怒った少年ケンタウロスが アーシュさんに勢いよく 槍を投げつける ビユン!! 無言で、飛んできた槍を…アーシュは利き腕の左手で捕らえる。「いいものGET」そう言うと、槍を投げたケンタウロスの少年の背に瞬時に飛び移り羽に触れて その背の羽が魔法の力で身体の一部でない事を確認する「魔法の造りもの、魔法の羽か…」魔法の玉の力により、作り出された羽、飛び魚の羽を思いおこすような…。ケンタウロスの少年の背中の羽に槍を突き刺す「うああ〜ああっ」魔法が解けて 少年ケンタウロスは 洞窟の湖にまっ逆さに落ちてゆく。バシャーん! 勢いおく音を立てて 青い湖の中へ…。近くにいた別のケンタウロスの少年の背に飛び乗り 同じく背中の羽を槍でつく。こちらは湖の中の方…赤い巨大金魚・アカアカ(変身中)・ことエイルエイルを呼ぶ声、湖の上から呼ぶ声がする。「……エイル」「え!」ぱしゃぱしゃぱしゃ!!!!エイルは 湖の上の光へ向かい 泳いでいった。・・・・・こちらは戦闘中のアーシュひょいと、ジャンプ、時にはケンタウロスの背を足場に回転ジャンプまたは、手をつき、新体操のごとくジャンプ!そうかと思えば、横壁を蹴り、次々とケンタウロスの魔法の羽羽にアーシュが槍を突き刺す水魚の羽の魔法が解けたケンタウロス達は……ひゅうるる…と音をたてながらケンタウロスの少年は悲鳴をあげて「ひやあああああ!!」青い洞窟の湖の中へと……そしてバシャーん…と 水の音くるん、空中で回転したアーシュ 再び、わん子の縛られてる綱に捕まる、アーシュ。「お前!!」他の少年ケンタウロスが声を荒げ今度は別のケンタウロスが飛び掛るが、羽をつかまれ、アーシュが呪文を唱えるとメキと音をたて砕け、魔法が解ける。勢いよく、またしてもバシャーんと水の音 足元の青い湖へ少年ケンタウロス達を目で、睨みつけて威嚇するアーシュふふ~ん 面白げに見ている…白銀の髪のレグルスアーシュは 片足と片方の腕に軽く縄をからませ自分の身体を固定する。いつの間にか 口にくわえてた 小さな玉は吐き出し 手の平に魔法の玉はケンタウロスに…変身の力を与えてた、魔法の玉しばし、束の間、考えるアーシュ「そこのアーシュさん!!ワン」 「もしもし! 僕の頭の上に片足が乗って…つまり、僕、ワン子の頭がアーシュさんの足場に
そして、ケンタウロスから取り上げた変身の魔法の玉を見てハッ!として苦笑するアーシュ片方の足は縄に軽く絡め、もう片方の足は その縄で縛られてるワン子の頭の上(もちろんワン子は まだ抗議してますワン)片手でケンタウロスから奪った短い槍を持ちもう片方の手は腕を紐に軽く絡め魔法の玉を持っている状態である。呪文を唱え腰をかがめ、槍を自分の腰の腰紐に挿して 今度はゆっくりと紐に絡めた手を離し 軽くワン子の頭の乗せた足が浮くワン子の身体も紐で縛られてるのでつられて揺れる「へ!ワン!!」くるんと回転して、一見、逆さにつられた状態である。片足の紐で絡めた部分のみで身体を支えている。「ええっと…昔、小さい頃に連れていってもらって見たサーカスみたいな事しているワン!」「おい、ワン子!お前泳げるよな!」「はいですワン、ワン」ワン子がアーシュの問いかけに慌てて答えた。「まあ、どうなるかわからないが、もしもの時は頑張れ、ワン子」少し肩をすくめるアーシュ「ところで、エルトニアはエイルはどこだ? あいつらに捕まってるのか?」大事なエイルさんを心配するアーシュさん…ワン、ワン「いえ!一緒じゃないですか?ワンワン!心配ですワン」「えええと 分かりませんワン!…あ!」ところで、逆さ吊り状態のアーシュだがそんな状態で話していては、勿論、相手には攻撃のチャンスである。突然の攻撃!攻撃を仕掛けて来た少年ケンタウロス達に逆さ状態で…。一人の顔を短い槍の柄の部分ではたき!そのまま、勢いよく槍を回して 今度は魔法の羽を剣の部分で右に槍でつく! 更には、すぐ横にいたケンタウロスを反対の左に引いた形で柄の部分でお腹にドン「うっ!」顔をゆがめる少年ケンタウロス槍を立てるように回して 「悪いな」と笑い彼の羽をつかんで魔法を唱える羽の魔法が解けて、そのまま湖へ ひゅるるるる……と音を立てながら ドボン!「馬鹿やろおお!」湖に落とされた少年ケンタウロス達の罵声!「あれ?アーシュさん そういえば・・ずっと酷い怪我をさせないように手加減していませんか?ワン」アーシュの手には2個目の魔法の変身玉一つ目は既に先程の呪文に反応して輝いている2個目にも同じ呪文を唱えすると白く輝く空に浮く衣 長方形の長い布に変化した「ま、女の子向きだが、仕方ないか」と苦笑して肩をす
