All Chapters of 白銀のケンタウロス: Chapter 11 - Chapter 20

84 Chapters

業火の中で 白骨の野原にて

「ワン子!」だが今はそれどころではないアーシュカチン カチャ 音を軋ませながら再び 再生して蘇る骨の馬と戦士がアーシュを囲みゴソリ、それに這い出してきた落とし穴の骨の恐竜達目の前の骨の獣や骨の巨人が攻撃してきた。よけ損なって頭上に微かにあたり額から血、それに再びわき腹に 槍がかする。「うわっ!」痛みに悲鳴 唇から血がもれる2撃目は思った以上に傷が深い、瞳を見開き、唇をかみ締め、囲んだ敵を睨みつけ ゆっくりと口を開き 魔法の呪文を唱えて‥◆ ◆ ◆「業火の炎よ、現れよ、炎の竜…我が呼びかけに答えよ 我が名は…」アーシュの足元 円や楕円を弧を描くように 炎が走る弧を描く炎は足元から大きく広がってゆきそして轟音を立てながら 全ては炎に包まれる。アーシュの瞳は紅く輝きそして、足元の炎 声をあげなら炎の中から竜の形を取るものが現れた。◆ ◆ ◆ ◆ ◆パチパチ・・炎が一面を覆う 全ては業火の中で燃えていた。敵である多くの骨の怪物 モンスター 彼等、骨がバラバラと崩れて 灰になってゆく炎の中でアーシュは一人、立ていた。己の血で身体を赤く染めて殺気だった瞳を見開いたまま立ち尽くすアーシュ「アーシュラン いや、黒の国のサラマンデイア(火竜王) 黒の王…よかったのかな?」◆ ◆ ◆白銀の髪や額の飾り身に纏った片肩と胸当ての銀の鎧が炎に照らされ輝いている。声をかけてきたのは戦士、騎士のいだてち、姿をした白馬の女ケンタウロスゆっくりと振り返り 彼女を見るアーシュ「レグルス お前 どっちのレグルスだ?最初に会った・・味方のレグルスか? 」「それとも洞窟の湖で会った 能天気で食い気だけの敵のレグルスか?」「安心しろ お前が言う最初のレグルスだ 未来の亡霊」微笑むレグルス◆ ◆ ◆くらり 目の前が暗くなる 倒れこみそうなアーシュをレグルスは抱きとめる。「少し休むがいい その怪我に先程の消耗の激しい大呪文だ」「ワン子なら 後で会えるし お前の恋人にも」力尽きて倒れるように そのまま眠りこむアーシュ
last updateLast Updated : 2025-02-07
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再び現在の時間 リアンとワン子の家

再び現在、森の中にあるワン子の家リアンはゆっくりと地上に降りたつリアンの背中にあった白い羽根は丸くなり、身体にしまわれるワン子の家のドアを呼び鈴を鳴らして、その後でドアを何度か叩く。「 ワン子くん? エイル? 黒の王・・あ、そうか、アーシュ殿」彼、アーシュ殿が黒の王というのは 一応、ワン子くんには内緒だったけ森の中 微風にリアンの肩ほどに整えられた淡い金の髪が風に揺れる。森を抜けてたどり着いた。 魔法使いの家で、ワン子の家でもある 可愛い家 そうして またドアを何度か残ってる左手で呼び鈴代わりの鈴を鳴らして様子を伺う。「やはり魔法で鍵を解除して中に入るか」しばらく悩んだ後で リアンはドア解除の魔法を唱えるがパチン!「え?」バシューン! 勢いよくドアから吹き飛ばされそうになる。家全体が、まるでシャボン玉に包まれ、そのシャボン玉の中には入れない「!」「この家、様子が変だ?」 リアンは独り言う続いて魔法を詠唱するリアン「風の精霊よ わが手に宿り 魔法を砕け!」しかし、一度は揺れたものの、ビクともしない 「私の魔法を弾いた!まさか!」「リアン殿」後ろから、かすかに声がした、振り返ると誰もいないしかし、リアンはその声に聞き覚えがあった 懐かしい声 今はいない「今の声…まさか、まさか!レグルス!」「‥昔、死んだはずの私の副官」「あの戦いで…」「白馬のケンタウロス、美しい銀髪の女騎士レグルス」◆ ◆ ◆ ◆ ◆再び こちらは、お空の彼方に吹き飛ばされたワン子ぱちくり!目を覚ます わん子「あれ、ここどこ?」サラサラと音をたてる わん子が寝てた所 一面 砂……?目を覚ますと そこはまるで 夕暮れの中の砂漠のど真ん中「大丈夫ですか」少女の優しげな声に振り返る。 ワン子の前に心配そうに立っていたのは 大きな瞳 瞳にはアイシャドウで縁取り、猫耳の古代エジプトの衣装を纏う少女が一人。滑らかな白い生地の身体のラインがよく分かるドレスに胸元でとめた大きめの宝石を縫込み 縁取りされたベルトで留め首元の小さな宝石 トルコ石や紅石、瑠璃などをビーズ状態にして、それを首元を覆うような大きな首飾り 夕焼けの光にキラキラ輝いていた。「私の名前はバステイルよ、ワン子さん、よろしくね」ワン子は知らないが 時の回廊で巨大サソリと戦った
last updateLast Updated : 2025-02-07
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砂漠の船と次の時間の世界へ

