再び現在森の中にあるワン子の家リアンはゆっくりと地上に降りたつリアンの背中にあった白い羽根は丸くなり、身体にしまわれるワン子の家のドアを呼び鈴を鳴らして、その後でドアを何度か叩く。「 ワン子くん? エイル? 黒の・・あ、そうかアーシュ殿」彼アーシュ殿が黒の王というのは 一応、ワン子くんには内緒だったけ森の中 微風にリアンの肩ほどに整えられた淡い金の髪が風に揺れる。森を抜けてたどり着いた。 魔法使いの家で、ワン子の家でもある 可愛い家 そうして またドアを何度か残ってる左手で呼び鈴代わりの鈴を鳴らして様子を伺う。「やはり魔法で鍵を解除して中に入るか」しばらく悩んだ後で リアンはドア解除の魔法を唱えるがパチン!「え?」バシューン! 勢いよくドアから吹き飛ばされそうになる。家全体が まるでシャボン玉に包まれ そのシャボン玉の中には入れない「!」「この家 様子が変だ?」 続いて魔法を詠唱するリアン「風の精霊よ わが手に宿り 魔法を砕け!」しかし 一度は揺れたものの ビクともしない 「私の魔法を弾いた!まさか!」「リアン殿」後ろから かすかに声がした 振り返ると誰もいないしかし リアンはその声に聞き覚えがあった 懐かしい声 今はいない「今の声 まさか・・まさか!レグルス!」「‥昔 死んだはずの私の副官」「あの戦いで…」「白馬のケンタウロス 美しい銀髪の女騎士レグルス」◆ ◆ ◆ ◆ ◆再び こちらは、お空の彼方に吹き飛ばされたワン子ぱちくり!目を覚ます わん子「あれ、ここどこ?」サラサラと音をたてる わん子が寝てた所 一面 砂……?目を覚ますと そこはまるで 夕暮れの中の砂漠のど真ん中「大丈夫ですか」少女の優しげな声に振り返る。 ワン子の前に心配そうに立っていたのは 大きな瞳 瞳にはアイシャドウで縁取り、猫耳の古代エジプトの衣装を纏う少女が一人。滑らかな白い生地の身体のラインがよく分かるドレスに胸元でとめた大きめの宝石を縫込み 縁取りされたベルトで留め首元の小さな宝石 トルコ石や紅石、瑠璃などをビーズ状態にして、それを首元を覆うような大きな首飾り 夕焼けの光にキラキラ輝いていた。「私の名前はバステイルよ ワン子さん よろしくね」ワン子は知らないが 時の回廊で巨大サソリと戦ったアーシュを助けた未
ワン子は知らないが時の回廊で巨大サソリと戦ったアーシュを助けた未来のレグルスと共にいた猫耳の亜人の少女、猫の女神それから‥夕暮れの砂漠の中のワン子 砂漠の中にある 砂で出来た小さなお城の中でご馳走になってます ワンワン「美味しかったですワンワン!」ワン子は ネコ耳のバステイルという少女に スープやパンとか美味しいご飯をご馳走になりましたワンワン。少女は ワン子に一言 こう言った「貴方のお友達 アーシュさんなら後で会えるわ」「え!ワンワン」 「彼なら、大丈夫」「本当ですか?ワン」アーシュさん強いもんねワン「私は今回の貴方達の旅の水先案内人の一人 レグルス達の骨の守り人バステイル」 「え!今なんて?ワン」「ふふっ、先にワン子さんが大好きな人エイルさんを捜しましょうね?」「え!」 「アーシュさんなら、大丈夫、後で会えるから」「だってね、今ごろエイルさん、ワン子さんと一緒で寂しがりやさんだから泣いてるかも」「そ、それは大変だワン!」 「行きましょうか?」お城から出ると星が煌いて「あ…」夜空に小さな帆をはった船がプカプカ浮かんで、次には船はゆっくりと少女の合図で降りてきました。 船に乗ると夜の空に浮かんだ幾つかのピラミッド、そのうちの一つ、一番大きいピラミッドに入ってゆきました。奇妙ですエッシャーの絵の中を歩いてみたいです。天井の砂の大地に置かれた岩の上を歩いてるかと思うと今度は 設置された左右の横壁の階段や逆さになって道を歩いてますワン星が煌いてました。