次から次に少年ケンタウロス軍団をなぎ倒しご機嫌なアーシュさん「ふふーん♪」本当に楽しそうに ケンタウロス達を湖に たたき込む。バシャーン!何度も、その水音が響き渡る。と・突然 アーシュさんの動きが止まった!いつの間にかアーシュの背中につきつけられた短い槍の刃「全く、元気な 困った暴れん坊だな、お前」白銀色の長い髪が洞窟に差し込む光にきらめくレグルス、彼女の青とも紫がかかった瞳がキラキラと生き生きと輝いている。「おまけに この私、歳上の美女、目上に対しての礼儀も知らんだろう!」「お前!なんだ!その目つき!やぶ睨みしおって反抗的な!目だ!」アーシュさんの左手に握りた槍の刃は後ろ手に しっかりとこちらも女性ケンタウロス、レグルスの胸元につきつけられてた。「目つきの悪いのは生まれつき…悪かったな」ぶっきらぼうに言い放つアーシュニヤリッと笑うレグルス「お前…何故 自分自身の羽を使わない?身体の中にしまっている翼だ」「敵である 黒の貴族か、あるいは黒の王族に連なる大貴族と悟られぬ為にか?私の目は ふし穴じやないぞ 」「ふふん、ポーカフェースは苦手か、けっこう・可愛いなお前」とレグルス「うるさい デカ馬女!」ひきつり 一言叫ぶ アーシュ「お口の悪いお子様だね♪」あ・良く聞こえないけどアーシュさん、なんか焦ってる?ワンその時だった…湖の水が 揺らめき水はブクブクと泡立つ…大きく揺れ…。「レグルスさま!」湖に落とされた ケンタウロスの少年達が 怯え悲鳴を上げた。ハッ!として足元の湖を見るレグルス 波立つ湖から現れたのは牙を持つ肉食魚、巨大魚グルル!「炎!」 アーシュが叫ぶ 魔法の言葉 魚の目の前にうねる大きなヘビのような炎が踊る。別の巨大魚グルルが現れる 少年達の悲鳴が洞窟の湖に響き渡った次にレグルスの槍が巨大魚グルルを貫く!アーシュも咄嗟(とっさ)に新たに現れた敵に対抗する為に彼女レグルスを補助するかのごとく、攻撃の魔法の呪文を唱える。わん子はゆらゆら……風船もどきモードで天女の衣で宙に浮いてたのだが湖から別の怪しい二つの目がわん子を見つめていた。顔色を変えるアーシュ
ワン子を狙い 一気に水の中から飛び上がったのは肉食巨大魚グルル!「きやああああ!ワン!」バシャーン、勢いよく水音が弾き飛び散る、ハッとするアーシュ その時、ザックリ!と 鈍い音 巨大魚グルルをレグルスの槍が貫いた!ばしゃーん!「ぐおぉん」グルルは湖の中へ。「ふぅ…」軽く息をつく銀色の髪のケンタウロスのレグルス「皆!無事か!」「はい!レグルス様!大丈夫です」ちらりとアーシュの方を 見る。「魔法の補助を有難う お前…名前は?」「アーシュラン…アーシュ」と目つきの悪い黒髪の少年アーシュは答える。「私はレグルス、西のケンタウロスの部族の三の長だ」(つまり・三番目に偉い人だワン)「お前、黒の王族か貴族か?先程の魔法の幾つかは子供が扱うには 並じゃないぞ」「先程の炎の魔法」「久方ぶり 黒の火焔の王アジェンダ王から300年ぶりに出現する炎の魔法が得意な使い手は 火焔の世代」「星見の魔法使い方達の話では…」「炎を司る星は次の世代だと聞いてたと思うだが、予知者の神殿の巫女の話だ」「深紅の眸、珍しい瞳の色 その色は炎の魔力を帯びると聞いたが…」「炎の魔法使いの世代、出現には特に戦(いくさ)が多いからね「他にも黄金の瞳の王達の世代も多いがな、そう聞いている」言葉を続けるレグルス「私達は黒の一族とは敵にあたる、白の国側の者だからな」「本来なら 怪しげな黒の国の者…しかも、強力な炎の魔法の使い手など白の守護者達に引き渡す義務がなきにしもあらず」軽くニコニコな笑顔で笑いながら話すレグルス本気でない事はその口調から読み取れた。