ワン子は知らないが時の回廊で巨大サソリと戦ったアーシュを助けた未来のレグルスと共にいた猫耳の亜人の少女、猫の女神それから‥◆ ◆ ◆夕暮れの砂漠の中のワン子 砂漠の中にある 砂で出来た小さなお城の中でご馳走になってます ワンワン「美味しかったですワンワン!」ワン子は ネコ耳のバステイルという少女に スープやパンとか美味しいご飯をご馳走になりましたワンワン。少女は、ワン子に一言、こう言った「貴方のお友達、アーシュさんなら後で会えるわ」「え!ワンワン」  「彼なら、大丈夫」「本当ですか?ワン」アーシュさん強いもんねワン「私は今回の貴方達の旅の水先案内人の一人 レグルス達の骨の守り人バステイル」 「え!今なんて?ワン」「ふふっ、先にワン子さんが大好きな人エイルさんを捜しましょうね?」「え!」 「アーシュさんなら、大丈夫、後で会えるから」「だってね、今ごろエイルさん、ワン子さんと一緒で寂しがりやさんだから泣いてるかも」「そ、それは大変だワン!」「行きましょうか?」お城から出ると星が煌いて「あ…」夜空に小さな帆をはった船がプカプカ浮かんで、次には船はゆっくりと少女の合図で降りてきました。 ◆ ◆ ◆船に乗ると夜の空に浮かんだ幾つかのピラミッド、そのうちの一つ、一番大きいピラミッドに入ってゆきました。奇妙ですエッシャーの絵の中を歩いてみたいです。天井の砂の大地に置かれた岩の上を歩いてるかと思うと今度は 設置された左右の横壁の階段や逆さになって道を歩いてますワン星が煌いてました。「あ…」夜空に小さな帆をはった船がプカプカ浮かんでます…。◆ ◆ ◆船はゆっくりと少女の合図で降りて船に乗ると夜の空に浮かんだ幾つかのピラミッドそのうちの一つ 一番大きいピラミッドに入って行きます奇妙…エッシャーの絵の中を歩いてみたいです。天井の砂の大地に置かれた岩の上を歩いてるかと思うと今度は 設置された左右の横壁の階段や逆さになって道を歩いてますワン「やあ、よく来たね」アヌビスと呼ばれる 犬の顔を持つ番人(神さま)が笑って迎えてくれましたワン「これを忘れないでね」少女はアーシュさんが持っていたのと同じ皮袋を手渡しましたこれ…ワン! そうアーシュさんの皮袋。中には幾つかの品物と大事なオルゴール◆ ◆ ◆「これはケンタウ
last updateLast Updated : 2025-02-08
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此処は過去の時間の世界 子供時代のエイルと

