「おい!アレン!!お前らが帰ってきたお祝いも兼ねて皆で騒ごうぜ?」 いきなり大きな声が聞こえたせいで皆の視線はそちらに向く。大柄で背丈を超える巨大な剣を担いだその男は、ズンズンとこちらに向かって歩いてきた。 見たことがない顔だがアレンさん達の知り合いだろうか? 「久しぶりだね、セル。それに僕がいない間宿り木の管理をしてくれてありがとう」「おう!!お前がいなくなってからは俺が一時的にここの管理者やってたからな!!!」 黄金の旅団の精鋭が魔神討伐の旅に出た後は、ここ宿り木のトップを任せていた方らしい。 「見たことねぇ顔だが、あんた誰だ?」そんなセルと呼ばれた男が僕のほうを見下ろしてくる。威圧感が半端じゃないが、今まで魔物を見てきた僕はここで気おくれはしない。 「初めまして、城ケ崎彼方です」「彼のことはご飯を食べながら話すよ、とにかく座って」「おお、俺も腹が減ってたしな」アレンさんにそう促され、自己紹介もそこそこにみな席に着いた。 「じゃあ気を取り直して」カンパーイ!!各々近くにいた人とカップを打ち付ける音が聞こえてくる。僕も手が届く範囲で乾杯し、果実酒を口に運ぶ。日本で飲んだことがある果実酒より、果物の風味が強く口触りはとても良い。 「それで8年も何処にいたんだアレン」セルと呼ばれた男は気になって仕方がないのだろう。食べるのもそこそこにアレンさんへと話しかける。 「魔神討伐の旅に出た後――」アレンさんは今まであった事を細かく話していた。聞いているセルさんは黙って頷き、時には怒り、悲しんだりして表情豊かだった。 「なるほどな&h
Last Updated : 2025-03-28 Read more