「あ…」夜空に小さな帆をはった船がプカプカ浮かんでます…。船はゆっくりと少女の合図で降りて船に乗ると夜の空に浮かんだ幾つかのピラミッドそのうちの一つ 一番大きいピラミッドに入って行きます奇妙…エッシャーの絵の中を歩いてみたいです。天井の砂の大地に置かれた岩の上を歩いてるかと思うと今度は 設置された左右の横壁の階段や逆さになって道を歩いてますワン「やあ、よく来たね」アヌビスと呼ばれる 犬の顔を持つ番人(神さま)が笑って迎えてくれましたワン「これを忘れないでね」少女はアーシュさんが持っていたのと同じ皮袋を手渡しましたこれ…ワン! そうアーシュさんの皮袋。中には幾つかの品物と大事なオルゴール「これはケンタウロスの賢者が作ったもの、オルゴールの中に鍵が
時間の扉を超えた先は花畑に…あ、何か置いてある、ピクニックの荷物、果実に飲み物に美味しそうな食べ物が沢山?果物を包んでるのは、新聞だぁ! この記事に書れてる月日…年は…西の国のお山の噴火て…?確か10年以上前に噴火があった事だよね。新聞では、一年前て書いてある。それに 新聞の書かれてる年は…日付は10年以上前!「おい!そこの!何をしているんだ!」振り返るとそこには…アーシュが立っていた。「え!まさか!」アーシュさああん!と声をかけようとして動きが止まる。「あ!可愛い!ワン子さんだ!」嬉しそうな小さな子供の声オッドアイの左右違う色の瞳に短い、ふわふわとした金色の髪の男の子いえ、男の子のような元気な5、6歳の女の子(のはず…?)10年前のまだ幼い子供のエイルさんがそこに立っていた。え!そうか! 確かアーシュさんの本当の年齢は 二十歳前後だって言ってましたワン!魔法の薬のせいで 記憶をなくして 子供の姿に戻ってしまった…て…じゃあ、そばにいるのは過去の…本当の子供時代のアーシュさん!・・・・・!あ、今のアーシュさんより…少し下かな? 12歳ぐらい?ワン「どうしたの?何を騒いでるの?」「リアン兄さま!」声をかけたのは 肩より少し長めの淡い金の髪を一つにたばねた14歳前後の少年あれって!リアンさん!ワン!アーシュさんの方は片方の眉を少し上げ リアンさんを少し、やぶ睨みがちに見ている…あ、横向いた。 リアンさんの事が気にいらないみたいワンワンまあ、将来はエイルさんを巡って恋のライバル??だもんなワンこの場合は…「はじめましてワン…み…道に迷ってしまいましたワン!魔法使いの弟子のワン子といいますワン!」「ワン子さん、僕達ね…お城から 花畑に遊びに来たの」「エイルだよ」それから簡単な自己紹介。 黒髪の少年(過去の子供時代のアーシュさん)に手をかざし「こちらはアーシュ…隣の国から来たのそれから、リアン兄さま!」淡い金の髪に淡いブルーの優しそうな瞳の少年を指さす二人よりも少しお兄さん「リアンだよ、ワン子くん…エイルの親戚なんだ」アーシュはこちらをチラリと見て後は無視。「はあ、最初会った時もそうだった…人見知り激しいから…ワン」「ぴぴ!」 エイルさんのすぐ後ろから小鳥の声! 「あ!この子、さっきね 森で会った
再会、アーシュの処刑の可能性……?驚きの事情を知るワン子…。◆ ◆ ◆「リアンさま!」騎乗の騎士が呼びかける。「そろそろ、お城にお戻りください」その言葉に頷く少年のリアン「ワン子くん、道に迷って大変だろう?明日誰かに送らせるから、今晩はお城においでよ」リアンの言葉「え!」「ピッツ!」小鳥のエイルさんも、そうしたら‥と鳴く一頭にはリアンさんとエイルさん、もう一頭にはアーシュさん鎧のケンタウロスの一人が私の背に乗れと合図する。ん、香水?香水の匂い…女性のケンタウロス?小声で女性のケンタウロスが話しかけてきた。「20年ぶりじゃないか? 時の扉を超えて 時間を旅したのか?