Home / ミステリー / クラックコア / Kabanata 81 - Kabanata 90

Lahat ng Kabanata ng クラックコア: Kabanata 81 - Kabanata 90

126 Kabanata

第043-0話 偽りの使者

アオイのアパート。 相談があると言うので少し早めだが学校から帰って直ぐにアパートへと向かった。(金が足りなかったかな?) アオイには闇手術の代金として百万渡してある。この国の相場は分からないが、キリの良い金額の方が良いだろうと判断したのだ。 どんな話なのかはアパートに行けば判明するだろう。それより問題はサプレッサーをどうやって改良するかだ。(素材はプラスチックなのはしょうがないが性能を上げたいものだ) 3Dプリンターで使われる素材は熱で溶けるタイプだ。発射薬の火力だと数発で駄目になってしまう。 事実、昨夜の実験では二発撃っただけで割れてしまっていた。 そこで、自動車のマフラーなどに塗布されるシリコンガスケットを使うのはどうかと思案していた。 耐熱仕様だし数発持てば良いだけなので妙案のような気がしていた。(まあ、駄目なら他の素材を考えるだけだ……) 銃へマウントする部分はモデルガンから応用しようと考えていた。田口がそうしていたのだ。 中身をくり抜いて使えるかも知れないと考えていた。(後は性能の向上か……) 実験の時に測った限りでは満足出来るものでは無かったのだ。もう少し静かな方が良い。(そうか…… 音を発生させる要因を少なくすれば良いのか……) ディミトリは拳銃弾の炸薬量を減らしてみることにした。 特殊部隊には音速を超えない特別な弾丸(サブソニック弾)が用意されている。サプレッサーと一緒に使ってさらに衝撃波を減らす為の工夫だ。 他に銃弾を通すために穴が貫通しているが、これも音漏れの一番の要因だ。けれど、塞ぐと肝心の銃弾が出られなくなってしまう。 そこで、柔らかい材質の物で穴を塞ぐ。弾を撃つと弾のサイズぴったりの穴が開いて、余計なガスや音が漏れない仕組みになっている。 しかし、柔らかいので高温高圧のガスで徐々に削られてしまう。なので、普通のサプレッサーの寿命はそれほど長くなく、数十発程度で効果が半減してしまうのだ。(まあ、本当に音も無く相手を始末したければ、ナイフの方がよっぽど早いんだがな……) ディミトリはニヤリと笑っていた。そちらの方が得意だからだ。 いつものように自転車でアオイのアパートに行くと彼女は既に帰宅していた。 部屋のドアをノックすると、直ぐに部屋の中に案内された。「来ましたよ?」「いらっしゃい……」
last updateHuling Na-update : 2025-02-19
Magbasa pa

第044-0話 保健室監視

アオイのアパート。 ディミトリはアオイの話を聞いていた。ストーカー男の事故を調査しているという男の事を相談されていた。「背後関係を調べるって…… 何か怪しい所があるの?」「私の住所と勤務先をどうして知っていたのかを調べて欲しいの」「妹さんの住所とかは知られているの?」「ええ、最初は妹の所に行って次に私の所に来たと言っていた……」「名刺とか貰った?」「これがそう……」 アオイはディミトリに名刺を一枚見せた。街中の名刺屋で一番安い値段で作ったような奴だ。 そして、書かれている会社の名前は聞いたことも無い物だった。(うん、怪しい……)「ネットで検索しても該当する会社は無かったわ」 アオイは自分でも色々と調べてみたが分からなかったそうだ。会社の電話番号に掛けて見ると相手の男に繋がるのは確認していた。(電話の転送サービスだろうな……) 事務所すら持てない弱小企業が、電話番してもらう為に電話代行サービスを利用する事が多い。 この男もそのサービスを利用しているのだろう。「ストーカー男の家族が知っていたとかじゃないの?」「妹のことが有って、私の家族も男の家族も離散してしまったわ」「じゃあ、住所を辿って来たとか……」「私の実家は更地になってしまっているし、母以外に私達の状況を知っている人はいないかったはず……」 妹が拉致監禁された上にレイプ被害に会った事でアオイの両親は離婚。アオイの母親は自分の実家に帰ってしまっている。 今では半年に一度くらいしか連絡は取り合わないそうだ。父親の現況は不明。 ストーカー男の実家も同じ様に離散してしまっている。だから、接点はどこにも存在しないはずだ。 だから、ストーカー男が死亡しても気にかける人間はいない事になる。 ところがストーカー男は出所して暫くしてから会いに来たらしい。どうやってアオイ姉妹の居場所を知ったのかは不明だった。「死んでからも付き纏うなんて……」 アオイは嘆いてしまっていた。「その調査男は頻繁に接触してくるの?」「明日、会いたいと言ってきたの……」「ふむ……」 アオイは次の日の昼間に、問題の調査男とファミレスで待ち合わせをしてるという。「話すことは無いと言えば良いんじゃない?」「電話で何度も言ってるけど諦めてくれないのよ……」「病院の院長とか大人の男の人に説得してもらう
last updateHuling Na-update : 2025-02-20
Magbasa pa

