彼らの姿が完全に消えてから、私は慌てて助かる方法を探そうとした。クルーザーには水が入ってきていたが、中のいろいろなものを使うことができだ。どんどん水が増えていくのを見て、急いでクルーザーの中に入り、浮き輪と救命胴衣を見つけた。前世では泳げなかったし、海で遊んだこともないので、浮き輪をいくつか用意した。それが今、役に立っていた。浮き輪を全部手に入れると、慌てて救命胴衣を着て浮き輪に空気を入れ、自分の体を入れた。そして、わずかに残っていたチョコレートとミネラルウォーターを見つけた。クルーザーが完全に溺れてしまうと、私は深呼吸をして海岸に向かって泳ぎ始めた。深海とはいえ、近くには漁師がよく漁に来ているので、人里離れた場所ではないし、漁船に出会えさえすれば救われる。ただ、今は深夜で、漁船が近くにあったとしても、漁船のエンジン音がうるさすぎて、私の助けを求める叫びが聞こえる人がほとんどいないのが残念だ。あきらめずに岸に向かって一生懸命泳いだ。日中は雲ひとつなかった空がどんより曇り始めた。前世もそうだった、やがてどしゃ降りの雨が降ったせいで救助が難しくなり、結果的に美月を救うことができなかった。しかし今度は、見渡す限りの海を見ながら、私はさらに一生懸命泳いだ。1時間近く泳いだところで、ようやく前方に一つのクルーザーがゆらゆらと浮かんでいるのが見えた。私はとっさに手を挙げ、クルーザーの中の人に向かって叫んだ。「助けて! 誰か! 助けて、助けて......」私の声はますます大きくなり、空から雨粒が落ち始めた。最初は小さな雫だったが、数分後には徐々に土砂降りの雨に変わった。クルーザーは遠ざかっていた。私は突然の絶望感に襲われたが、それでも叫ぶことを諦めなかった。「誰か、助けて!」絶望の淵に立たされそうになったとき、突然、クルーザーの中に一人の男が現れて、懐中電灯で海面を照らした。私の声が聞こえたのだ!私は助かった!ほとんど瞬時に、大きな喜びが胸を満たし、私は急いで懐中電灯の光に向かって泳いだ。「助けて、助けて、助けて!」最後の力を振り絞り、クルーザーの横まで泳ぎ着くと、すぐに梯子が下ろされた。上に登っていく途中で何度も力が抜けて落ちそうになった。クルーザーに乗り込んだ瞬間、私は力の衰え
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