Semua Bab クラックコア: Bab 71 - Bab 80

125 Bab

第036-0話 車中の密談

田口兄の車の中。 ディミトリを友月橋で降ろしてからも、車内は沈黙のままだった。最初に口を開いたのは散々どつかれた田口兄だった。「アイツ…… 本当に中学生かよ……」 田口の兄は愚痴を言い始めた。全員の前で銃でボコボコにされたり、自分のうっかりミスを指摘されたり散々だった。 何よりも中学生に間抜け呼ばわりされたことでプライドを傷つけられたのだ。「ああ、同級生だ……」 大串が答える。最も、あそこまで凶悪だとは思っていなかったようだ。「あの人。 ヤクザたち相手に問答無用で引き金引いてたわ……」「え?」「命乞いする相手にもよ……」 大串の彼女は自分を肩を抱えて身震いしていた。彼女は目の前でディミトリが売人たちを射殺している様子を目の当たりにしていたのだ。 怯えない方がおかしい。「警察に言ったらおふくろを殺るって本当かな?」 田口弟が話しだした。他人に粗暴な振る舞いを平気でするが、自分に悪意を向けられるのは慣れていないらしい。 分かりやすく言うと『ビビって居る』のだ。「全員で引っ越してから警察に通報するとか……」 田口兄が言い出した。彼はディミトリのヤバさがまだピンと来ていないようだ。 何しろ実際に会ったのは今日が最初だ。見た目は大人し目の中学生といった風貌に騙されているのだ。「そんな事をしたら、確実に殺りに来るでしょうね……」 大串の彼女が言い返した。彼女はディミトリの恐ろしさを理解しているつもりだ。それは相手を殺すことに躊躇しない点だ。「みんなは、あの男が無表情で相手を殺しているのを見てないから呑気な事が言えるのよ」 大串の彼女が話し出す。彼女はディミトリが相手に情けなど掛けない種類の人間であるのを確信しているのだ。「人間相手に銃の引き金を引くのは、根性がいると聞いたことがあるけど……」 大串がネットで仕入れた知識を語りだした。古今東西、大量殺人鬼だろうと、人間相手に引き金を引くのは勇気が居るものだ。 兵隊はそれを克服するための訓練を嫌というほどやらされる。そうしないと自分が引き金を引かれる立ち場になるからだ。 最も、どういう風に根性が居るのかは、大串も知らなかった。「アイツ、絶対に他にも人を殺してるわ……」 大串の彼女はディミトリが四人を撃っている様子を話し始めた。最初に短髪男の腹を撃って、その影に隠れながら他の三人
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-02-10
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第037-1話 闇医者の掟

アオイのアパート。 ディミトリはアオイの部屋のチャイムを鳴らしていた。片耳にイヤフォンを付けて何かを聞いていた。 直ぐにドアが開きアオイが顔を出した。「すまないが腹に入ってる弾を抜いてくれ……」「今度は銃弾なの?」 アオイは呆れ顔で返事した。それでも、部屋の中に入れてくれる。 信用していないが疑ってはいないようだ。相手の弱みに付け込んで下衆な要求する男が多いのに、ディミトリはそれをしないので気を許しているらしい。「ちゃんと病院に行きなさいよ」 以前は追跡装置を取り出して今度は銃弾だという。街中に防犯カメラで監視してるわ、銃を持ち歩いているわで不思議満載な少年だ。この少年はどんな男なのかアオイは不思議に思っていた。 まあ、中身が中年の傭兵なのはアオイは知らない。「行けるもんならとっくに行ってる……」 ディミトリが弱々しく答える。止血してる布には血が滲み出てきていた。「また、無茶な事したんでしょ」「……」 その時、部屋のトイレから物音がした。アオイしか居ないと思い込んでいたディミトリは咄嗟に銃を向けた。「だ、誰だ……」 ディミトリがトイレに向かって言う。「出て来ないのなら鉛玉を打ち込むぞ?」「待って!」「……」「中に居るのは私の妹よ……」 トイレのドアが開き、女の子が一人出てきた。背格好も顔付きもアオイにそっくりだった。 ただ、残念な部分は姉同様、オッパイが無いところだ。「この人がお姉ちゃんが言ってた子?」 アオイの妹はアカリと言った。大学生になったばかりで、今日は遊びに来ていたらしかった。 ディミトリの事はアオイから話を聞いているらしかった。「ああ、厄介事ばかりを君のお姉さんに押し付けるクソガキさ……」 ディミトリはそう言って銃を降ろした。アオイも釣られて苦笑いを浮かべている。「手術ならしてあげるから銃をテーブルに置いて……」「分かった……」 ディミトリは素直に銃を置いた。「これ、本物?」 銃というものを見たことが無いアカリは珍しがっている。「ああ、まだ七発ぐらい弾が残っているはずだ……」「使ったの?」「ああ、四人殺って来た」 アオイの手がピクリと動いた。ディミトリが冗談を言ってないことは分かるようだ。 それから妹を見て台所に行けと顎で示した。妹も素直に従った。 アオイは自分のバッグから緊急
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-02-11
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第037-2話 共犯者育成