第045-0話 ツイてない奴

ファミレスの様子。 アオイは水野と二人っきりでファミレスで逢っていた。こうしないと病院の受付から移動しないのだ。 常識的な勤め人として病院に迷惑を掛けるのが嫌だったのだ。『鴨下さんは僕の会社で働いていたと言いましたよね?』『はい……』『その彼がどうして交通事故に会う場所に行ったのかが分からないのですよ』『私も知りません……』『でも、貴女が住んでる場所の近くじゃないですか?』『同じ市内と言うだけで近くは無いです。 通勤する経路からも外れてますし……』『へぇ、その場所を良くご存知ですよね?』『警察に聞きました……』 水野は何度目かの同じ質問をしているようだ。警察の尋問のやり方にそっくりだが、これは水野が似たような目に有っているからだろう。警察の尋問は同じ質問を繰り返して、相手が答えた時に出来る矛盾点を見つけ出す作業だからだ。 そこを突破口にして真相を抉り出すのが仕事なのだ。『彼は優秀な方で、貴女や妹さんの事は特に目を掛けていたらしいんですがねぇ』『私達の話を聞いたので?』『質問しているのは僕なんだがな』『……』 アオイは水野がどこまで知っているのかを質問したかったが、下手に言うとやぶ蛇になる可能性が有った。 そして水野もアオイが焦れて怒り出すのを待っているようだ。『特に妹さんの事を話す彼は楽しそうでしたよ?』『……』 水野は言外にストーカー男がやった事を匂わせているようだ。そうすることでアオイを怒らせて白状させようとしているのだと推測できた。 それはアオイにも感づかれたようで話を逸らし始めた。『私達は彼には特に思い入れは有りませんわ』『でも、同じ市内に住んでるのはご存知だったんでしょ?』『さあ、知りません……』 これは事実だったのだろう。一家離散してまで逃げたのに、またストーカー男が目の前に現れた時の絶望感は察して余りある。 だからこそ、ストーカー男を永久に黙らせる方法を選んだに違いないからだ。『妹さんのアパートに訪ねに行ったと言ってましたが……』『ええ、聞いてます。 それから妹は友人の家に避難してます』『その後で不幸な交通事故に有った……』『……』『偶然ですかねぇ?』 恐らく水野はストーカー男の事故の原因をアオイであると思っている。それは当たっているが証拠がどこにも存在しない。 そこで揺さぶりを掛け
last updateHuling Na-update : 2025-02-21
Magbasa pa

