プロジェクト・リーダー失格だよ。なんてね」「して、ヤツメをコロした報酬は? 殿」「うむ。白いエクサスでどうじゃ」「あの、白いエクサスでございますか?」「悪い話ではなかろうて、近江屋。もともとうちがお金出して買わせたんだったよね、あの車って」「御意」「では、頼んだ。7月末までに納品してね」「御意」「冗談はさておき、もうこんな時間。帰ろ。乗っけて行くよ。乗りたいって言ってたよね、ポルポル」「ホントですか? あー、でも、車置いて帰ると明日メンドーなんで今度にします」「朝、迎えに行ってあげるよ。トール道だし」(それは、アナタのトール道よ)か。女バスの川田先生お元気かな。「どうした? ぼうっとして」 あ、思い出に浸ってしまった。「いえいえめっそーもない。社長にお迎えされるなんてしたら、スカート履き忘れちゃいそうです」「あー、それ知ってる。朝、スカート履くの忘れて電車乗るOLの話でしょ?」「かわいそうですよね。気付いた時のこと考えると」「ふーん。そういう反応なんだ、最近の若い子は。あたしらのころはバカだねーって感じだったけどね。まあ、そもそも論でヒビキはスカート履かないけど」 社長、少し疲れてるのかな。なんだか背中が曲がって見える。「じゃあ、気を付けて帰んなよ。スピード出すな。あんたはうちのホープなんだから」「お疲れ様でした」「あとよろしくね」 ポルポルか、いいな。飛ばすと気持ちいいんだろうな。 カイシャ誰もいない。いつものことだけど。「さ、ちゃっちゃと議事録作って帰ろ」 なんだかんだで、結局2時か、帰るのメンドーになっちゃった。顔洗って寝よ。ありゃりゃ、電動歯ブラシの毛先、広がっちゃってる。替えもなくなったし、お泊りセットそろそろ新しいのと変えなきゃね。あと替えPとかも用意しとかないと。P一枚で二日間はサスガニ。
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第一章 響カリンは地元企業で社畜する(3)

 やっぱり、仮眠室のソファーベッドじゃ熟睡できない。このコーヒーまずー。なんだって厚生室の「挽きたてアルカイックコーヒー」はこんなにまずいのかね。目も覚めないっての。ここの厚生室いらないからシャワールームにしてくれないかな。シャワーなら一発で目が覚める。シャワールームは一応あるけど別棟の端の方だし、男子専用みたいになってるから行くの嫌なんだよね。 厚生室ってば、バランスボールとか足裏ツボ踏みボードとか置いてあるけど、なんなの? しかもツーセットも。あんなの使うの社長に怒鳴られた北村シニアマネぐらいしょ。ボールに座って30分はぶーらぶーらしてる。まるで刑期が終わるの待ってるみたいにさ。そっか、なるほどこれこそ真のコーセー室だ。更生室なんてね。うわっ、あたしおやじギャグ言ってるし。オヤジ連に毒されて来てる。やっば。 この部署、企画戦略室って聞こえはいいけど、創業の功労者たちの慰安施設みたいになってる。いるのはおじーちゃんばっかり。会話って言っても、口開けば二言目にはダジャレ、三言目には昔話。やんなるよ。あれ? 社長だ。今日、早いな。「ヒビキ、ちょっといい? 社長室に」「社長。おはようございます」「あんた、その頭。また泊まったの?」 なんかなってる?「寝グセ。後ろはねまくってるよ」 あ、ホントだ。「あー、こうしてうちがブラックって噂が巷に広まっていくんだな。勘弁してよね。ヒビキは今日は休み。早々に帰宅しなさい」「え? そうなんですか? さっきの、ちょっといいはどうします?」「あ、そーだった。じゃ、ちょっとだけ。おい、北村。あとで社長室来いな。今じゃねーよ。あとでって言ったろ。ボケ」 うちの社長室はシンプルだから好きなんだよね。無駄なものが一切置いてない。現代絵画とか、洒落た写真とか、見たこともないような観葉植物とかない。これみよがしに置いてある女性社長の部屋の写真、『プレジネス』に載ってたりするけど、あれは板についてないっていうか、おのぼりさんの記念撮影にしか見えない。似合わねーのにひらひら付いたピンクのおべべ着せられちゃってさ。あんたらさ、そんな余計なもん見向きもしなかったから這い上がれたんじゃねーの、って思う。「あのね、ヒビキ。これはホントーに秘匿事項だから、口外は無用にしてほしいんだけど」「殿。またコロシですか?」「冗談じゃなく、カス
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