 はっきり言って美人姉妹だ。幼い頃から周りを彷徨く男が絶えなかった。 冴えない男を惹きつけるフェロモンでも出てるんじゃないかというぐらいにモテたらしい。「一年ぐらい付きまとわれて、家を引っ越したりしたけど突止められたりしたの」 中でもストーカー男はしつこかったらしい。興信所を使って探したらしかった。 見た目は冴えない男の癖に、妙に自信たっぷりに話すので興信所が騙されてしまうのだ。「警察に相談したら、警察が注意してくれた……」 普通のストーカーはここで諦めるらしい。 ストーカーの資質にもよるが、ストーカーに直接警告するのは危険な場合もある。「その直後に妹はストーカーに誘拐されてレイプされたわ」 ストーカー男は自暴自棄になり、妹を拉致監禁したらしかった。 警察は直ぐに動いてくれたが色々と間に合わなかったらしい。「結局、男は逮捕されて刑務所に…… でも、刑期が終わって釈放されたら再び妹の前に現れたの」 女の子に一生モノの傷を負わせるのに、この手の事件の刑期は意外と短いものだ。しかも、釈放されると足取りを追跡出来ないし、再犯される可能性が高い。従って、被害者が一生逃げ隠れしないといけない羽目になってしまう。 なかなか、解決の難しい性質の事件だ。「お前を殺してやるってね」 カチンと音がした。銃弾が見つかったようだ。銃弾の周りを抉っているのだろう。グリグリと弄られる感触が伝わってくる。「だから、妹を守る為にあの男を轢き殺したのよ……」「そうか……」 これはディミトリに何かして欲しいと言うより、自分の闇の部分を吐露したかったのだろう。 人は自分の心の底に抱える闇からは目を逸らしたがるものだ。 アオイはディミトリに語ることで、心の負担を軽くしようとしているのだろう。彼は分かっているので黙って話を聞いていた。「ちょっと、引っ張るからね」 麻酔されているとは言え、腹の中を弄られる感覚は伝わってくる。いつもながら慣れないものだ。 アオイはディミトリは腹から銃弾を取り出した。弾の先頭部分が少しだけ潰れているようだ。 白い皿の上にカランと転がされた。「ステプラーで傷口を押さえるけど、当分の間は運動は厳禁よ?」 パチンパチンと音を立てて傷口が縫合されていく。最後は消毒ガーゼを当てて手術は済んだ。「ありがとう……」 手当をして貰った事に、
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-02-12
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第038-1話 懺悔する値打ち

