海咲は星月を抱きしめながらそのそばに付き添っていた。しかし、実験室にいるうちに、彼女の目はふとファラオがまとめた治療計画のリストに留まった。その中に記載された「七葉草」という草薬の名前が彼女の注意を引いた。七葉草は陰を好む植物で、深い山中にしか生息せず、その薬効の特異さゆえに周囲には毒蛇が棲みついていることが多いと言われていた。そのため、熟練した薬草採取者でも容易には手を出せない危険な草だった。リストの中でファラオが七葉草の名前の横に点を付けていたことから、採取の困難さに頭を悩ませていることが伺えた。海咲は唇を噛み締め、誰も行きたがらないなら自分が行くしかないと思った。息子を救うためなら、
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