第046-0話 変声期

学校。 ディミトリは水野の移動を監視していた。授業中にスマートフォンを見る事は出来ないので、休み時間ごとにトイレで見ていた。 水野は例の襲撃したマンションに帰宅したようだ。(あの場所からアジトを移動してないのか……) ここで手を止めて考え込んだ。アオイに渡した名刺の名前は『桶川克也』となっている。 名前を変えているのは、違う詐欺事件を考えているのだろうかと考えた。(引っ越しの金が無いのか?) 彼らは警察のガサ入れに遭っている。という事は警察に事情徴収されているはずだ。 なのに外に出ているという事は、詐欺事件との関係を立証できなかったかで釈放されたのであろう。 (俺なら引っ越しして身を潜めるんだがな……) 普通なら同じ場所に住み続ける気には成らないはずだ。警察は証拠無しぐらいでは諦めない。蛇のようにしつこいのだ。 だから、警察の監視が付くのは分かりきっている。これは水野も知っているはずだった。(或いは移動できない理由が有るかだ……) ディミトリの顔に笑みが広がっていく。金の匂いを嗅ぎつけたのか、ディミトリは鼻をヒクつかせもした。 ディミトリは帰宅した後で、マンションに行って盗聴器と監視カメラを仕掛けるつもりだ。 二回目の仕掛けは手慣れたのも有って短時間で済んだ。盗聴器は同じ場所に設置したが、監視カメラは通りが見える場所にした。警察の監視が付いていると思われるからだった。 盗聴器を仕掛けて直ぐに、水野が誰かと会話しているらしい場面に遭遇した。『大山は直ぐに出てくると思いますので、金の事は大山と話してください……』 大山とはディミトリが散々痛めつけたリーダーであろう。直ぐに出てくると話していると言う事は拘留されたままなのだ。 残りの二人は他の詐欺グループにでも鞍替えしたのか居ないようだ。『いえ、勝手すると自分がシメられてしまうんで勘弁してください……』 水野はリーダーが隠した金の保管を任されているようだ。 恐らく証拠不十分で不起訴になってしまうだろう。彼らは決定的な証拠は隠滅しているらしかった。(そうか…… まだ、金は持っているんだな……) だが、肝心な所は彼らは上納金を渡していないという点だ。 その事を知ったディミトリはニヤリと笑っていた。『小遣い稼ぎは自分でやってますんで…… はい…… 大丈夫です』 相手はケツモ
last updateHuling Na-update : 2025-02-22
Magbasa pa

第047-0話 待望の偽装品

自宅。 ディミトリは盗聴した結果をアオイに電話で伝えた。そして、彼を呼び出す様に言ったのだ。『どうするの?』「どうせ、まともに質問しても答えないだろう?」『うん……』「だからさ……」 ディミトリは自分の計画をアオイに言い聞かせた。彼女は絶句していたが、妹のために協力を約束した。 数時間後。アオイが公園で待っていると水野は一人でやって来た。「こんばんは。 今日は妹さんはご一緒では無いので?」「これからやって来るんです」「そうなんで……」 ディミトリはアオイに気を取られている水野に近づき、後ろからスタンガンで気絶させてしまった。「え?」「ちゃんと自主的に答えやすいようにしてあげるのさ」 ディミトリはほほえみながら答えた。気絶させたのは、身柄を拐って廃工場に連れ込む為だ。 結束バンドで手を拘束して車に詰め込み、薬の売人たちを始末した工場に向かった。(あの工場なら今も無人のはずだ) 一度、罠として使用した工場をチャイカたちが再び来るとは思えなかったからだ。 ディミトリとアオイは工場の奥の部屋に水野を運び込み椅子に縛り付けた。(次は金庫の鍵を……) 水野の荷物から鍵を取り出し、アオイにマンションに向かうように頼み込んだ。鍵はどれだか分からないが、肌身離さず持っているはずだと睨んでいたのだ。違っていたら聞き出せば良い。その方法なら良く知っている。「でも、そこって……」 ディミトリが言った住所を聞いた時にアオイの表情が曇った。彼女が『ストーカー男』を始末した場所だからだ。「ああ、水野たちのアジトがあるんだよ」「水野?」「ん? あの男の名前だよ?」「え? 偽名だったの?」「そう、元はオレオレ詐欺のグループのメンバーなのさ」 元々、水野たちのマンションを見張るのが目的だったのだ。そのカメラに事故の様子が映っていたのだと、説明すると彼女は納得したようだった。「君って本当は幾つなの?」 監視カメラの設置とか、拳銃を持っていたりとかアオイの常識の範疇を越えていた。とても、中学生とは思えなかったのだろう。 もっとも中身は三十五歳のおっさんだが、彼女が知っても意味が無いのでディミトリは言わない事にしていた。「ぼくみっちゅ……」「もう……」 ディミトリがふざけるとアオイが頭を小突いてからクスクス笑っていた。 鍵を入手したディ
last updateHuling Na-update : 2025-02-23
Magbasa pa

