四人で一つの部屋はさすがに少し窮屈で、仕事終わりに弟たちを連れて街を散策した後、若菜は「明日には帰らせよう」と提案した。だが、漣は朝の出来事をあまり気にしていないようで、特に私とも話さず、ただ私の後ろに立っていた。私たち四人が並んで歩いていると、身長とルックスのせいで結構目立っていたようで、通りすがりの人々がちらちらとこちらを見ていく。特に通りかかった女の子たちは、皆が漣を見つめているのが一目瞭然だった。振り返って確認してみると、案の定、彼の背中を眺めながら何か話している様子が見えた。まったく、やきもきさせられるったらありゃしない。私たちは近くのスイーツショップに入って座ることにした。隣のテーブルにいた制服姿の女の子たちが、こちらをちらちら見ていて、なんだか居心地が悪かった。おそらく、漣があまりにも魅力的だからだろう。自分でもおかしいと思う。漣とはどうせありえない関係だと自分に言い聞かせながら、なぜかよくわからない危機感を覚えていた。私は席を立ち、「ちょっとトイレに行ってくるね」と言い訳をして店の外にあるトイレへ向かった。若菜も一緒についてきた。「さっきの見た?」若菜が何を指しているのかはすぐにわかったので、私はそのまま傍観者の顔をして見せた。「弟ったらさ、どこに行っても見られてるって、本当にすごいよね」「信じる?私たちがいなくなったら、絶対あの子たちが連絡先を聞いてくるに違いないって」案の定、私が見えないところから見ていると、二人の女の子が漣と話しているところだった。彼がスマホを取り出し、女の子たちは嬉しそうに去っていった。胸の中に言葉にできない失落感が広がり、私はその話を興奮気味に若菜に話したものの、自分でもなぜそうしてしまったのかがわからなかった。たまに、自分がどうしてこんなふうに演じて、わざわざ自分を苦しめるのか不思議に思う。その後、漣に対して妙にそっけなくなり、「ちょっとメイク直してくる」と言い訳をして若菜には先に戻るように言った。なんだか自分が損をしたような気分で、少し涙が出そうだった。トイレの鏡の前で時間をつぶしていると、突然、鏡越しに男性の目が映り、彼が手を洗おうとしているのだと思い場所を譲った。だが、次の瞬間、男の手が私の腰に回され、恐怖で反射的に大声を上げ
Read more