田口兄の車の中。 ディミトリを友月橋で降ろしてからも、車内は沈黙のままだった。最初に口を開いたのは散々どつかれた田口兄だった。「アイツ…… 本当に中学生かよ……」 田口の兄は愚痴を言い始めた。全員の前で銃でボコボコにされたり、自分のうっかりミスを指摘されたり散々だった。 何よりも中学生に間抜け呼ばわりされたことでプライドを傷つけられたのだ。「ああ、同級生だ……」 大串が答える。最も、あそこまで凶悪だとは思っていなかったようだ。「あの人。 ヤクザたち相手に問答無用で引き金引いてたわ……」「え?」「命乞いする相手にもよ……」 大串の彼女は自分を肩を抱えて身震いしていた。彼女は目の前でディミトリが売人たちを射殺している様子を目の当たりにしていたのだ。 怯えない方がおかしい。「警察に言ったらおふくろを殺るって本当かな?」 田口弟が話しだした。他人に粗暴な振る舞いを平気でするが、自分に悪意を向けられるのは慣れていないらしい。 分かりやすく言うと『ビビって居る』のだ。「全員で引っ越してから警察に通報するとか……」 田口兄が言い出した。彼はディミトリのヤバさがまだピンと来ていないようだ。 何しろ実際に会ったのは今日が最初だ。見た目は大人し目の中学生といった風貌に騙されているのだ。「そんな事をしたら、確実に殺りに来るでしょうね……」 大串の彼女が言い返した。彼女はディミトリの恐ろしさを理解しているつもりだ。それは相手を殺すことに躊躇しない点だ。「みんなは、あの男が無表情で相手を殺しているのを見てないから呑気な事が言えるのよ」 大串の彼女が話し出す。彼女はディミトリが相手に情けなど掛けない種類の人間であるのを確信しているのだ。「人間相手に銃の引き金を引くのは、根性がいると聞いたことがあるけど……」 大串がネットで仕入れた知識を語りだした。古今東西、大量殺人鬼だろうと、人間相手に引き金を引くのは勇気が居るものだ。 兵隊はそれを克服するための訓練を嫌というほどやらされる。そうしないと自分が引き金を引かれる立ち場になるからだ。 最も、どういう風に根性が居るのかは、大串も知らなかった。「アイツ、絶対に他にも人を殺してるわ……」 大串の彼女はディミトリが四人を撃っている様子を話し始めた。最初に短髪男の腹を撃って、その影に隠れながら他の三人
Terakhir Diperbarui : 2025-02-10 Baca selengkapnya