第3話

銀時の一言で私の運命は決まってしまったので、見張りの者も何も言わなくなった。

そのとき、由衣が入ってきて、彼の言葉を聞き、笑顔を隠さずに言った。

「銀時、もういいわ。もう何日も経ってるし、私も特に問題はないわ！」

「ダメだ。彼女があなたを事務所に閉じ込めただけで済むわけがない」

由衣は微笑を浮かべながら言った。「銀時、それほどまでに酷いことじゃないわ。彼女はあなたの妻なのよ。

彼女が私に対して……私がいけないのかもしれない。いつも迷惑をかけて、彼女を嫉妬させていたのかもしれない。だから、許してあげて！」

由衣は上手く言っているようだが、その言葉は私をさらに追い詰めている。

銀時は彼女の言葉に乗せられるタイプだ。

「由衣はいつも優しすぎる。まあ、今回は言う通りにしてみよう。彼女にチャンスを与えることにしよう！」

由衣の顔が一瞬強張った。銀時の言葉が意外だったのだろう。

「どうしたの？」

彼女の顔色が悪いことに気づいた銀時が尋ねた。「どうしたの？」

「なんでもないわ。ただ、何日も食べていないだろうから、医者を連れて行って見てもらった方がいいかもしれないと思ったの」

由衣がそんなに心配してくれるのか？

私は疑問を感じる。しかし、彼女の言う通りだ。医者を連れて行き、私がすでに亡くなったことを確認する必要がある。

面倒なことになる前に。

銀時、あなたが真実に気づいたとき、どんな顔をするか見てみたいわ。

銀時は深呼吸をして由衣を引き寄せた。

「彼女もあなたのように優しかったらいいのに」

「銀時、彼女はあなたの妻よ」

銀時の表情は複雑で、私は小さく笑った。

私は由衣と争うつもりなどなかった。妻？その呼び方は皮肉そのものだ。

今回の反省という名の刑罰がなくても、私はすでに離婚を決めていた。本当にうんざりしていた。

ただ、あの小さな命が無念だ。

私は思わず自分のお腹に手を当て、心の中で悲しみを噛み締めた。

そのとき、銀時の顔が暗くなり、「必要ない。あなたが口添えする必要はない。美樹はただ見栄を張っているだけだ！」

「謝罪しない限り、出さない！」

由衣はその言葉に安堵の表情を見せ、私は驚きを隠せなかった。

銀時、私があなたの心の中でこんな存在だったなんて。

まあ、私はもう死んでいるんだから、何もかも関係ない。

銀時はやっと私を思い出し、人々を連れて廃棄された冷凍庫に向かった。

門の前で、見張りの人は震えながら言った。「坂田社長」

「美樹はまだ謝罪しないのか？」

「坂田社長、はい。大きな門を挟んで呼びかけましたが、中からは一切の反応がありません。

何か起こっていないでしょうか？

心配です……」

銀時は鼻で笑った。「何が心配だ。ただ見栄を張っているだけだ！」

「ドアを開けろ。この女の口から謝罪を聞くまで出さない！」

由衣は口元に笑みを浮かべ、警備員は急いでドアを開けに行った。数人がドアを開けた瞬間、皆が呆然とした。

銀時の声が後ろから聞こえた。「彼女を出せ！」

「坂、坂田社長、冷凍庫が稼働しているようです！」

銀時は近づき、「何を言ってるんだ、責任を逃れようとしてるのか！」

そのとき、彼はドアの前に立っていた。冷気があふれ出し、人々をぞっとさせる。

銀時の顔が蒼白になった。

「美樹、冷凍庫を開けただけで私が許すと思うな。出てこい！」

静寂が広がり、周囲の人々は互いに顔を見合わせた。

銀時は怒りに震え、長い間悩んだ後、冷たく言った。

「彼女を引っ張り出すんだ！」

言葉が終わるや否や、数人が中に飛び込み、棚の陰で縮こまった凍死した遺体を見つけ、恐怖に打ち震えた！

「奥様、奥様が凍死しています！」