九条薫は「うん」と頷いて、「知ってる。沢が依頼したのよ」と言った。小林颯は驚いて、「その愛人って、白川さんのこと?......薫、二人ともしつこすぎる!あの事故がなければ、薫はとっくに佐伯先生と一緒に留学してたわよ。沢に仕える必要なんて、なかったのに!」と言った。小林颯はタバコを深く吸い込んだ。そして彼女は、「沢って、ただのプレイボーイなのに、一晩の代償が大きすぎるわよ!」と毒づいた。彼女は九条薫が尻込みすると思っていた。しかし、九条薫は静かに言った。「佐伯先生から電話があったの。今後4年間、国内で彼に師事することになった」小林颯は興奮して、タバコの火を消した。「このチャンスを逃したら、薫、私が許さないわよ」九条薫は微笑んで、「分かってる」と言った。少し気持ちが楽になった九条薫は、食器を片付け、シャワーを浴びてベッドに戻った。小林颯は既に眠っていた。九条薫は彼女の隣に横になり、思わず小林颯の肩に頭を乗せた......彼女は小林颯が恋しかった。小林颯がいれば、何だって乗り越えられる気がした。......翌朝、小林颯は九条薫を道明寺晋のホテルに連れて行った。B市で最も格式の高い帝国ホテル。まさに六つ星ホテルと呼ぶにふさわしい。普段なら、道明寺晋が自ら動くようなことではないが、小林颯に「誠意」を見せるため、彼は九条薫に直接会い、仕事を紹介した。毎晩8時から11時まで。3時間の演奏で、月給120万円。破格の待遇だった。道明寺晋は小林颯に気を使ってくれているのだと、九条薫は分かっていた。彼女は小林颯を見た。小林颯は彼女にウィンクをした。道明寺晋は小林颯を一瞥し、支配人を呼んで九条薫に館内を案内させた......二人が出て行くと、道明寺晋はドアに鍵をかけた。このオフィスには、休憩室が併設されていた。しかし彼はそれを使わず、オフィスの机の上で小林颯を抱いた。最初、小林颯は抵抗し、彼の肩に噛みついた。道明寺晋は体を彼女に寄せ、耳元で冷笑しながら言った。「2ヶ月も相手にしていないから、怒っているのか?」久しぶりに女を抱いたので、彼は何度も激しく彼女を求めた。小林颯は、何度も絶頂に達した。終わると、彼は彼女を気に留める様子もなく、シャワーを浴びに行った。浴室からシャワーの
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