時間の扉を超えた先は花畑に…あ、何か置いてある、ピクニックの荷物、果実に飲み物に美味しそうな食べ物が沢山?果物を包んでるのは、新聞だぁ! この記事に書れてる月日…年は…西の国のお山の噴火て…?確か10年以上前に噴火があった事だよね。新聞では、一年前て書いてある。それに 新聞の書かれてる年は…日付は10年以上前!◆ ◆ ◆「おい!そこの!何をしているんだ!」振り返るとそこには…アーシュが立っていた。「え!まさか!」アーシュさああん!と声をかけようとして動きが止まる。「あ!可愛い!ワン子さんだ!」嬉しそうな小さな子供の声オッドアイの左右違う色の瞳に短い、ふわふわとした金色の髪の男の子いえ、男の子のような元気な5、6歳の女の子(のはず…?)10年前のまだ幼い子供のエイルさんがそこに立っていた。え!そうか! 確かアーシュさんの本当の年齢は 二十歳前後だって言ってましたワン!魔法の薬のせいで 記憶をなくして 子供の姿に戻ってしまった…て…じゃあ、そばにいるのは過去の…本当の子供時代のアーシュさん!・・・・・!あ、今のアーシュさんより…少し下かな? 12歳ぐらい?ワン「どうしたの?何を騒いでるの?」「リアン兄さま!」声をかけたのは 肩より少し長めの淡い金の髪を一つにたばねた14歳前後の少年あれって!リアンさん!ワン!アーシュさんの方は片方の眉を少し上げ リアンさんを少し、やぶ睨みがちに見ている…あ、横向いた。 リアンさんの事が気にいらないみたいワンワンまあ、将来はエイルさんを巡って恋のライバル??だもんなワン◆ ◆ ◆この場合は…「はじめましてワン…み…道に迷ってしまいましたワン!魔法使いの弟子のワン子といいますワン!」「ワン子さん、僕達ね…お城から 花畑に遊びに来たの」「エイルだよ」それから簡単な自己紹介。 黒髪の少年(過去の子供時代のアーシュさん)に手をかざし「こちらはアーシュ…隣の国から来たのそれから、リアン兄さま!」淡い金の髪に淡いブルーの優しそうな瞳の少年を指さす二人よりも少しお兄さん「リアンだよ、ワン子くん…エイルの親戚なんだ」アーシュはこちらをチラリと見て後は無視。「はあ、最初会った時もそうだった…人見知り激しいから…ワン」「ぴぴ!」 エイルさんのすぐ後ろから小鳥の声! 「あ!この子
last updateLast Updated : 2025-02-08
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過去の時間の世界 アーシュの処刑の可能性と再会

再会、アーシュの処刑の可能性……?驚きの事情を知るワン子…。◆ ◆ ◆「リアンさま!」騎乗の騎士が呼びかける。「そろそろ、お城にお戻りください」その言葉に頷く少年のリアン「ワン子くん、道に迷って大変だろう?明日誰かに送らせるから、今晩はお城においでよ」リアンの言葉「え!」「ピッツ!」小鳥のエイルさんも、そうしたら‥と鳴く一頭にはリアンさんとエイルさん、もう一頭にはアーシュさん鎧のケンタウロスの一人が私の背に乗れと合図する。ん、香水?香水の匂い…女性のケンタウロス?小声で女性のケンタウロスが話しかけてきた。「20年ぶりじゃないか? 時の扉を超えて 時間を旅したのか?じゃないと、時間的にあわない」◆ ◆ ◆ハッ!とするワン子この声! この声は!!「ひさしぶりだな、ワン子、元気だったか?」背に乗ったワン子に振り返った兜の下のその顔はレグルスさん!!「レグルスさんですかワン!」「ケンタウロスは長寿でな、まあ女性には年は尋ねるなよ」驚き声も出ないワン子と小鳥さんになったエイル。「女性の年齢は秘密だ」いたずらっ子のような笑顔を見せる白馬のケンタウロス、レグルス「どうして此処に…?とは聞かないのか?ワン子」ハッとして「は、はい!どうしてですか!ワン」「あれからしばらくは、皆で楽しく暮らしてたよ」「でも、大きな戦いや疫病 それに一年前の火山の爆発で仲間の多くは死滅した」固い表情のレグルス「生き残りのほとんどはこの国・・白の国の雇われ戦士として暮らして」チラリと別の馬の背に騎乗したアーシュに目をやる。◆ ◆ ◆「城に来て彼アーシュ殿に会って驚いた」「彼自身、アーシュ殿はまだ、過去の私には時間的には会っていない事はすぐ理解した」「もう一つ、何故 彼があれほどの炎の魔法の使い手だったのかは 得心いったよ予言の次世代だったとはね」微笑するレグルス「本来なら,明日にでも…」「人質として処刑されて殺されてしまう運命のはずだったのに」「よほどの強運の持ち主なのだな」「おそらく無事に生き延びて時間の旅で20年前の私と出会う‥とはな」「処刑?」「ええっ!処刑!アーシュさんが!」「そりゃ!目つきは悪いし 強引だし 性格にも問題ありますがワン」 ◆ ◆ ◆「処刑て‥まだ子供のアーシュさんが何か悪い事したですか!ワンワン!」
last updateLast Updated : 2025-02-08
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過去の戦争の歴史〜過去と未来の戦の輪舞