「じゃあ 三の長であるレグルス殿 怪しげな俺やそこのワン子をどうするつもりだ」無表情のまま 問いかけをするアーシュ「そうだな!子供らを傷つけずしかも、巨大肉食魚から子供達を助けてくれた恩義もある、とりあえず見なかった事にして」「一緒にメシでも食べるか!幸い今回はグルルも大量の魚も取れて大漁!大漁!」「いいのか? あのワン子はともかく怪しげな黒の国の者を ほっとくのか?」と本人である…アーシュ「構わない♪構わない♪」「ところで黒の国では別の大陸や島国などの他国との交流が盛んで 珍しい料理方法もあるとか!お前知ってるか?」そこでワン子が一言!「アーシュさんは料理の天才ですぅワン!」「おおっ!なんて素晴
美味な巨大金魚?アカアカに変身したお姫様のエイルアカアカの入った網を受けとり じっ・・と赤い巨大金魚アカアカを見るアーシュ。考え込んでいる様子のアーシュ「きっと・きっと!大丈夫、気がついてくれる!アーシュ!アーシュ!大丈夫だよね!」思いのたけを込めて見つめ返すエイル!どきどきじっ・・・。「あ…」言葉がぽつりアーシュ(あ?・・って気がついたの!アーシュ!)期待を込めてじっと見つめ返すエイル!!「やっぱり 俺が思うに、この魚は刺身・カルパッチヨかな?それから骨や頭はスープ、カレー味かガスパチョ風か」お魚に変身したお姫様のエイル~であった!ああ、なんと!それとは知らない恋人?のアーシュに料理されそう。「アーシュの馬鹿!馬鹿!ばか!」かくしてエイルは泣いていた!「あれ!泣いてませんか?ワン」と怪訝な顔をするワン子さん「気のせいだろ?」とエイルの恋人?のアーシュ「アーシュの大ばかぁぁ!」ピチピチと網の中で暴れるお魚に変身中のエイル。「新鮮、生きがいいな♪楽しみだ♪」(・・って何が?)嬉しそうなアーシュ周りには それはそれに嬉しいそうな表情をした溶ろけそうなホクホク笑顔で幸せそうなレグルスさん・はじめ少年ケンタウロスご一同様
「大丈夫かな・今度こそ気がつくかな?」どきどき「やっぱりスープの煮込みも捨てがたいよな」と……しみじみと一言のアーシュ「あ……やっぱり」涙するエイル「さてと!じゃあ料理始めるから調理場を案内してくれ」ケンタウロス達に声をかけるアーシュうん!うん!とうなずくケンタウロスご一同様「そうだ荷物とってこないと」とアーシュ岩影に置いてあった小さめの荷物の入った皮袋に近づくすると、皮袋の中のオルゴールが発 光して!眩しい光を皮袋を透してオルゴールが輝く!呼応するように赤い巨大な金魚、アカアカもまたその光に反応して輝くのだった!アカアカの中の光はゆっくりと人の姿を形どると「え、エイル?」「エイルさん?ワン!☆」透ける姿のエイル金色の髪がふわふわとうねる優しい笑顔、左、右の色違いの綺麗な大きな瞳そして、発した、その最初の言葉は「アーシュのバカ!」涙ぐみ、うるうるとしつつ…。恋人?アーシュへの罵声であった。「アーシュのバカ!バカ!ケンタウロス達との戦闘を楽しんで!趣味の料理の事で頭がいっぱいで!」「僕の事なんか!忘れてたでしょ!」と号泣しながら、怒るエイル または巨大な金魚「……すまない」驚き 、やっとの事で絞りだすように口を訊いてエイルに謝罪するアーシュえっと、知らなかったとは…いえ、アーシュさんお魚に変身したエイルさんに散々・刺身だのカルパッチヨにする……って嬉しそうに目の前で言ってたものワンワンそりゃエイルさんにしてみれば 気がついてくれないし泣くよねワンワンその場にいる、キョトンとするレグルスさんはじめケンタウロスの皆様方「お前…頭でも、うったのか?何故、 魚に謝ってる?」「あ!」「ワン子にもエイルさんの姿が見れますワン!」「エイルさん ケンタウロスの皆さん、可愛い少女の姿が見れますか?ワン」首を振るケンタウロスさん達なんかだか、まずいかもワン。
