メッセージを読んだ入江紀美子はすっと身体を起こした。うっかり渡辺瑠美がずっと塚原悟を監視していたのを忘れるところだった。瑠美がこのどうしようもない状況の突破口を見つけてくれた。紀美子は慌ててメッセージを返した。「瑠美、どうにかして使用人を一人送り込んでくれない?」杉浦佳世子はぼんやりとした表情で紀美子を見つめた。「何が書いてあったの?」紀美子は瑠美の話を彼女に教えてやった。「まさか、彼女まだ悟を監視しているの?」佳世子は驚いて尋ねた。「命が危ないじゃない」「瑠美はかなり用心しているから心配ないわ」紀美子は言った。その時、瑠美からの返信を受け取った。「また無理な要求を」「今はあんたしか頼れる人がいないの。お願い、瑠美」「別荘の使用人を買収できたんじゃないの?その人には、きっと助けになってくれる知り合いがいるはずよ。私は悟の監視で手一杯だから、もうこれ以上仕事を増やさないで!」瑠美のアイデアを聞いて紀美子はいいことを思いついた。「分かったわ、ありがとう」そうメッセージを返信してから、紀美子は珠代に電話をかけた。電話はすぐ繋がった。「入江さん?」「今、大丈夫?エリーは近くにいない?」「いないわ、入江さん。というか、エリーはあなたについているのでは?」珠代が聞き返してきたのを聞いて、紀美子は眉を顰めた。昨日エリーを見かけなかったけど、彼女は最近何をしているのだろうか?「珠代さん、ちょっとお願いがあるの」エリーのことは一旦置いて置いておくことにして、紀美子は言った。「悟が使用人を募集しているみたいなの。珠代さん、信頼できる人を紹介してくれない?」「そこに監視役を入れたいのね?」「そう」紀美子は簡潔に言った。「とにかく信頼できる人がいるの。お金は問題ないわ」「分かったわ。仲の良い人に声をかけてみるわ」「その人の能力はどう?採用されるような、ポテンシャルが高い人がいいわ」「私よりずっと器用だし、口数も少ない」珠代は答えた。「その人、協力してくれそう?」「大丈夫だと思うわ。話がついたら連絡するね」紀美子は了承してから電話を切った。「どうだった?」隣りの佳世子は慌てて尋ねた。「話はついたの?」「多分問題ないはず。珠代
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