「見せしめで処刑!」「ああ」「だからだろうね 彼、アーシュ殿はあまり、周りと関わらないようにしてるじゃないか?」「咎められる事はないだろうが 深入りしていたら、周りも罰を受けかねんからな」その事実に 絶句して、まっ青になるワン子◆ ◆ ◆「ぴぴぴ!☆」小鳥さんのエイルさんが何かを告げたくて鳴いた。ハッ!として小鳥さんを見るワン子 小鳥さん 微笑んでいる。◆ ◆ ◆「え、ええっと・・」「ぴぴぴ!」明るく鳴く小鳥さん。「だ、大丈夫なんですねワンワン! アーシュさん大丈夫なんですね☆」ほっとするワン子◆ ◆ ◆「ピイー♪ そうだよ ワン子さん安心して♪」10年後のエイルさんはそう言っている。「ハッ!そうだったワン!」僕は骨の野原ではぐれるまで‥子供の姿になってしまっているけど10年後のアーシュさんと一緒にいたんだワンワン♪◆ ◆ ◆そうだ!ワン子は10年前に起こった歴史の事を聞いていた。確かに一度 お隣の白の国と黒の国は和平を結んでたんだワン!それから黒の国は一度、王様達もろとも北の国に滅ぼされて…!黒の貴族や生きの延びた王族さん達が再び国を取り返して、再び国は繁栄するワン!◆ ◆ ◆本来なら、和平を結びその動きを知っていた白の国が警告や助けにいくはず…だったのに!◆ ◆ ◆見捨ててしまって、しかも巨人族と 裏で手を結んでたらしい!と公然の秘密だったワン!◆ ◆ ◆数年前に今度は北の巨人族の国が…今度は白の国を襲うワンワン!◆ ◆ ◆迎え撃つ白の国の軍隊は裏をかかれ 北の巨人族の大軍が白の国の都を襲うワンワン!で…風前の灯の白の国を救ったのはなんと!長年の仇敵で一度裏切られてしまったはずの黒の国の軍隊だったらしい!◆ ◆ ◆はあはあ…ぜいぜいワン子の頭では難しいすぎて、もう頭…ぐるぐるしちゃう…ワン。んで…再び白の国と黒の国は再び仲良くなりました。一応 平和な時代というのが…現在のワン子達が住む世界の状況
last updateLast Updated : 2025-02-08
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過去の時間 裏事情と白の城でのチェス〜過去と未来の戦の輪舞