「その幻の超・超・貴重な絶品のお魚アカアカは渡さないという気か!お前!」と声に少し怒りを含ませる白銀色の髪のケンタウロスレグルス「だから〜此方のアカアカでなく、そこのグルルなら幾らでも料理してやるよ、駄目か?」とため息まじりのアーシュ「ふ、そんな事は許されると思うのか!絶品!アカアカは何が何でも!いただく!」びしっと指を指すケンタウロスのレグルス「アーシュさん、ワンワン」気弱げにオロオロしつつ ワン子はアーシュを見る。「交渉は決裂…まったく、本当に仕方ないな」とポッリとつぶやく アーシュそして、アーシュの口から静かに漏れる言葉魔法の詠唱そう、次には魔法の呪文を静かに紡ぐアーシュがいた。先じて 風の攻撃魔法を放つケンタウロスのレグルス!「ここは湖、水の加護の場だ、フイールドは我らの味方!」レグルス「食い意地にはった奴等だ、やれやれ、まったく」口元をゆがませつつ呟くアーシュ「水の竜 我が呼びかけに応えよ! サーペントその姿を現せ」ザパンン!数匹の勢いよく細長い大きな水の竜サーペントが地底湖から現れる「水竜か!まずい!」 焦るアーシュ「アーシュさんワンワン」「その荷物を離すなよワン子、頼んだぞ!」「風よ かまいたちよ!敵を散らせ」風魔法を放つアーシュ
現在の時間‥お茶を楽しむ青年リアンとアルテシア姫その頃 お城で僕らを心配する人たちがいたワンワン「まだ 二人とも わん子さんの家から戻らないのよ」お茶を片手にため息まじりに美しい長い黒髪を揺らしてアルことアルテシア姫は呟く。彼女の長いエルフのような耳がピクン「そうなんですか?アルテシア姫 エイルも彼も、ワン子さんの家から、戻らない?そうなんですか?」淡い金髪 青い瞳 綺麗な面立ちの優しげな青年が問いかける。彼はエイルと白の国‥短く独特な同じ特徴的な耳を持つがだが、彼の右にかけた肩のローブからは途中から腕の先はない、戦争で失った片腕「ええ、心配してますわ、リアン様 大事な妹のように仲良しのエイルもですが、黒の王で主君のアーシュ様」「アーシュ様は瀕死の怪我した時の薬の副作用で少年の姿、記憶も無くして……」「また治療中の身の上ですから」アルテイシア姫青年から少年の姿になったアーシュ黒の王…この黒の王国、一度、滅んだ国を取り戻した大事な君主…更には、共に戦った記憶も無くした王大貴族て女騎士のアルティシアにとって大事な君主 エイルは彼女が母のように思い、大好きだった白の国の姫君の娘 父が再婚するはずの姫、その娘エイル「アーシュ殿、黒の王は薬の副作用で少年の姿になりましたからね」白の国の武官のリアンが肩をすくめる。「ならば、私が見てきましょう? 心配はないと思いますが、私の従姉妹のエイルの事も気になりますから」白の国の武官リアンはそう言う「でも、リアン様は腕の方 治療の続きは?」心配そうに眉を少ししかめて、アルテイシア姫が問いかける。「まだ 大丈夫ですよ 姫」微笑して武官リアンが微笑み、言った。「竜か大鷲に乗られますか?それともご自分の翼ですか?リアン様」「自分の翼で行きます、姫」背中の中の羽根、丸くなって身体の中にあったものリアンの場合は純白の翼、翼を身体の中から出して翼を広げて、ゆっくり飛び去る。彼の後ろ姿を見送りながらアルテシア姫は思ったリアン様はまだエイルの事を想ってるみたい?リアン様にとってはエイルは従妹か…まあ 無理もないか エイルの為に 元敵の国・黒の国へ それはエイルへの恋心王族としての地位を捨ててまで 大使の名目で 追いかけてきたのですものイラスト 作者が描いたイラストhttps://estar.j
