松山昌平は真剣な顔で尋ねた。「ごめんなさい、昨日の夜、たぶん鬼に取り憑かれていたんだと思う。自分があんなことをした理由が全く分からない......」篠田初は顔を赤くし、松山昌平と目を合わせることができず、小声で言った。「もし良かったら、ドライブレコーダーを消して、何もなかったことにしましょう。私、慰謝料も払うから、どう?」松山昌平は言った。「俺が金に困ってるように見えるか?」「見えない!」「だから、金を払うだけでなく、他に何かを考えなさい。さもないと、この動画は消さない」松山昌平はゆっくりとした態度で伝えた。「お金以外で、何を渡すっていうんだ?いい加減にしろよ!」篠田初は体を起こし、松山昌平に警告するように言った。「実は私、あなたが酔っ払って暴れた時の動画も持ってるんだ。もしその動画を公開したら、あなたのも公開するよ。道連れしてやるからな!」松山昌平はその脅しに少し引き、言葉を続けなかった。二人は互いに服装を整え、昨夜の出来事を忘れようと努力した。「でも、ほんとに気になるんだけど、昨日の夜どうなっちゃったんだろう?なんであんなことをしてしまったんだ?」篠田初は髪をかきむしり、全く理解できなかった。松山昌平は眉をひそめて言った。「きのこスープに問題があったんだろう」「きのこスープ?」「いくつかのきのこ、特に雲南のものは毒性があって、過剰に摂取すると幻覚を見てしまう。君はあんなにたくさんのきのこスープを飲んだから、幻覚が見えたんだ。小人が現れたり、草が生えたり、ゼリーを食べているような幻覚を」「でも、あなたも飲んでたじゃない。それなのに、どうしてあなたは何もなかったの?」「俺は少ししか飲んでない」「じゃあ、どうしてあなたも後から幻覚を見たの?」「なぜだと思う?」松山昌平は冷たく篠田初を一瞥して言った。「長時間キスをしていたからだろう」「えっ!」篠田初は顔が再び首筋まで真っ赤になり、今度は顔を完全に覆い隠した。地面に穴があれば今すぐそこに隠れたい!松山昌平は車を走らせ、車窓から外の風景が流れていった。彼はバックミラーで後部座席の女性を観察しながら、突然尋ねた。「さっきの言葉、どういう意味だった?」「どの言葉?」「君、腹がこんなになってるのに、まだ手を出せるって...
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