晴は眉をひそめた。「積極的に出撃する?どうやって?」晋太郎は言った。「明日、念江と佑樹があるソフトウェアをUSBメモリにインストールする。お前はそれを藍子のスマホに差し込むだけで良い。全てが明らかになる」晴は言った。「……君の言いたいことは分かった。藍子に近づいて、彼女のスマホのデータを盗み取れってことだね」「その通りだ」晋太郎は言った。「そうしないと、彼女と静恵が接触しているかどうか、正確には分からない」晴はしばらく黙った後言った。「どうやってやるか考えてみるよ」「君は女性を口説くのが得意なんじゃないか?」晋太郎は笑みを浮かべた。「君の得意技を彼女に試してみればいい」晴は苦笑いしながら言った。「今はそんな気になれないよ」晋太郎は言った。「もし藍子が本当に何かしたなら、佳世子の復讐を手伝いたくないのか?」「藍子がそうなら、俺は絶対に許さない!」晴の目には怒りが宿っていた。「誰であれ、許さない!!」そう言い終わると、晴は手で自分の髪をぎゅっと掴んだ。「俺が一番辛いのは、今佳世子がどこにいるのか全く分からないことだ!」晋太郎は言った。「俺も調査を手伝うけど、一つずつ解決していこう」晴は深く息を吸って言った。「分かった、やってみるよ」翌日。佑樹と念江は朝早くからコンピュータの前でソフトウェアのインストール作業をしていた。昼頃、二人は無事にソフトウェアをUSBメモリに入れ、晋太郎に渡した。晋太郎はボディーガードにUSBメモリを晴に届けるよう指示した。昼食の時、ゆみは紀美子の隣に座り、「お母さん、おばさんは誰かに嵌められたの?」と尋ねた。紀美子は一瞬驚き、彼女を不思議そうに見つめた。「ゆみがどうしてそんなことを?!」ゆみは牛肉を口に入れながら言った。「だって昨日の夜、車の中で話してたから。最初は理解できなかったけど、後で分かったよ」「そうね」紀美子が口を開く前に、晋太郎が言った。「世の中には危険なことがたくさんあるから、ゆみは自分を守らないと」紀美子は仕方なく晋太郎に言った。「なんでそんなことを言うの?子供の世界はもっと華やかであってほしいわ」「帝都は平穏な場所じゃないんだ」晋太郎は厳しい声で言った。「まし
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