「ママ、私は痛いのが怖かったから、看護師のお姉さんが兄ちゃんにお手本を見せてもらったんだ」レラは理由を話した。「兄ちゃんは私のために採血をしたんだよ。兄ちゃんは私のことが一番大事なんだ!」とわこはその理由を聞き、感慨深く言った。「あなたたち二人、本当に可愛くて賢いわね。ママはますますあなたたちのことが大好きよ!」「ママ、私たちもママのこと大好きだよ!」レラの黒くて丸い瞳には、喜びがあふれていた。そばに立っていたボディガードが頭を掻きながら言った。「三千院さん、夕食を作りましょうか?」「そんなこと、あなたに頼んでいいの?」ととわこが尋ねると、ボディガードは首を横に振った。「全然問題ないですよ」そう言って、ボディガードはキッチンに入っていった。「ママ、ボディガードのおじさんが作る料理、すごく美味しいんだよ!今日はコーラチキンを作ってくれるって!」レラはとわこの手を握りながら言い、続けて聞いた。「マイクおじさんはどうして一緒に帰ってこなかったの?」とわこの眉が一瞬動いた。「彼は用事があって、だから一緒に帰れなかったの」彼女の携帯は、奏に電源を切られたままで、まだ一度も再起動していなかった。マイクが午後から彼女を見つけられず、きっと心配しているだろう。彼女は急いでバッグから携帯を取り出し、電源を入れた。未接信の中にマイクからの電話を確認し、すぐに折り返した。電話が繋がると、マイクはすぐに出た。「とわこ!次に常盤奏に連れて行かれるときは、声をかけてくれないか!?君がどれだけ心配したか、分かってる?」とわこは少し気まずそうに、話題をそらした。「また周防子遠とケンカしたの?」「俺たちがケンカしてるところを見たのか?」マイクは歯ぎしりしながら言った。「俺は、常盤奏が本当に三千院すみれに投資してるのかって彼に聞いたんだ。そしたら彼は知らないって言って、俺に余計なことをするなってさ。彼の上司が三千院すみれに投資しようがしまいが、その理由があるって……あいつのその態度が気に入らないんだ」「そんなことでケンカする必要ある?」とわこはキッチンに目をやりながら言った。「夕食、食べに帰ってこない?」「今夜は外で食事の予定があるんだ」マイクは話題を変えた。「それより、今日の午後に三千院すみれが壇上で何を言ったか、聞いてなかったのか……
続きを読む