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たかぎまゆみ(ののちゃ)
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たかぎまゆみ(ののちゃ)の小説

代価に与えられしは…くちずけ一つ(即興…短編集)

代価に与えられしは…くちずけ一つ(即興…短編集)

◯ベルリンの壁で別れた初恋の従兄 二人は再会出来るのか? ◯花の咲く樹の下で貴女を抱きしめる◯ 欧州の中世、戦争から戻らぬ恋人を待ちつっける少女だが…家が貧しく貴族の愛人に…しかし、病で家に戻され ◯代価に与えられしは くちずけ一つ◯ 日本の戦国の時代 武士の子供の少年と欧州の商人達の少女の淡い悲恋 その他の短編(追記予定)
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Chapter: 第十話 ニューヨークのクリスマス・ツリー…会いたくて、言葉を伝えたくて
それはまだ第二次大戦が終わり、間もない頃のちょっとした話欧州で生まれアメリカにいる友達夫婦に預けられた幼い姉妹 ユダヤ人の幼い姉妹実の両親はどうなってしまったのか もう分からないままだ 旅券が手に入らなかったらしく‥消息は不明「パパ~ママ~」まだ幼さの残る妹はニューヨークのロックフェラーの大きなクリスマスツリーを見ながら笑っているツリーの電飾の飾りが夜空の下でキラキラと‥「お父さん、お母さん」「シャーリイ、エリー ねえコーヒーとドーナッツを買ってきたからみんなで食べましょうね」義理の母となった人が優しく笑う「仕事が忙しかったが、ようやく取れたクリスマスの休暇だよ、楽しく過ごそう」義理の父も楽しそうにしている「家に帰ったら七面鳥 を焼いて、ローストビーフにはグレービーソースをたっぷりとポテトにニンジンにそれからシュトーレンに苺のケーキに‥コーラにクランベリーのジュースもある」義理の父の言葉「ふふっ お父さんが好きなアップルパイにホワイトシチュー、シエパードパイもよ」義理の母の明るい声「ママのおばあちゃんから代々伝わったシュトーレンもね」ウインク一つ「わ~い」兎のように飛び跳ねる幼い妹 妹の頭を優しく撫でる義理の父「サンタさんに何が欲しいか決めたかい?ヌイグルミかい?それとも新しいドレスや手袋かな?」記憶の中にある別れ際の実の両親の泣きそうな笑顔 少なくとも私達は生きて‥優しい両親の友人夫婦に愛されて‥欲しいもの 一目だけでいい実の両親に一言だけ伝えたい「愛してます、大好き」言葉には出せない 本当のお願い‥ふんわりと義理の母が私達姉妹を抱きしめる「大好きよ二人とも、私達の元に来てくれて有難う」ひらひらと雪がそっと降って来るメリークリスマス 24 .12.10
最終更新日: 2025-02-17
Chapter: 第九話 ダーク厶ーン…紫水晶の森で彷徨う
それは…ダーク・ムーンの闇夜だった贄、生贄にされた私は 私は逃げ出して闇夜の紫水晶の森の中を彷徨っていた。「私の花嫁 何故逃げる?」「逃げないで僕の花嫁」遠くからの声 闇の国の主 彼の声怯えた私は、その声に身を震わせる…ああ、あの魔物の花嫁にされるのだ。白き髪に深紅の瞳 吸血鬼の男 貴族の華やかな衣装が良く似合う花嫁、飽きたら、私は…ああ、私は……「誰か助けて」と泣き叫ぼうと 誰も助けてなどくれない彼は...この地の支配者でもあるから機械仕掛けの鳥たちが鳴いて、美しい声で歌を奏でているようだった。ほのかに発光して、淡い光を放つ水晶の森の中....黒い花嫁衣裳で....住んでいた村の者達から差し出された私「いた、痛い」靴の片方が壊れて、水晶で足を怪我してしまった痛みをこらえながら私は逃げ惑う聞いた話がある、近隣に世捨て人の魔法使いがいる、もしかして私を救ってくれるかも知れない「ああ、馨しい(かぐわしい)乙女の血の匂いなんて誘惑的な香りだろうか?」吸血鬼の笑い声にうっとりとした声が聞こえてくる私の血..... 私に執着する吸血鬼後少し 昼の国へのゲート、門まで....あそこへ行れば......手を握られて....「ああ!」「ほら捕まえた!私の花嫁」「可愛いね 黒いベールを落としていたよ」そう言って吸血鬼は私の首すじに牙を立てるのだった。作品登録 25.2.17