「え!エイルさん!!」 「あ!ワン子さん」黒の王宮 お城の大きな庭に立つ美しく着飾ったエイル、未来の時間にいるエイル「き‥綺麗ですワン びっくりしました!ワン」 綺麗な大きな髪飾り・・耳飾りに 複雑な形に結い上げて髪に挿し飾られた小さな真珠やダイヤが煌いているワンドレスも金の縁取りの刺繍が素敵です。胸元のベルトも大小の色とりどりの宝石がちりばめられてます 首飾りや 腕飾りも綺麗口紅もサクランボ色の綺麗な色ですワンワン「うふ、有難うワン子さん 最近はちょおとだけ・お洒落してるの」「国同士が仲良くしてもらう為の大事な外交でとても大切な大きなパーテイや茶会があってたから」「あれ!目元が赤い!少し濡れてます‥もしかして泣いてませんかワンもしや!アーシュさんが何かしたんですか?ワンワン」「ちょっと違うけど、本当はそうかも‥ね」くすっと笑うエイル「ああ!そうだワン子さん そうか!今は時間の旅の途中なんだね!!」うんうんと頷き、庭の花園にワン子の手を取り引っ張ってゆくエイル途中でお腹を抑えてちょっと吐きそうなエイル「大丈夫ですかワンワン」「うん、ごめんちょっと食あたりかな 最近、時々あるんだけど」すたすたと庭園、庭の奥へ歩いてゆく二人「あ、いた!見てこの蝶だよ これが・・僕」羽の片方が白、片方は綺麗な青色 瑠璃色の変わった蝶「皮袋のオルゴールを開けて、ワン子さん。」エイルさんの手に止まった蝶がオルゴールの音楽に反応して白く輝く宝玉に変身した蝶・・そして宝玉はオルゴールの中へ「時間の扉は その花園の中に出現してるよ僕にとって過去の出来事だから知っているんだよ 実は未来のワン子さんに聞いたの うふ」「じゃあ!僕・・ええっと私ねこれから準備があるから、名残惜しいだけど、行くね ワン子さん」「行く?って?エイルさんワン!」「僕いえ私、白の国に帰ることになったんだ」寂しげにうつむくエイル
「昔の俺 アーシュ・・!」「!!」驚き茂みから出てくる時間の旅の途中である子供の姿 アーシュ・・。「どうして、エイルを白の国へ帰そうとしているんだ?」未来の自分に問いかける素直な疑問を口に出して問う子供姿、少年のアーシュ「・・戦いがはじまるんだよ 無事に生きて戻れるか判らない」淡々と話しかける未来のアーシュ「地に伏せて血だまりの中で命を絶たれるのは 戦士の定めか」「このまだ戦いは止められないのか?」今の自分、少年のアーシュは再び問いかけるその言葉に首をすくめる未来の大人の姿のアーシュ アーシュラン「知ってるだろう・・今は新たな敵、雪深い北の巨人族たちとの戦争は止められない」「戦いの種は長い年月 数十世代も前、俺が生まれる以前から蒔かれたもの幾重にも罠のようにクモの巣のようにはりめぐっている」「わかっていても、刈り取る事が可能なら・・よかったのにな」「もし、運命を変えられるなら・・」「その時間、その時を大切に・・な 愛しい人に大切な友や仲間 笑いあえる時間を大切に それが恵み・・というものかも知れないな」「じゃあ!な」 未来のアーシュは先に行ったアルテシア姫の後を追い歩きだす。だが、思い出したように振り返り「ああ、そうだ!ワン子と捜しているエイルの身体宝珠は向こうの先の庭にある」指を指す未来のアーシュ未来の自分・・彼を見送ると アーシュは唇をかみ締めて指差した方に走り出す少年のアーシュ
「いいか エイル、エルトニア・・リアンの所に行くんだ 判ったな」優しい声でゆっくりと話しかけるアーシュ「リアん兄さまの元に・・白の国に僕の国へ帰れと?」「ねえ!迎えに ちゃんと迎えに来てくれるの?」黙ったまま・・エイルを見つめるアーシュ「今はまだわからない でも、約束するから」エイルの涙をその指先でぬぐうと顔を近づけ 口づけを交わす「アーシュ・・アーシュラン」「約束するよ」エイルに向かって 微笑むアーシュ「必ず、待ってるから・・待ってるから・・」何度も振り返り 庭の奥に消えていくエイル「王・・黒の王 火焔の王さま 私のサラマンデイア様」 声をかけるのは 長い黒髪を上に丸く結い上げた女騎士。