それが 最近の御話 実は裏事情があって…。黒の国の今の王様が白の国の王女さまにラブラブしててつまり…恋してて、そんで周りの猛反対を無視して助けに行った!というのが本当の本当の…裏話らしい。恋の力て…すごい!「くしゅうん!」 「ごほん!」 「くしゅ!」 何故だか 小鳥のエイルさん 子供のエイルさん 更に子供のアーシュさんまで同時にくしゅん!…って…。あれ?でも…どこで今の黒の王様ってば 白の国の王女さまに出会ったでしょうねワン?黒の王様や白の国の王女様って、一体どんな人達なのかな?ワン・・・ワン子はアーシュが黒の王でエイルが恋の相手、白の王女だというのを全然、知らないお城に着き、門の所で「じゃあ!またなワン子! 私はこれから友人と酒の約束があるからな」ケンタウロスのレグルスさん「もう一人のアーシュ…彼に会ったら、今度こそ、絶品の食事を楽しみにしてる!と伝えてくれよ」軽く手を振りながら、レグルスさんは立ち去った。「はい、です!ワン、ワン♪」 二人の後を追い 後ろからついてゆくワン子そこに後ろから声をかけられる「ワン子さん」白い光に包まれた17歳前後の少女の姿のエイルさんの精神体が立っていた「エイルさん…ワン、ワン!!」「お願いがあるの…ワン子さん」「?」「実は…」エイルが事情を話し出すその後、食事も終えて 今度はアーシュさんの御部屋でエイルさん(子供時代のエイルさんとアーシュさんのチエスの勝負頂いたお菓子をほおばりながら 見守るワン子ううう!アーシュさん結構強い。 「また負けた…くすん」エイル、ぱたっとテーブルに倒れこむ「がんばって、修行だな」と一言アーシュ 「ううう!」エイルさん 次回にチャレンジだ!ワン、ワン「間もなく、子供は寝る時間…部屋に帰れよエイル」「うん、でも、僕のお部屋は遠くて、アーシュのお部屋からだと30分以上かかるだけど」そうだ、ここ大きなお城だ…もんね、すごく広いだよね、ワン。すごく大きなホテルと一緒だもんねワン。ここは、大きさからいえば ホテルの建物が3つ4つ入ってしまうもんワン、ワン沢山の他の高い位の貴族の人達とか住んでるし街の警備をする人達離れの建物には軍隊の兵士さん達も住んでるみたい、ワン街の政治をする建物も城の中の右手にあったワン!「駄目」冷たく一言 アー
last updateLast Updated : 2025-02-09
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過去の時間の世界 リアンとアーシュ〜過去と未来の戦の輪舞

お部屋に戻ると部屋の前でリアンさんが立っていた。「エイル」 「どうしたの?リアン兄さま」「あ、ああ…ちょっと‥ね、白の国の王宮から知らせがあって‥」「たいした事じゃないよエイル」 言葉とは裏腹…目が動揺の色を隠せません。リアンさん ワン!ワン子は事情を知っているワン◆ ◆ ◆がちゃん!うあああ! 遠くから悲鳴やどよめき!物が壊れる大きな音「何! どうしたの!」見回りの兵士の一人が走ってきて「リアンさま!エイルさま!部屋に入ってください」「黒の国の兵士が‥!」ハッして 慌てて言葉を濁す見張りの白の国の兵士。「いえ、あの盗賊のようです、どうか部屋へ」「分かった」リアンが答えるエイルさんやワン子を先に部屋に入れると見張りの兵士にそっと、尋ねるリアン◆ ◆ ◆「先ほど、王宮からの知らせを聞いた」「白の国は 北の巨人族の軍隊の動きを知りながら、それを黒の国へは知らせず」「その為に巨人族の軍が黒の国の都や王宮を焼き払ったと…黒の国を治めてる王族は、ほぼ全滅…黒の国は滅んだ」「エイルの実の母親、黒の王子アーシュ殿と入れ代わりに黒の国に行った姫、彼女は黒の国の首都にいて、恐らく死んだらしい」「エイルが本当は人質だった、身代わりに彼女は…」「黒の国が滅び、黒の王族は…彼一人」「黒の国の兵士は…それを黒の国の王子である彼‥アーシュラン殿、アーシュ殿に知らせに来たのだろう?」「白の国は裏切った、その為に黒の国は滅んだ」「彼アーシュ殿は、このままでは敵の巨人族に引き渡されるか…処刑される」うなずく 見張りの白の国の兵士◆ ◆ ◆「エイルは部屋から出さないようにするから」ほんの数日前の出来事をリアンは思い出していた。◆ ◆ ◆「もし、俺が処刑される事になったら エイルには黙っていてくれるか?」「!」 「リアン殿、貴方は知ってるはずだ、運が悪ければ明日にでも俺は処刑されるかも知れない」無表情で淡々と話すアーシュ「なんとか、知らせずに…」リアンは沈黙して、アーシュの話を聞いている。「それから、俺は事情があって、黒の国へ戻ったとでも、別の場所に行った…とでも、言ってくれないか?」「エイルを悲しませたくない」 「ただ、幼い頃にあった思い出話で覚えててくれれば…それでいいから」「随分と悲しい事ばかり言うだね、本当にそれで、良いの
last updateLast Updated : 2025-02-09
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処刑からのエスケープ〜過去と未来の戦の輪舞