最終更新日: 2025-02-17
Chapter: 懐かしき歌声が響き渡る 3
「20年前からメアリーは、あの少女の姿のままだ」 「最初に会った時には、この村に来て一緒に聖歌隊で歌を共に唄っていた ワシの方が少々背が低く会うときには、厚底の靴を履いたもんさ」 「次に会った時には、二十歳過ぎの時、パリの街角だった」 「彼女はこう言ったさ」「私を誰かと間違えておられるのかしら?」それとも叔母かお祖母さんによく似てると言われるの  なんて・・ね、 ハンス、明日の向こう側で、また会えたわ」「そういって、 彼女はにっこりと笑いかけてくれたよ」 シュ…と、パイプにマッチで火をつけて、お祖父さんはゆっくりと煙を漂わせる。 「パリでは、馬車に跳ねられそうになった所を助けてくれたよ他にも何度も危ない所を助けてくれた 不思議な少女さ」お祖父さんの言葉通り皆があのメアリーの事を忘れていた…「また会えるかな」「会えるさ」お祖父さんは言ったそれから月日が過ぎ去り…第一次大戦僕は部隊に入り戦地に向かうみんなは…僕らは戦争の事などわからずにまるで、呑気に陽気に戦地に行った。砲弾が飛び交い掘った穴に入り、銃で闘う雨や雪で寒さに震えただ必死で…包帯の巻かれた傷口はズキズキと痛むライフルを握り 意識が遠くなりかける。「ヨハン」懐かしい少女の声彼女がそっと傷口に触れる「メアリー」いるはずのない少女何故そこに!彼女は微笑んで立っている「まだ、そのマフラーを持っていたの?」彼女がくれたマフラーを指さす「少々くたびれて、汚れてるわ 新しいマフラーに手袋よ」「ねぇ今日はクリスマスよ、あの頃、歌った歌の1つ」彼女は静かに‘‘きよしこの夜‘‘を謡だす僕もその歌を謡だすすると…他の兵士もつられたように同じく‘‘きよしこの夜‘‘のメロディーを歌う不思議な事に 皆が‘‘きよしこの夜‘‘を合唱して…戦地に歌声が響き渡る風に流れて この曲に呼応して返礼を返すように 向こう側の兵士もこのクリスマスの曲を謡だすやがて豪から出て 皆が敵も味方も手を取り合う今、この時だけは…「メアリーがいない 女の子がいなかったか?」「? なんの事だ?誰もいないよ」他の兵士が答える残されたのは傍に新しいマフラーと手袋それはクリスマスの奇跡と呼ばれた出来事の日人の世に平和と慈しみと優しさがあります事を…メリークリスマス
最終更新日: 2025-02-17
Chapter: 懐かしき歌声が響き渡る 2
白いラインの模様入り、黒っぽい大きなクッキーを暖炉の上の籠から取り出す....他にもツリーに飾られたレープクーへンに数個の丸い飾りの玉、玉の中には、丸い形の菓子 「あ!可愛い♪暖炉の上には、ジンジャークッキーで作ったお菓子の家も置いてあるね」 「葡萄ジュースを温めた物だけど…飲むかい?」「ホットミルクやショコラもあるよ」 「おや、また来たな…」ニッと悪戯っ子のような笑顔を見せて、老人が子供達に話し掛ける「お爺さん」友達の一人が声をかける「また、パリ万博の話が聞きたいよ」 「そうか、チュジニア館の象や踊り子の話か?「それとも日本館の話が聞きたいか? サダという美しい日本国の女優も観た」「東洋のジャパン、美しいサダの夫、ミスター音二郎の舞台」 「道が動く話は本当なの?」 「通りの一角のほんの一部だがね」 「いつもカフェで美味いカフェオレにバタークリームたっぷりの菓子を食べたよ」 「世界で一番古いカフェにも行ってきた」 「先日、見せると約束したパリの絵葉書だ」そこには、パリの街の絵が数枚に 女性のモノクロ写真に色塗りしたもの「変わったドレス?」「ジャパンの着物だそうだ」 「同じ着物みたいだけど、こちらの分は、バレエのダンスの衣装風にアレンジされてるね 袖の辺りを波型にしたり、手を加えてる」 「大きな帽子と素敵なドレス」 「若い頃は、絵の勉強と村のワインを売る仕事で、よくパリを往復したものだがね」 「ほら、これはミュシャのポスター 伝説の女優サラ・ベルナールの舞台の分」 祖父は、それは愉しげに…麗しき時代のパリの話をする。