アオイのアパート。 ディミトリは手術が終わったので帰宅しようとしていた。麻酔が効いているのか痛みはさほど無い。 それでも身体が重いと感じていた。(ああ、しまった…… 帰りの足が無いや……) ディミトリは自転車を大串の家に置いてきてしまったのを思い出したのだ。 流石に、大串の家まで徒歩で行って、自転車を漕いで帰るのは嫌だった。「なあ、別に金を弾むから車で送ってくれないか?」 ディミトリがアオイに頼み込んだ。アオイが了解したとばかりに鞄から車の鍵を取り出した。 すると台所からアカリが顔を覗かせた。「それなら私がやるからお姉ちゃんは休んでてよ」 なんとアカリが運転を申し出てくれた。きっと、台所でアオイの話を聞いていたのであろう。 彼女なりに気を使っているのだ。「じゃあ、お願いするわ…… 私は消毒とかしなきゃならないから……」「うん……」 アカリは自動車のキーを受け取り、ディミトリを載せて車を走らせた。車はディミトリの言った場所を目指して走っている。 目的地は廃工場だ。 (さて、家に帰る前にやることをやっておかないと……) 車の助手席に座りながら、ディミトリはスマートフォンを操作していた。廃工場で始末した男たちが持っていたスマートフォンだ。 一台は田口兄の車で盗聴するのに使ったので残りは三台。その三台に位置情報通知アプリを仕込むのだ。(アイツラの話だけだと俺のバックボーンは知らないみたいだな……) 大串たちの話を盗聴した限りでは、彼らは『若森忠恭』が謎の組織と揉めているのを知らないでいた。 最初は大串たちがディミトリを叩くために人に頼んだのかと思っていた。だが、短髪男が口にした台詞が気になっているのだ。(気になるのは短髪男が言っていたお宝が何を意味するかだな……) 銃で撃たれたとは言え、短髪男を始末したのは早計だったかと後悔した。短髪男の背後関係を調べるべきだったのだ。 しかし、始末してしまったのはしょうがない。今は出来ることを実行しようと考えていた。(俺の考えが合っていれば、連中の安否を確かめに来るはずだ……) ディミトリは短髪男が何かを吹き込まれて、乗り出してきた可能性を考えていたのだ。 その為にも、連中が行動する前に、もう一度廃工場に行く必要が有った。(ビデオカメラを回収しないとな……) 動画はレーザーポイン
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-02-13
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第038-2話 無言の二人

「今日以外にも、人を殺した事が有るんですか?」「ああ……」「何人くらい?」「アンタは今ままで生きて来て、食った飯の数を数えたことが有るのか?」「……」 ディミトリはアカリの質問のくだらなさに辟易した。人は善人であろうとするのは良いが、押し付けてくる奴は大嫌いだったのだ。 傭兵の時にフリージャーナリストとやらのインタビューを受けたが、『人権』だの『罪悪』だの言い出したので叩き出したことがある。そんな物は、空調の効いていて弾丸が飛んでこない、安全な部屋に籠もっている奴が考えることだ。自分ではない。「貴方は神様に許しを請うたりしないの?」「ははは、俺の懺悔に値打ちなんか無いよ」 そう言ってディミトリは再び笑いながら言った。これは本音だった。 彼が人を殺めて来たのは戦場だ。お互いに死ぬ事が仕事なのだ。双方に納得尽くで戦うのであれば誰かに許してもらう必要など無い。それがディミトリの考えだった。「一度でも人を殺した人間は、自分で自分を許せなくなるもんさ」 神様へ許しを求めても鼻先で笑われるのが関の山だ。「出口のない迷路の中で同じところをグルグル廻る事になる」「……」「お姉ちゃんが人を殺したのは彼女が選んだ事だ。 切っ掛けが君に有ったとしても、それを選択したのは彼女だ」「……」「その事を悔やむ必要はどこにも無い」「じゃあ、私はどうすれば良いの?」「自分が幸せになる事だけを考えれば良いんじゃないかな?」 自分の生き方を決めるのは自分だけだとディミトリは思っている。そこに肉親であろうと付け入る隙間は無いのだ。「それだと姉に申し訳なくて……」「君たち姉妹は、お互いの許しを得ようとしているだけさ」 何に対して申し訳ないとアカリが思っているのかは知らない。だが、二人はお互いの傷を撫でているだけなのだとディミトリは思った。それでは、いつまで立っても解決などしない。「……」「お姉ちゃんが自分を許せるかどうかは彼女にしかわからんよ」 それはディミトリも一緒だ。もっともディミトリの場合は自分を許す事など無いだろうと思っている。 彼の心の底にあるのは愛情を向けてくれなかった親への増悪だけだ。「君たちはお互いに依存し過ぎている。 離れて暮らすことを勧めるね……」「そう……」 ディミトリが言うと、何か思う所があるのか彼女は黙ってしまった。「
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-02-13
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第039-0話 聴きなれた言葉