美しいメリハリのある身体をかっちりとした銀色の鎧に包み込んだリュース公女 アルテシア姫「結局、貴方も 先々代の王同様に・・私のおばあさまのように」白の国の姫君をエルトニア姫を手放すのね」「可哀想なエイル そして・・貴方・・」悲しげにつぶやくアル、アルテシア姫「私のおばあさまはエイル同様白の国からの人質で 先々代の黒の王と恋に落ちてたけど」「でも、結局は白の国にも戻れずに、黒の貴族のリュース家に嫁いで・・」「エイルの母、エリンシア姫…優しくて綺麗で、早く母を亡くし、父は姫を娶るつもりで…」「でも、エリンシア姫は非業の死を」「……私にとってエイルは妹のような存在、母親の分まで幸せになって良かったのに」「私は悲しいわ」「アル、アルテイシア リュース家の姫君」「行きましょうか・・私の黒の王さま リュース家は貴方達、王家の剣、盾でもある」「騎士として、今も昔も王家ともにあるわ」「ああ」うなずく アーシュランだが、彼は ハッ!と気が付いて・・「すまないアルテシア 俺のリュース準将軍殿・・少し先で待っててくれないか?」頷き それからアルテシア姫が先にいった事を確認して未来のアーシュは茂みに向かって声をかける。「そこにいるのは、知ってる何せ、俺にとっては過去の出来事だからな」苦笑 くす・・と笑う。
「あれ!アーシュさん? また、はぐれたみたいですアーシュさんはいずこ??」一人きりにり、はぐれたワン子が呟く。一方、アーシュの方は……。「俺は戻って来たのか? ここは、黒の国の王宮 俺の城だ…間違いない!」そうして庭園の中の茂みに迷いこんでいるアーシュだったが…。庭園、此処は花の香りが漂う、綺麗な緑に噴水庭園の白いレンガの道が見えてそこに踏み出そうとした その時だった。「いや!アーシュ」 若い少女の声がしたのだった。「なんで、そんな事を言うの?僕は白の国へは戻らない!アーシュの傍に居るよ 僕は絶対、アーシュの傍に居るから」庭園 その庭の片隅のテラスエイルのお気に入りの場所に二人の人物が抱き合って立っていた一人は綺麗な髪飾りで髪を結い上げ、美しいドレスを纏った金色の髪の女性それにもう一人は・・鎧を身につけた二十歳前後の男性男性は肩ほどにのびた黒い髪を金の留め物で一つにたばねて鎧をまとっている。そして、彼は泣いてる女性美しい金色の髪をした女性を抱きしめているのだ。あれはエイル・・?俺のエルトニア、俺のエイルか? それに抱きしめてるのは俺…俺なのか…二十歳前後の男性 未来の俺なのか? という事は…?という事は此処は…?未来の時間なのか?それは間違いなく、おそらくは7,8年前後の近い未来 数年後の未来のアーシュだった。
次の日の朝・・まだ少し顔色が悪いアーシュさん「大丈夫ですか?ワン」レグルスの言葉に頷くアーシュ 深々とフードをかぶり‥迎えに来たレグルスさんと一緒に支払いを済ませ 早々に宿を出発する。街を抜け人目がなくなると「いいから無理せず私の背に乗れ‥アーシュ」レグルスさんの言葉に再び、頷き その背に乗る。「森の奥、こっちだ」ぱしゃん! 小さな魚が跳ねる。森の奥にある小さな泉・・泉の水は不思議な色をしてたワン 虹のように様々な色で煌き近くに行き すぐ傍の顔を近づけると‥銀色に輝く鏡のようでしたワン「私が触れても鏡のように硬くて手を触れる事も出来ないだが」泉にふれるレグルスさん「ケンタウロス族に伝わる伝承では・・ケンタウロスの賢者に神に時間の旅を許された者」「許された時間の間だけ、この泉の中の扉に入れるそうだ何故、お前達が時間の旅をしているか‥不思議だがな」皮袋のオルゴールが発光して 優しい旋律が鳴り響く泉は反応して 青い光を放つ「どうやら扉が開いたらしい 行け二人とも!」ワン子は皮袋を握りしめアーシュはうなずくとワン子の手を取り泉の中に足を踏み入れ 二人は青い、青い光に包まれましたワン☆気がつくと、ここは黒の国のお城でしたワン!・・・・・!おや!ここは見覚えありますワンワン☆少し前にワン子はここに薬を届けた事がありますワンここは・・アーシュさんやエイルさん(現在 17歳のエイルさん が住む黒の国のお城です!ワンワン☆)