第048-1話 詰まらない男

廃工場。 ディミトリとアオイの二人は、目的の金を手に入れたので廃工場に戻ってきた。 水島は椅子に縛られたままグッタリとしていた。『起きろ!』 ディミトリは水野たちを襲撃した時に被っていたマスクで声を掛けた。声も同じ様に変声アプリで変えている。 アオイは少し離れた壁際で、手を後ろに回して座っていた。一見すると拘束されているように見える。「!」 目を開けた水野はマスクを被った男に気がつくと驚愕していた。そして、縛られた身体を捻るようにしながら必死に逃げようとしている。しかし、結束バンドで両手両足を椅子に固定されているので自由にならない。「て、テメエはっ!」「解けっ!」「ぶっ殺してやるっ!」 ディミトリは暴れる水野を革バットで殴りつけた。鈍い打撃音が室内に響き渡る。『金はどこにある?』「知らねぇって言ってるだろ!」 ディミトリは革バットで水野を殴りつけた。水野の口から歯がこぼれ落ちた。奥歯が折れたのであろう。『ちゃんと質問に答えろ』「いえ、知りません……」 ディミトリは革バットで水野を殴りつけた。『金庫の鍵は持っているのに金庫の場所は知らないっていうのか?』「え?」 ここで、水野はマスクの男が自分の独り言を知っている訳に気が付いた。目をパチパチしながら視線が泳いでいるのが分かる。 ひどく動揺しているのであろう。『もういい…… お前が嘘付きだってのは良く分かった』 ディミトリはディバッグの中身を水野に見せた。そこには金の札束が詰まっていた。「え?」『台所に有ったよ……』「知っているのなら……」 水野は俯いている。どうやら万事休すだと思い知ったようだ。だが、肝心の話はこれからだった。 アオイの件を片付けなければならない。金だけだったら身柄を拐う必要が無いからだ。『で、この女は誰だ?』「知らねぇよ!」 ディミトリは再び革バットで水野を殴りつけた。ここからが肝心な部分だ。彼の希望を打ち砕く必要がある。 そうしないと本当の事を話さないであろう。『ちゃんと質問に答えろ』「知りません」『そう、それで良い。 だったら、何で一緒に居たんだ?』「……」 水野は黙り込んだ。どこまで話して良いのかを思案しているのであろう。だが、それもディミトリの計算の内だ。「その人は妹のストーカー男の事で、私の周りをウロツイて居たんで
last updateHuling Na-update : 2025-02-24
Magbasa pa

第048-2話 御伽噺を信じる者

『じゃあ、これからは巧く逃げる事だな……』「え?」『公園で女と待ち合わせしてから、何日経っていると思ってるんだ?』「え?」『どうして金庫に有るはずの金を俺が持っていると思うんだ』「……」『大山ならとっくに釈放されたよ』 もちろん嘘だ。だが、気を失っていた水野にはバレないはずだ。『大山も神津組も、お前が金を横領したと思っている……』「ちょ!」『そう、思わせるように工作しておいた』「なんて事をしてくれたんだ!」『お前らは悪戯が過ぎたんだよ……』「金をかっさらったのはお前だろうがっ!」『知らない男に拉致されて金を奪われました…… そんな眠くなりそうな御伽噺を誰が信じるんだ?』「大山なら信じてくれるはず……」『スジモンの拷問がエグい事は知らない訳じゃないだろ』「……」『耐えられるのかね?』「くっ……」『ふん……』 ディミトリは頭の後ろで、マスクを固定していたバンドを緩めた。「それに大山って奴なら神津組が連れて行ったぜ?」 被っていたマスクを取りながら言った。「小僧……」 水野は自分を脅していたのが、童顔の小僧だと知って驚いていた。だが、直ぐに顔を真っ赤にして激怒しはじめた。 しかし、直ぐに怪訝な表情になった。「あれ? お前って……」 どうやら若森忠恭である事に気が付いたようだ。 それと時を合わせるかのように、後ろに手を組んで座っていたはずのアオイが、手を払いながら立ち上がってきた。 呆けた顔で二人を見比べた水野は、ここに至ってようやく気が付いた。「お前らはグルだったのか!」 水野はディミトリに掴みかかろうと一歩踏み出した。ディミトリはナイフをチラつかせて見せた。 彼はナイフを見て怯んだ。自分は手ブラの状態だからだ。しかも、これから神津組から逃げる算段をしないといけない。 ディミトリの言う通り金を取られてしまったなど信じてもらえないだろう。喧嘩などしている場合では無いのだ。「クソっ!」 ディミトリは無言でナイフで追い払う仕草をしてみせた。水野はがっくりと肩を落として出口に向かおうとしていた。 だが、机の上に置かれたナイフが水野の目に止まった。すると、水野の怒りが爆発したようだ。 水野は机の上に有ったナイフを掴んだ。そして、そのままディミトリに向かって突進してきた。 次の瞬間。ドンッ 背中から銃
last updateHuling Na-update : 2025-02-25
Magbasa pa