「子供たち、ほら、とっておきだよ」おばさんが笑いかけながら 薪の形に似せた ロールケーキにナイフを入れて切り分けるフランス風のブッシュノエルそれから、いつものシュートレイン夜には焼き立てパンにキッシュにビーフシチューが待っている。楽しい時間 家の暖炉は暖かくて、美味しいクリスマスのお菓子や飲み物に雪に包まれた森の木々、そこにいたのは、綺麗な歌声を持った少女メアリー彼女が隣に座り、僕に微笑んでくれた。淡い琥珀の瞳が僕を見つめている。 ドギマギして、自分の頬が赤くなるのが、わかるけど…慌てて貰った熱い飲み物を飲んでむせかえる僕だった。「大丈夫?」 「平気!大丈夫!!大丈夫!!」 「私もパリ万博
最終更新日: 2025-02-17
Chapter: 第八話 懐かしき歌声が響き渡る
1914年夏に起きた戦いの始まりに まだ何も知らない兵士達は、のんきに出かけていったという。秋が過ぎて そして冬の季節 轟く砲弾、僕は怪我をして包帯を巻かれたまま、また豪に降り立ち、ライフルを手に握る敵とにらみあったままで…膠着状態は続いていた。 粉雪が舞う「今日は聖夜」 目を閉じれば懐かしき光景が目に浮かぶ思い出すのは あの懐かしい場所 懐かしき歌声…懐かしき歌声…雪の粉雪が舞うあの日、子供の頃だった。キラキラと粉雪が日の光を浴びて、輝いている。 木製のスキーの箱やお手製のスキー板 乗った子供らが歓声を上げている「暖かい飲み物が飲みたいね」 「ショコラかホットミルクとか」 森の中でクリスマスの歌を唄いながら 少女の一人はそれは美しい声で、歌う「いつ聞いても、素敵よね」 「日曜日の礼拝で、また歌を唄うのよね、去年もクリスマス市場で、チャリテイの聖歌隊でも唄っていたよ…」「いつも、街の人達は足を止めるもの」 後ろの列の子供が小声でそっと、話をしている。2年前に来てから、彼女は、ずっとここにいるかのように僕らの輪の中に溶けこんで親しかった。僕は、歌を唄う少女の横顔を見つめていた。キラキラと粉雪が彼女に降りかかり、髪の上に少々、降り積もる。粉雪が髪飾りのよう「暖かい飲み物が飲みたいね」 「ショコラかホットミルクとか」 森の中でクリスマスの歌を唄いながら 少女の一人はそれは美しい声で、歌う「いつ聞いても、素敵よね」 そして、子供達は僕の家に向かう。「ただいま」愉しげな歓声をあげる僕達「お帰り… おや、お友達も一緒かい?」 「さあ、さあ…暖炉の火で暖まりなさいな」 「チキンや生ハムを挟んだパンとクリスマスのレープクへーンがあるよ」 「お手製のレープクーヘン...人型と星型とどっちがいい?」「ただいま」愉しげな歓声をあげる僕達「お帰り… おや、お友達も一緒かい?」 「さあ、さあ…暖炉の火で暖まりなさいな」
最終更新日: 2025-02-17
Chapter: 第七話 大猫のサンタからの宅配(ちょっとコメディ)
ピンポオオーン ピンホーん~~それは、それはチャイムの音が景気よくなる鳴る鳴る。「はあい」「海外に出張中のパパからのクリスマスの贈り物だよお」「良かったね凛ちゃん」そうして勢いよくドアを開ける。「・・・・」沈黙「よお、坊主 可愛いな ふふっ」何故かそこに居たのは顔が傷だらけな迫力ある大きな猫 ああ、赤いサンタの服が似合わない。まるで歴戦の戦士?いや、違うそう、玄関に立っていたのは柄の悪い感じの大猫身長は3メートル前後のでかいドラ猫である。肩の筋肉とかが凄い‥顔には傷とかあって人相・・いや猫だが、ちょっと凶悪そう 勿論というかサンタの服を着ているのだが「・・・・・」驚きのあまり、言葉を失う「坊主、ギフトだ どうした?」「贈り物がすごく嬉しくて固まってるのか?可愛いな」にやあありん‥怖い 怖すぎる笑顔(のドラ猫)「ほらよ、いいクリスマスを」お前さんのパパからの贈り物の配達だ」そう言ってプレゼントを手渡すサンタなドラ猫「め・・メリークリスマス!あ、あ、ありがとうサンタのドラ猫さん」「ああ、ありがとうよ、サンキュウ~だよ、お前さんも良いクリスマスをだ〜がはは〜ははは、にゃはは」と配送中のサンタなドラ猫はそれは豪快に笑った。作品登録 25.2.17
最終更新日: 2025-02-17
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