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第2話

冷たい目で銀時が由衣を客間に送るのを私は見ていた。由衣が立ち去ろうとしたとき、空に稲妻が走った。

「カチャン」という音と共に雷が落ち、由衣は驚きの声を上げて銀時の胸に飛び込んだ。

銀時の体が硬直した。由衣は彼を離さずに、「銀時、怖いわ。一緒にいて?」と言った。

銀時の手は彼女の背中に一瞬止まり、軽く撫でた。「いいよ」

その瞬間、私は自分がばかげているような気がした。だって私も雷が苦手なのだ。

覚えてる。

一人暮らしの頃、夜中に大雨が降り出し、雷が鳴り響いた。家は停電していて、私は怖くて泣きそうになった。

それで彼に電話して慰めを求めたかった。

でも銀時はなんて言ったか?

「そんな歳になっても雷が怖いなんて。美樹、そんな方法で私の心配を買うな。君は大人だ、自分で立ち向かってほしい」

彼は電話を切ると、私は毛布にくるまって、携帯電話のライトで夜を過ごした。

朝を迎えるまでほとんど眠れなかった。

今思うと、銀時は私など全く気にかけていなかった。彼にとって私はいつも遠い存在だった。

私は苦笑いを浮かべた。死んでも雷は怖いんだな。

私は腕を組んで震えながら、立ち去ろうとしたが、どうやっても動けず、そのまま銀時が由衣を慰める様子を見ていた。

由衣は銀時の胸に顔を埋め、鋭い目で勝ち誇ったように見えた。

私はため息をついた。私は一体何者なのだろうか?

幸いにもその状態は長く続かず、一時間後に雷は止み、銀時は客間を離れた。

由衣は彼の背中を見つめながら勝ち誇った笑みを浮かべ、「銀時、あなたはいつまでも私のもの。誰も私からあなたを奪えない!」と呟いた。

その言葉に私は驚愕した。今でもまだ銀時を諦めきれないのか?

だったら当初なぜ去ったのか?

そして銀時も同じだ。忘れられないならなぜ私と結婚したのか?

帰宅した後、銀時は珍しく私の写真を見つめ、「美樹、これで教訓になっただろう。もし謝罪したら、君を出すぞ!」と低い声で言った。

私は銀時の顔を見て笑ってしまった。

謝罪?

私が何を間違えたのか?由衣が事務所に閉じ込められたのも私がやったわけじゃない!

しかし銀時は私の説明を聞かない。由衣が無垢な顔で私を責めないと言ったから、彼は私がやったと確信した。

彼は私を廃棄された冷凍庫に閉じ込め、殺した。なのに今さら謝罪とは?

本当におかしい。

次の日の朝、冷凍庫の見張り人が異変を感じ、恐る恐る報告してきた。

「坂田社長、奥様を出してはどうでしょうか。冷凍庫の中は全く音がしないですし、あの一杯の水では五日は持たないでしょう!」

銀時は少し迷った後、冷たく言った。「一杯の水で十分だ。彼女は頑固だから、そのままにしておく。どれだけ持つか見てやる!」

「でも、中からは何も音がせず、私たちは少し心配です。万が一奥様が……」

「心配するな。美樹はただ見栄を張っているだけだ」

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