アーシュさんはゆっくりと顔をレグルスさんに向けて、暗黒大魔王のような、ものすごい表情で睨み付けてますワン「こら!馬女!小さなエイルが起きるだろうが!その口を縫いつけられたくなかったら 少し黙れ、馬女!」 「なんだとお!また水竜を召還して地の底深く沈めてやろうか!ガキ!」「ここで…?湖でない…召還に必要な大量の水がない!此処でやれるもんなら、やってみな!デカ馬女」そこにワン子が慌てて言う「駄目です!ワンワン 宿屋で騒がない! アーシュさんは今は姿を隠さないとまずいでしょ!」 「それに今 一緒に仲良く(?)いるところを見られたら、レグルスさんもまずいじゃないですか?」「エイルさんを城から連れ出したのはレグルスさんだし…だしワン」ワン子のダメ押しに 思わず口をつむぐ ご一同様「まさか、わん子に諭されるとは!」「ああ」冷や汗の二人「ふうぅ…」ため息をついて、アーシュさんは一言「ワン子は手伝え、レグルス、数十年前の約束を今、すぐにはたしてやるよ」「どうする気だ?」「何かうまい理由をつけて店の奥の厨房を借りる」 「材料も調達してと‥…まあ、アカアカとかの材料はないが何か美味いもん作ってやる」アーシュさんは残り物で それは美味い料理を沢山沢山、料理を作りましたワンワン。白身魚のカレー風味 野菜のポタージュ ジャガイモの冷たいスープ。魚の入ったリゾットに 鳥肉のグラタン ぴり辛のタラモサラダグレープフルーツにオレンジ 林檎などの果実を細かく刻んだものソースにあえたサラダトマトと挽肉のソースのパスタスコッチエッグというゆで卵に挽肉を包んで油で揚げたものジャガイモを使ったシェパードパイ東洋風の挽肉の饅頭に こちらも東洋風の料理で鶏肉を丸ごと使う料理で 肉の中にもち米や栗 赤いクコの実をつめてコトコト 薄めの味のスープで煮込んだ料理なんでも、サムゲタンというそうですワン甘く煮込んだ果実入りのクレープ チョコムース。 ミントとレモンと蜂蜜入りのゼリ店にあった 紅い果実のお酒を部屋に運びこむ「う…うまい!うまいぞ!!はあ、あいつらにも食べさせてやりたかった」あまりの美味しさに涙目モードのレグルス料理の素晴らしさに店の主人は関心しまして そこで、口止めをかねて(なにせ アーシュさんはその黒髪などの特徴から、すぐ隣国の
バタバタと階段を駆け上がる音がする!隠れる暇もなく 勢いよく扉が開く「ワン子さん!拷問うけたって!聞いたけど大丈夫なの!無事!」と小さなエイルポカポカと……はあ、ため息をつきながら、後を追いかけて 一緒に入って来るケンタウロスのレグルス「まったく、しまったもんだついつい 差し出された美味い菓子と美酒にワン子の居所を口を滑らせてしまった‥はああ」…ため息をつくレグルス「おや? 逃げもしないでこんな所で何をしている?黒のアーシュラン殿」怪訝な顔をしてレグルスは言う目を丸くして!口も聞けない小さなエイルさん「えええっつと・・どうしたもんかな?」とアーシュそれで…エイルさんは泣きながらアーシュさんに抱きついたままである。「その、もう泣くな、エイル」 「行かないで・・行かないで・・」と泣くエイルさん(子供のエイルさん)「ほら、あんまり泣くと目玉がウサギみたいになってしまうぞエイル」ああアーシュさん 相手がエイルさんだと めちゃ優しい優しい「アーシュなんか変? アーシュがそんなに優しく笑った顔、見たのは初めて」「いつも不無表情で、どこか不機嫌な顔をして少し背が高いそれにそんな表情豊か…だった?」不思議そうに見つめるエイル「ええ‥っつと」ハッ!として大きく目を見開き思わず瞳をそらして天井を見てしまうアーシュあああ、焦ってます‥ワン。ぴくん!として眉をあげるレグルスアーシュさん おもむろに口を開き「いいから、もう心配しなくていいから」エイルさんを抱きしめる そして 小さく眠りの呪文「あ、また、じゅ・・呪文・・・ひどいや、アーシュ・・」ことり‥と眠ってしまうエイルさん。ひょいと抱きかかえて寝床に連れてゆき そおっとベットに乗せて、毛布をかける。ふと眠りに落ちる前に言ったエイルの言葉また、呪文?また?つまり もう一人の俺も・・十年前の俺も・・同じ手を使ったのか? ちょっと冷や汗をかくアーシュ「おい!お前は!」 びし!とアーシュさんを指を差す!ケンタウロスのレグルス「十数年前、私の大切なアカアカを横取りして 約束した絶品お魚料理を作らなったアーシュだな!」昼間の・・そして、先程までの アーシュ殿とか憐憫やら同情に満ちた優しい扱いそれに先程までの優しい言葉は、一体どこにワン?数十年もたつというのに・・そ
