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第24話

「伊吹さん?あなたなぜここにいるのか?」

鈴木美香は目を見張り、しかし話が終わる間もなく、伊吹嵐が風のように彼女のそばを通り過ぎて、一瞬にして消えた。

「何がなにやら分からない」と鈴木美香は迷ったが、東田智子の部屋に駆け込んだ。

しかし目の前の光景にまたしても驚かされた。

地面には上野浩志が断骨折腕で横たわり、100人以上の死体が散乱していた。

誰がやったのか?

鈴木美香は先ほど出て行った伊吹嵐を思い出した。もしかして彼が?

「コンコン」その時、意識を失っていた東田智子が徐々に目を覚ました。

「智子ちゃん」鈴木美香は慌てて駆け寄り、泣いて言った。

「ごめんなさい、私、遅くなった」

「美香ちゃん、どうしてここに」

東田智子は目を開け、体が既に回復していることを発見したが、頭の中には断片的な記憶の欠落を感じていた。

彼女は自分が上野浩志に追い詰められ、鈴木美香に連絡を取ろうとして通じなかったことを覚えているが…

それからのことは忘れてしまった。

彼女は驚いて尋ねた。

「美香さん、これはあなたの仕業か?」

「私じゃないよ。私が来た時はもうこんな状態だった」と鈴木美香は正直に答えた。

東田智子は額にしわを寄せ、思い出したばかりだった。鈴木美香以外にも、彼女が電話をかけたのは二人、一人は達下秀樹で、もう一人は伊吹嵐だった。

彼女はうっかりと口から出てしまった。「伊吹嵐が来たのを見た」

鈴木美香は返答しようとしたが、その時、白いシャツを着た男が数十人の全武装の警官を率いて飛び込んできた。

「現場を掃除しろ!死体を処理しろ!早く」

それはSATの副隊長の達下秀樹だった。

本来、東田智子が彼に電話して自分を救ってくれるように頼んだが、彼は直接に断った。

彼はこの女に長い間心を寄せていたが、彼女のために虎門に逆らう程度の勇気はなかった。

しかし、突然中村知事からの通知を受け、死体を処理するためにSATを連れて行くように言われた。

「達下さん」

東田智子は驚き、興奮して言った。

「あなたが私を救ったのですか?これは全部あなたの仕業ですか?

「君が私のために、虎門を敵に回し、上野浩志を打つなんて思いもよらなかったね」

達下秀樹は自分でも驚いた。彼もなぜ上野浩志が障害者になり、他の人は全員死んだのかわからない。

今、ただ東田智子だ
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