高村は一瞬驚き、真剣な顔で彼を見つめた後、「見られたくないものって、どういうこと?」と問いかけた。「それは君に聞かないとね」晴人はメガネを押し上げて、箱の外観を指さした。「箱は新品で、デザインも素晴らしい。他の贈り物は別荘に持っていったのに、なぜこれだけ持っていかなかったか?まさか」「まさか、何?」高村は心臓が一瞬止まったような気がした。「まさか、他の男が送った贈り物で、俺に見られたくないと思ってるんじゃないか?」高村は無言で目を回し、ため息をついて答えた。「その通りだよ。それは他の男からの贈り物よ。私たちの秘密だから、あなたに見せない」晴人は眉を上げて、「手紙には何が書いてあった?君が結婚することを知って、彼は君と別れようと思ったか?それにしては、彼には少し自己認識があるね」高村は軽く鼻を鳴らして、「あなたは私の魅力を甘く見てるんじゃない?彼は私が結婚することを知って、私と別れたくないから、手紙にはいろんなお願いが書いてあったわ」服を整理しながら、高村は口を開いた。「彼は、たとえ秘密の関係で会うことになっても、毎月二回だけでも会ってくれたら満足だって言ってるのよ」高村は彼が何も言わないのを見て、眉を上げ、服をスーツケースにしまいながら言った。その後、彼女はクローゼットの前で引き続き服を選んでいた。その瞬間、晴人が背後から近づき、熱い息が耳元にかかり、低い声で言った。「彼は毎月二回で満足だと言っているけど、俺は君の夫だよ。君は毎月どれくらいの回数、俺を愛してくれるつもりだ?」高村は鳥肌が立ち、身体に熱が走るのを感じた。思わず首をすくめながら、「は?何を言ってるの?」と震える声で答えた。「俺は君に聞いてるんだ。毎月、どれだけ俺を愛してくれるつもりか?」「私たちは、合意してるじゃない、別々に寝るって。離れていて」高村の心臓は速く跳ね、息が上がる。彼はその手をしっかりと握り、クローゼットの扉に押さえつけた。唇はほぼ耳に触れ、低い声で誘惑してきた。「契約書には関係を持ってはならないとは書いてないだろう。君が望むなら、何でもできる」契約書には、男が女の部屋に自由に出入りしてはならないと書いてあるが、それ以外は書かれていなかった。つまり、彼女が望むなら、彼は部屋に出入りできる。あるいは、彼の部屋でも構わない
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