清次が拘置所から出てきた後、龍之介と麻美の結婚式が再び予定に上がった。ただし、麻美のお腹はすでに目立っていた。結婚式は簡単に行われることになった。一つは、妊娠中の新婦が結婚するのは見た目がよくないという配慮から。もう一つは、あまりにも手間がかかると新婦やお腹の子供に負担がかかるからだ。麻美は不満を感じていたが、何も言う権利はなかった。もし彼女が大規模な式を希望すれば、それは子供を軽視しているように見えるかもしれなかったからだ。結婚式の車は朝5時過ぎに虹崎市を出発し、新婦を迎えに行き、到着したのは8時だった。麻美は豪華で美しいウェディングドレスを身にまとい、龍之介はきちんとしたスーツを着て、二人は並んで家族たちの歓声の中、結婚式を行った。その後、龍之介は麻美を部屋に案内した。由佳は山口家の人として、美咲と何人かの親戚とともに、結婚式に来た客をもてなしていた。10時過ぎ、皆でホテルに向けて出発した。式は簡素で、招待客も少なく両家の親戚のみだったが、ホテルの会場や装飾は依然として豪華だった。山口家側はバスを2台借り、麻美家から結婚式に参加する親戚を迎えに行った。由佳と美咲は麻美の母親とおしゃべりしながら、参加者を婚礼のホールに送り、振り向くと、見覚えのある姿が目に入った。清月だった。彼女は優雅で高貴な服装をし、手にバッグを持ちながら中に歩いていた。由佳と美咲は視線を交わし、「新婦の堂姉妹がまだ来ていない、迎えに行こう」と言った。清月は由佳を好まないが、由佳は彼女に構うことなく無視して歩いていた。「どうしてあなたがここに……」と清月は言いかけたが、由佳は彼女を無視してそのまま歩き過ぎた。清月は言葉が喉に詰まったように感じ、無視されたことに腹を立て、拳を握りしめて冷笑を浮かべた。彼女は清次の母親であり、由佳が自分を全く気にしないことに怒りを覚えた。「ただ清次に好かれているだけでしょ?」と心の中で思いながら、彼女は冷静に思った。「すぐに誰かが私の代わりになるわよ」美咲が前に出て、「おばさん、来てたんですね。いつ帰ってきたんですか?」と声をかけた。清月は我に返り、髪を整えながら答えた。「昨日帰ってきたわ。龍之介の結婚式だもの、おばさんとして出席しないわけにはいかないでしょ?」「
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