その頃急を密かに知らせた黒の国の兵士 瀕死の兵士がアーシュの部屋で息絶えていたのだった。黒の国が白の国の裏切りで滅んだ事、黒の国の王都陥落の知らせ王族はほぼ殺害され 異母妹の王女は行方不明、殺害された可能性が高い黒の王族の生き残りはアーシュのみそうして、廊下には見張りの兵士の死体が転がり、すぐ傍にはアーシュの部屋アーシュの部屋に忍び込んだのは息も絶え絶えの血まみれの兵士が一人アーシュの故郷である黒の国の兵士彼は、黒の国が敵である巨人族に襲われた事と王宮が陥落した事をアーシュに伝えて、息絶えた。死んだ兵士、彼にそっと、部屋の白いシーツをかぶせ思い悩んだ後「本来なら俺は捨て石 人族の側室の子 俺は処刑されていたな」黒の王で王妃の子 跡継ぎの王女、王子達が生き残るはずだったから」アーシュの独白◆ ◆ ◆淡い恋心…正妃 寵姫の息子として憎まれてしまった相手、極上の美貌の王妃慕ってくれた美しい異母妹の王女、彼女が女王になるはずだった 幼い異母弟、無関心な冷淡な父王だが…今は…「もし、もしも、運命が味方して、生き延びる事が出来たなら」再び呟きアーシュは、わずかばかりの荷物をまとめ部屋の奥に隠していた短めの剣ショートソードを手に取り 部屋の扉を開いた。◆ ◆ ◆アーシュは…振り返り部屋の中のテーブルの上のチエス盤にエイルが先程まで座っていた椅子を眺め とても不思議な思いで、感慨深げに ほんの少しだけ見つめてそうして、今度は振り返りもせず 部屋を出ていった。
last updateLast Updated : 2025-02-11
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少年リアンと二人のエイル〜過去と未来の戦の輪舞

エイルの部屋ではリアンが琴を演奏していた。暖かなミルクがたっぷりと入ったココアが鼻腔をくすぐる。「美味しいね☆ワン子さん うふ」「そうですねワンワン!」 でもワン子は 内心オロオロしていた と言うのも先程エイルさん実は17歳の現在のエイルさんの頼まれ事を思い出していたワンワン。「あの子供時代のあの時、僕…いえ、私ね…心配するリアン兄さまに引き止められて」 「アーシュに会えなかったの、あの日の夜」「アーシュはお城から抜け出して それから十年近い時間がたつまで…ずっと、会えなかった」「それにお城から抜け出す時に 見張りの兵士に襲われて大怪我をしたらしいの!」「もし 城から抜け出せなかったら、アーシュは処刑されてらしいだけど」「せめて アーシュが怪我などしないように 子供時代の僕が守ってあげたい!」「僕がいれば、見張りの兵士はアーシュには手を出せないだろうし」「あの晩もう、一度だけ 子供時代の僕‥いえ、私にアーシュに会わせてあげたい」17歳のエイルさんの言葉を思い出しながら作戦を練るワン子で・・作戦開始!「あ!」ワン子はわざとココアをこぼした!「ああ!大変 タオルは‥あれ?どこだろう?」「隣の部屋に予備があったから 僕が取ってくるね」 エイルさん扉を開けようとしたエイルさんに「エイル!」「どうしたの?リアン兄さま」「まだ、盗賊がうろうろしてるかも知れないから・・部屋から出ちゃ危ないよエイル」めっ!と軽くエイルさんを諭し それから、安心させるように微笑むリアン「タオルの代わりの布が何かあったよね ハンカチを貸してごらん」僕の頭の上の小鳥エイルさんが飛び立ち びっくりしたように部屋をグルグルと回る。 「え!どうしたの!小鳥さん!」と子供時代のエイル 驚いて様子を見てるリアンそれから小鳥さんはリアンさんの顔にアタック! 「うああ!」驚いたふりして!部屋にあった大きな飾りの壷に手をやり手が滑ったふりして それをリアンさんの方に転がす ワン子あ、案の定、壷にリアンさんは足を取られ転がった。狙い?通り目を回してるリアンさんごめんね、リアンさんすごく~アーシュさんなんかより(おい!ワン子そこまで言うか!)良い人なのに、すごく良い人なのに……あう…ワンワン。温和で優しくて、この前、ワン子に美味しい食事をご馳走してくれて
last updateLast Updated : 2025-02-11
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