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第4話

村長が話を受け入れてくれたのを見て、節子の顔色が変わった。私が提出した書類を村長が受け取り、手続きを迅速に進めることを約束してくれたのを黙って見つめていた。

帰り道、節子は私の前を歩いていた。恐らく何か策を練っているのだろう。私の行動が彼女たちの計画を狂わせてしまうからだ。

前世では、私は最愛の家族を三人も失い、完全に悲しみに沈んでいたため、彼女たちの計画には気づきもしなかった。姑と剛の死亡届も見ることはなかった。

当時は、彼らの葬儀はすべて節子に任せ、私は彼女にとても感謝していた。

火葬の予定だったものを、彼女が一方的に土葬に変更したことにも疑問を持たなかった。剛と姑を葬った後、私はその二人の姿を見ることはなかった。

結局、私は簡単に彼女たちに利用され、惨めな最期を迎えることになった。

家の名義変更が完了した後、私は節子に連絡し、大規模な葬儀を行いたいと伝えた。

前世では、姑と剛の葬儀は行われず、節子は「村のしきたりで、若い人の葬儀は大々的にできない」と説明していた。

悲しみに暮れる私には、その話に疑念を抱く余裕などなかった。

今世でも、節子は同じ理由を持ち出してきた。

「葵、あなたの姑さんとご主人はまだ若いから、村のしきたりで大きな葬儀を行うのは駄目なの。静かに見送るべきよ」

私は頭を振り、顔を覆って涙を流した。「だめ、姑と夫には本当にお世話になった。親戚や近所の方々にも見送ってもらいたい。おばさん、この件は私が自分でするから」

私の強い意思に節子は焦り始めた。もし私が盛大な葬儀を行えば、万が一彼らが再び姿を現した時に言い訳が立たなくなるからだ。

「駄目よ......それじゃあ彼らが怨霊になってあなたに取り憑くかもしれないわ。ましてやあなたは赤ちゃんを抱えているのよ」

私は心の中で冷たく笑った。彼女は次から次へとあらゆる理由を持ち出している。

私は冷静に反論した。「おばさん、どうしてそこまで私を止めるの?まるで姑と剛がまだ生きているんじゃないかって疑いたくなるわ」

この言葉に、節子の口元が引きつり、顔に焦りの色が浮かんだ。

「まさか、そんなことあるわけがないでしょ。あなたは家族なんだから、好きにすればいいわ。明日、私が病院へ行って確認してくるから」

「おばさん、あなたは病院に詳しいよね。病院で亡くなったのに火葬もされない
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