「すまないが今夜は付き合ってくれ……」「え?」 アカリは身構えた。それはそうだろう。相手が中学生の坊やとはいえ男の子だ。 女の身としては警戒するのは当然だ。「ああ、変な意味じゃない…… この傷だから激しい運動は出来ないから安心して……」「……」「あの工場を見張る必要が有るんだよ……」「……」 ディミトリはそう言って工場の方を見つめていた。 アカリはディミトリにつられて工場を見た。電気は点いていないので暗闇に包まれている。 夜遅くにになってディミトリは祖母に電話を入れた。勉強が捗らないので大串の家に泊まり込むと嘘を付いた。 こうしないと心配した彼女が捜索願を出しかねないからだ。 やがて時刻は日付を跨ごうとする時間になった。「見込み違いだったか……」 ポツリと漏らした。ディミトリが気にしたのは短髪男が口にした『お宝のありかを言え』だった。 これは『若森忠恭』では無く、『ディミトリ・ゴヴァノフ』としての正体を知っているのではないかと考えたのだ。 だが、時間が立つに連れ杞憂だったのではないかと思い始めていた。何も変化が無いのだ。 このまま朝まで誰もやって来なかったら、中にある遺体の始末する方法を考えねばならなかった。 ところが深夜一時を少し回った頃に、一台の車が到着した。車は暫く停車していたかと思うと、四人ほどの男が降りてきた。 そして、車から降りた男たちはシャッター横の入り口から中に入っていった。 ディミトリの読みは当たったようだ。短髪男の関係者なのだろう。 一人だけ大柄な男が居ることに気が付いた。だが、暗くて良く見えなかった。 ディミトリはスマートフォンに繋げたイヤホンに集中しはじめた。 男たちの足音も含めて音は明瞭に聞こえる。「くそったれ」「全員、殺られているじゃねぇかっ!」「随分と手慣れているな奴だな……」 どうやら、四人の遺体を見つけたらしい。口々に罵っていた。「何で消毒液の匂いがするんだ?」「消毒液じゃねぇよ漂白剤の匂いだ。 血液に含まれているDNAを壊す為に撒くんだそうだ」「日本人はやらなぇよ。 主に外人たちが好んで使う方法だ」「本当にアンタの言っていた小僧が殺ったのか?」「――――――――――――――――――?」 英語らしいが発音が酷くて聞き取れなかった。一般的に日本人は英語の発音が得意では
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-02-14
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第040-1話 ある装置

自宅。 ディミトリは朝方に家に帰り着いた。もちろん、学校に行くのに着替える為だ。 一応は平凡な中学生を演じ続けているディミトリには必要な事だ。 学校に行くとクラスに大串たちの姿は無かった。(普通に登校しろ言った方が良かったか……) ディミトリが自分の席につくとクラスメートの田島人志が話し掛けてきた。「よう! 今日さ…… 俺の家に来ない?」「何で?」「良いものを買ったんだよ」「良いもの?」「ああ…… 来てみれば分かるって!」 今日は特に予定は無い。強いて言えば短髪男から戴いた拳銃の手入れをするぐらいだ。 銃は天井裏に隠しておいた。今度は燃えないゴミの日に捨てられる事はあるまい。(そうだ、田島からベレッタを譲ってもらおうか……) 田島のベレッタは一番最初に発売されたモデルのはずだ。短髪男の持っていたのは最新型。 並べて置いておけばモデルガンに見えるに違いない。(うん…… うん…… 中々良いアイデアじゃないか) その日は何事も無く過ごし、自宅に帰る前に田島の家にやって来た。二階建ての普通の民家だ。 二階にある田島の部屋に案内されると、そこは販売店のように整然とモデルガンが並んでいた。「おおっ! すげぇっ!」 ディミトリは思わず声を出した。とりあえずディミトリを驚かすのに成功した田島はご満悦のようだ。「中々のもんだろう?」「ああ……」 その中にベレッタが有るのを目ざとく見つけたディミトリは田島に話し掛けた。「なあ、頼みが有るんだが……」「何?」「あのベレッタを譲ってくれないか?」「え? あんな古いので良いの?」「ああ、買った時の値段を払うからさ」「別に構わないよ…… 実を言うと同じのを二丁買って困っていたんだよ」 そう言って田島は笑っていた。本当は香港スターのチョウ・ユンファのマネをして二丁拳銃を買ったのは内緒だ。 それにベレッタは五丁以上持っているので邪魔だなと思っていたのだ。「ところで見せたいものって何?」 ディミトリは田島が『ある装置』を手に入れたそうなので見せて貰いに来たのだった。 こちらのお願いを聞いてくれたので、彼の自慢話に付き合うつもりのようだ。「じゃじゃぁーーーん」 彼が手招きして見せてくれたのは、最新型の3Dプリンターだった。「これで市場に出てこれない東側の奴も作れるぜ!」 すで
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-02-15
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第040-2話 未だ見ぬ玩具