第049-0話 無人化ノード

自宅。 廃工場に有った水野の死体は網に入れて下水の中に吊るしておいた。こうすると、日常の排水で死体が削られて、骨だけになるのが早いのだ。おまけに遺体独特の悪臭も防げる方法だった。 このやり方はロシアのマフィアが好んだやり方だ。 何故、知っているのかというと、少年時代に悪さをして捕まった時。警察の留置所で、同房のマフィアのおっさんに教わったからだ。彼は生意気そうな小僧に自慢したかったのだろう。 まさか、見知らぬ国で役に立つとは思わなかった。 詐欺グループから戴いた金はアオイに預かって貰っていた。 大金過ぎてどこに隠すかを考えていなかったせいもある。また、捨てられたら敵わない。 数日、経って詐欺グループのマンションで動きが有った事が分かった。 水野の携帯電話を盗聴モードにしたまま、家で盗聴してそれを録音をしていたのだ。 日中は学校がある。中学生らしく塾に行くし、ちょっと銃で撃たれたりして忙しい。 それに傷の経過をアオイに見てもらったりする必要もある。 最初は部屋の中にドタドタと足音が響いていた。水野を呼ぶ声も聞こえる。『あっ、金がねぇ!』『どういう事だ? あっ??』『金庫の中の金が全部無いんです……』 大山と思わしき声が録音されていた。別の人物の声が聞こえる。 これ見よがしに金庫は開けっ放しにしておいたのだ。水野の荷物と思われる物も運んでおいた。 彼らは直ぐに何が起きたかを理解したらしい。『どうすんだ? オマエ??』『……』『お前がサツにガラ拐われたって言うから、今まで待ってやったんだろ?』『いや、水野に金を持ってかれたみたいで……』 別の人物の声が大きくなるのに比例して大山の声は小さくなっていった。 どうやら大山は神津組の連中と一緒のようだ。釈放されて警察から出た所で捕まってしまったのだろう。『それが組と何の関係があるんだ?』『でめえのダチの不始末だろ?』『舐めてるんか?』 何やらドスの聞いた声が聞こえる。録音を聞いていても分かるぐらいに険悪な空気に成った。 すると何やらひとしきり殴打する音や、何かが暴れる音が響いて急に静かになった。 その後、何かを引きずる音が聞こえた後は静かになった。 これで詐欺グループの連中にも罰が下ったのだろう。「クスクス……」 ディミトリは録音を聞きながら笑い声を漏らしていた。
last updateHuling Na-update : 2025-02-26
Magbasa pa