ワン子は 可愛いフェアリー亭という酒場に入りましたワン! 二階に上がろうと階段に上がってゆくと「!」「ワン子か?」 フードを被った少年が声をかける。「アーシュさん! アーシュさんだああ!ワンワン!ねえ、大丈夫ですか? 味方の黒の国の兵士さん達とは会えましたか?ワンワン!」「何を言ってる?さっきの骨の野原で頭でも打ったのか?ワン子?」「え? じやあ! アーシュさんは・・今のアーシュさんなんですね☆ ワン」?? 顔をしかめるアーシュさん「すれ違った 俺にそっくりな過去の俺か?」その後、宿の部屋でくつろぎながら ハーブのお茶を飲んでますワン。「ふーん そうなのか?ワン子」「はいですワンワン」確かによくよく見てみると・・少しだけ今のアーシュさんの方が大きい。過去のアーシュさんは12歳前後、今のアーシュさんは13、14歳ぐらいそれにどこか張り詰めて無表情だった10年前のアーシュさんと比べて表情が豊かです‥ワンワン。つまり、明日にでも人身御供‥処刑されそう‥という状況なら あんな風になるのは、当たり前だよね・・ワン結構ハードな子供時代だったアーシュさんでも本人 薬のせいで記憶喪失になって覚えてない!て言ってましたけ・・ワン。「と・・なると 間違えられて捕まって、処刑されたら、大変だな!ここの世界のエイルは無事に会えたそうで、宝珠も確保したし」「早めに逃げ出さないと やばいかな」アーシュ
過去の時間の中、過去のアーシュ、自分が城から逃げ…逃亡しているのを木の上で見ていた未来、今のアーシュそして、ワン子の方は……?◆ ◆ ◆ワン子さんはレグルスさんにこってりと絞られ(どうやら、昔の数十年前の魚料理を食べ損ねた恨みらしいワン(汗))牢屋に入れられたワン ああ,涙 ワン暗い牢屋の中で シクシクと泣いていたら……あ,あれ!小鳥さんの姿のエイルさんがやって来ましたワン。小鳥さんがゆっくりと淡い白い光を放ち 人型を取る「え、エイルさん!ワン」そこには透ける身体の精神体の17歳の姿の綺麗な少女のエルトニアことエイルが立っていた。「有難うワン子さん」嬉しそうなエイル 「でも、ごめんね、牢屋に入れられてしまったね」表情を曇らせる。「だ、大丈夫ですワン!きっと、きっと!なんとかなりますワン☆」明るく宣言する!ワン子(でも、多分・確証はない☆)顔をかたむけ、静かに優しく微笑むエイルさん白い光は大きくなって、小鳥さんは白い宝玉に変身、変化した。いつの間にか、エイルさんの部屋に置き忘れてたはずなのに皮袋がポンとワン子の横に皮袋から 宙を浮かんで出てきたオルゴールは音楽を奏でながら,ゆっくりと開き、前の魚から変化した時と同じように白い宝玉は呼ばれるように、ふわり・・と浮かんでオルゴールの中に納まった。わん子はオルゴールを皮袋にしまうワン。そして、次には…?カチリ!扉を開ける音!「ワン子出るんだ!」とレグルスが慌てているように言う。「少しまずい事になった、思ったより状況が良くなくてな…ワン子 お前が黒の国の間者スパイと思われてる」「え!ワン!」 「お前、リアン殿を眠りの粉で眠らせただろう?」「えええっと!」 (心の中で バレちゃいましたワン☆)「後からエルトニア姫が きっと自分の指示でワン子に頼んだと言うとは思う そうしたら、絞られる程度で済むのだが」「それが間に合わないと…ワン子、お前は、まじで、本当にそれは、ひどく酷い拷問を受けるぞ!ワン子」という訳で‥「こっちだ ワン子 いいか、此処から逃げろ」レグルスさんに連れられてワン子は塀の小さな穴から逃出ですワン!「ワン子は街はわかるか?あちらの丘に灯があるだろう 街にフェアリー亭という あの店、フェアリー亭はそれは美味しい酒と食事の宿兼食事処の店があって