(三次元の複雑な構造を作り出せるのか……) 作成されたモデルガンをひっくり返したりしながらディミトリは確信に近いものを得た。(これならアレが作れるかもしれんな……) そう、ディミトリが思いついたのは『減音器』だ。世間様ではサイレンサーの方が通り相場が良い。でも、消音はされないで少しだけ音が漏れるので減音器なのだ。サプレッサーでも良い。 この3Dプリンターでなら複雑な構造を持つ減音器を作れると考えたのだった。 音というのは衝撃波だ。その衝撃波を多段の吸音壁で吸収し、音を減じてやれば良いだけの話だ。 使う機会はそんなに無いだろう。寧ろ通常の戦闘においては速射が出来ないので邪魔でしか無い。 ならば、耐久性を無視した、強化プラスチック製の使い捨て減音器も有りだとディミトリは考えた。(とりあえずは彼に設計図を起こしてもらう貰う必要があるな……) 3Dプリンターで物を作るには複雑な立体図を作成する必要がある。あいにくとディミトリにはそこまでの知識が無い。 ならば、既に使いこなしている感のある田島に頼み込むほうが早かった。それに彼はきっと興味を持つだろう。 ミリタリーマニアから見たら、減音器は中々に心をくすぐるアイテムで有るからだ。「俺も欲しいな……」「やっぱりか! お前が好きそうだなって思ってたんだよ!」 田島はディミトリが興味を持ってくれたのが嬉しそうだ。大喜びで作成に必要なソフトと3Dプリンターの型番を教えている。ディミトリは家に帰ったら早速注文するつもりだ。 実際に使う際には強度の問題があるので、何らかの対策を考えねばならないだろう。(プラスチック全体を金属製の筒で覆ってしまへばどうだろう?) だが、それは実物が出来上がってから考えていけば良い。頭で考えている事と実物では違いが有るのは当然だ。 まずは実物を作成することが先だろう。それから改良していけば良い。(これで悪巧みが捗るぜ……) ニヤリとほくそ笑んだディミトリは、未だ見ぬ減音器に思いを馳せていた。自宅。 ディミトリは頭痛に悩まされていた。自分を取り巻いている環境もそうだが、今はリアルな頭痛の方が問題だ。 大川病院には鏑木医師が、目の前で殺されてからは行っていない。他にもグルになっている医者がいるかも知れないからだ。 それに腹に銃痕とひと目で分かる傷がある。これは見つ
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-02-16
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第041-0話 モテる男