第050-0話 好みの問題

大山病院。 翌日、ディミトリは大山病院に来た。アオイに電話してもメールしても連絡が付かない。 そこで、直接会いに来たのだった。 鏑木医師が死んでから大山病院には来ていない。誰が鏑木医師の仲間なのか不明だからだ。 それに、中華系の連中の動向も掴めていない。鏑木医師が死んだのに何もアクションを起こして来ないのも不気味だ。(追跡装置で把握しているだろうに……) 彼らはディミトリの住んでいる場所も行動範囲も知っているはずだ。(或いは知っているから泳がせているつもりなのか……) つまり、何も分からない状態で、ノコノコと大山病院に来るのは危険な行為なのだ。 だが、今回は事情が違っている。金を持ち逃げされようとしているのだ。危険を犯すだけの価値は有りそうだった。(折角、苦労して手に入れた大金を諦めるわけにもいかないしなあ……) だから、危険を承知の上で大山病院にやって来たのだ。 正面の入り口を入って、直ぐに受付には行かずに長椅子に座って周りを見渡していた。 誰かがディミトリを注視しているようなら、直ぐに逃げ出すためにだ。 病院には雑多な人がやってくる。病気の人は勿論の事、入院患者の見舞いや出入りの業者などだ。人が多いので誰も一介の中学生には目もくれないはずだ。そんな中で目を合わせる人物が居たら、自分を監視しているという事だ。 幸い、誰も自分を見ていないようなので受付の前にやって来た。受付で兵部葵を呼び出して貰おうとしたのだ。 しかし……「兵部さんなら一昨日退職なされましたよ?」 受付の女性にあっさりと告げられてしまった。その事にディミトリは唖然としてしまった。「ええ? 随分と急ですよね??」「はい、私達も戸惑っております」 その割には淡々と告げる受付の女性。「どうしてなのか分かりませんか?」「はあ、自己都合なので詳細はお教え出来ません」 にこやかに答えるが目は笑っていない。少し警戒しているのかも知れなかった。「そうですか…… 何とか連絡先とか教えて貰えないでしょうか?」「それは個人情報保護の問題も有るので出来かねます」 そう言って頭を下げた。この話はここで終わりということだろう。 病院は患者個人のデリケートな問題を取り扱う。なので、個人情報の扱いはかなり厳しい。それは医療関係者にも当てはまるのだ。一般市民が尋ねても教えて貰
last updateHuling Na-update : 2025-02-26
Magbasa pa

第051-0話 危険な路地裏

隣町。 ディミトリはアオイの携帯があると思われる場所に来ていた。 一見すると雑居ビルだ。繁華街という訳ではないが、メインの通りに面している。車や人の往来も多い。 なぜ、ここなのかが謎だが、とりあえず反応はあるのでビルが見える場所に立っていた。 都合の良い事に、付近にはスマートフォンを覗き込んでいる老若男女が沢山居る。何でもモンスターをハントするのがどうしたと話していた。(ニホンと言う国には、街中にモンスターが居るのか…… 流石、何でも有りの国だな……) ディミトリには意味不明なワードだったが、雑多な人が居るので紛れ込むことが出来るのはありがたかった。 彼は周りの人々に合わせて、スマートフォンを覗き込んでいる振りをしながらビルを監視していた。 だが、人の出入りが少ないビルらしく、到着してから一時間が経とうとしているのに誰も出入り口に現れなかった。 人の多い所で声を掛けて騒がれるのも面倒だ。後を付けて人通りの少ない頃合いを見て声を掛けようと考えていた。(やはり、中に入って探したほうが早いのかな?) いい加減焦れて、中に入って探そうとした時に一人の女の人が現れた。(あれ? アオイじゃない……) だが、それはディミトリの期待したアオイでは無く、妹のアカリの方だった。(スマートフォンは彼女が持っていたのか?) 彼女は駅の方向に歩いて移動しようとしている。目的は不明だが、ディミトリは後を付いて行こうと歩き出した。 たぶんアオイと合流するのだろうと考えたのだ。違うようなら彼女に話を聞けば良い。(ん…… なんだ?) だが、直ぐにある事に気が付く。それは、ディミトリが歩き出すと同時に動き出す車が居たのだ。 ビルのガラス窓に映し出されている事に気が付いたのだ。「……」 そっと、後ろを見ると黒いサングラスした男が運転していた。車の窓にはスモークが貼られて中が見えないようにされている。 中々に胡散臭い仕様の車だ。それでも、普通に過ごす人なら偶然かもしれないと考える。 だが、ディミトリには色々と事情を抱えている。(病院から付けられてしまったか……) その色々に思い当たる事があるディミトリは、車に載っている連中の目的は、十中八九自分であろうと考えた。(参ったね……) アカリを見失わない様にしつつ、後ろの車にも注意を払わねばならなくなった。
last updateHuling Na-update : 2025-02-27
Magbasa pa
PREV
1
...
7891011
...
13
I-scan ang code para mabasa sa App
DMCA.com Protection Status