 そこでスマートフォンの位置情報を、後で地図と照らし合わせるだけに留めた。 スマートフォンは一旦山奥に移動した後に繁華街に移動して切れた。切れたのは箱か何かにしまわれたのだろう。(要するに人目につかない場所って事だな……) 山奥に移動したのは死体の処分のため。繁華街は彼らの根城だろうと推測した。 腹の傷からの出血が止まったら、田口兄を脅して偵察に行ってみるつもりだった。(日本にチャイカが居るのは偶然では無いだろうな……) チャイカ。本名はユーリイ・チャイコーフスキイと言っていた。ディミトリはGRUの工作要員であろうと睨んでいる。(まあ、仕事で工場爆破をやったんだろうが、仲間を巻き込んだのは許せねぇな……) 日本に居るのなら昔話でもしに行かなければならない。それも念入りに下準備をしてからだ。 そして自分を付け狙う理由もだ。(あの中華の連中もチャイカの仲間なのか?) 頭痛もそうだが、中華系のグループが何も仕掛けて来ないのも頭の痛い問題だ。 医者を抱き込める程の組織力があるのなら、廃工場の時にディミトリの身柄を確保に動くだろう。 あの時には自分を監視している不審車が傍に居なかったのだ。彼らは家にディミトリが居ると思いこんでたはずだ。 それが無かったので違うグループなのかとディミトリは思い始めていたのだ。 チャイカが中華系の連中と別口なら、ロシア系のグループということになる。・鏑木医師を始末した中華系グループ・自分を罠に嵌めたロシア系グループ・自分を監視している不審車グループ「んーーーーー、三つも有るんか……」 自分の人気ぶりに呆れてしまった。 もっとも、彼らが連携していないっぽいのはありがたかった。 翌日、学校に行くと田口が出てきていた。一週間ぶりになるのだろう。 何故かオドオドしながら教室に入ってきた。「よお」「!」 ディミトリが声を掛けると、田口はビクリとして下を向いてしまった。「大串はどうして出てこないんだ?」「知らないです……」「そう……」「ハイ」「じゃあさ、お前の兄貴に伝言頼まれてよ」「ハイ」「車の助手席の後ろにポケットが付いてるじゃない?」「ハイ」「そこにスマートフォンを入れてたのを忘れていたんだわ」「ハイ?」「俺に渡してくれる?」「ハイ……」 田口は再び俯いてしまった。額に汗を大
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-02-17
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第042-0話 拍子抜けする音

自宅。 ミリタリーオタクの田島はディミトリの家に来ていた。 今日は、祖母が老人会の催しで出掛けている。カラオケ大会なのだそうだ。夜までディミトリ独りなので都合が良いのだ。 田島は河原で実験しようと言っていったが、人目に付きたく無いので家でやることにした。 田島は持参した鉄パイプをディミトリに手渡した。少し年季が入っている奴だ。ガレージに捨てられていた奴だそうだ。「ちょっと錆びてるけど問題ねぇよ!」 それと同時に買い物袋を床に置いた。中には爆竹が入っているのだそうだ。「で、爆竹は何本入れるの?」「十本くらいでどうよ?」 ディミトリは鉄パイプをカメラの三脚に紐で縛り付けた。グラつかないようにだ。 それから鉄パイプの中に爆竹を詰め込んで、延びている導火線を一本に縛り付けた。「了解……」 まず、最初にサプレッサー無しで撃ってみる。それをスマートフォンの騒音計測アプリで調べてみた。 『パンッ』と大きな音がして部屋中に硝煙の匂いが立ち込める。「百十か……」 アプリが示す数値を見ながら呟いた。ネットで調べた拳銃の発射音よりは小さかった。 一般的な拳銃の発する銃声は百四十デシベルから百七十デシベルだ。間近で聞けば耳を痛めてしまう程だ。「次はサプレッサーを付けてみるべ?」「了解……」 ディミトリは再び爆竹を鉄パイプに詰め込んだ。そして、鉄パイプの先端にサプレッサーをねじ込んで点火した。 『ポン』まるで手を打ったかのような音がした。何だか拍子抜けする音だった。 アプリで測定した結果は八十デシベルだった。「んーーーーー」 田島は渋い顔をしている。彼としては映画やドラマで見るような『プシュ』とか『プス』とかの音を期待していたらしい。「ちゃんと密閉しているわけじゃないから、音が漏れてしまっているんだよ」 ディミトリとしては音が減衰している事の方が重要だった。彼の基準からすれば成功の部類に入る。 だが、田島がガッカリしているらしいので励ましてあげたのだ。 銃声の正体は火薬が爆発するときの衝撃波。サプレッサーはこの衝撃波を一旦受け止めて音を減少させなければならない。 プラスチックで出来たサプレッサーでは、衝撃波が本体を通して漏れているのだ。工夫すればもう少し音が小さく出来ると思われる。(爆竹みたいな火薬だと大丈夫だが、本物の発射薬では駄
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-02-18
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