じゃないと、時間的にあわない」ハッ!とするワン子この声! この声は!!「ひさしぶりだな、ワン子、元気だったか?」背に乗ったワン子に振り返った兜の下のその顔はレグルスさん!!「レグルスさんですかワン!」「ケンタウロスは長寿でな、まあ女性には年は尋ねるなよ」驚き声も出ないワン子と小鳥さんになったエイル。「女性の年齢は秘密だ」いたずらっ子のような笑顔を見せる白馬のケンタウロス、レグルス「どうして此処に…?とは聞かないのか?ワン子」ハッとして「は、はい!どうしてですか!ワン」「あれからしばらくは、皆で楽しく暮らしてたよ」「でも、大きな戦いや疫病 それに一年前の火山の爆発で仲間の多くは死滅した」固い表情のレグルス「生き残りのほとんどはこの国・・白の国の雇われ戦士として暮らして」チラリと別の馬の背に騎乗したアーシュに目をやる。「城に来て彼アーシュ殿に会って驚いた」「彼自身、アーシュ殿はまだ、過去の私には時間的には会っていない事はすぐ理解した」「もう一つ、何故 彼があれほどの炎の魔法の使い手だったのかは 得心いったよ予言の次世代だったとはね」微笑するレグルス「本来なら,明日にでも…」「人質として処刑されて殺されてしまう運命のはずだったのに」「よほどの強運の持ち主なのだな」「おそらく無事に生き延びて時間の旅で20年前の私と出会う‥とはな」「処刑?」「ええっ!処刑!アーシュさんが!」「そりゃ!目つきは悪いし 強引だし 性格にも問題ありますがワン」 「処刑て‥まだ子供のアーシュさんが何か悪い事したですか!ワンワン!」驚きのあまり、ワン子は半ばパニック
「見せしめで処刑!」「ああ」 「だからだろうね 彼、アーシュ殿はあまり、周りと関わらないようにしてるじゃないか?」 「咎められる事はないだろうが 深入りしていたら、周りも罰を受けかねんからな」その事実に 絶句して、まっ青になるワン子「ぴぴぴ!☆」小鳥さんのエイルさんが何かを告げたくて鳴いた。ハッ!として小鳥さんを見るワン子 小鳥さん 微笑んでいる。 「え、ええっと・・」「ぴぴぴ!」明るく鳴く小鳥さん。 「だ、大丈夫なんですねワンワン! アーシュさん大丈夫なんですね☆」ほっとするワン子「ピイー♪ そうだよ ワン子さん安心して♪」10年後のエイルさんはそう言っている。「ハッ!そうだったワン!」僕は骨の野原ではぐれるまで‥子供の姿になってしまっているけど 10年後のアーシュさんと一緒にいたんだワンワン♪ そうだ!ワン子は10年前に起こった歴史の事を聞いていた。 確かに一度 お隣の白の国と黒の国は和平を結んでたんだワン! それから黒の国は一度、王様達もろとも北の国に滅ぼされて…! 黒の貴族や生きの延びた王族さん達が 再び国を取り返して、再び国は繁栄するワン! 本来なら、和平を結びその動きを知っていた 白の国が警告や助けにいくはず…だったのに! 見捨ててしまって、しかも巨人族と 裏で手を結んでたらしい!と公然の秘密だったワン!数年前に今度は北の巨人族の国が…今度は白の国を襲うワンワン! 迎え撃つ白の国の軍隊は裏をかかれ 北の巨人族の大軍が白の国の都を襲うワンワン!で…風前の灯の白の国を救ったのは なんと!長年の仇敵で一度裏切られてしまったはずの黒の国の軍隊だったらしい!はあはあ…ぜいぜい ワン子の頭では難しいすぎて、もう頭…ぐるぐるしちゃう…ワン。んで…再び白の国と黒の国は再び仲良くなりました。 一応 平和な時代 というのが…現在のワン子達が住む世界の状況
それが 最近の御話 実は裏事情があって…。黒の国の今の王様が白の国の王女さまにラブラブしててつまり…恋してて、そんで周りの猛反対を無視して助けに行った!というのが本当の本当の…裏話らしい。恋の力て…すごい!「くしゅうん!」 「ごほん!」 「くしゅ!」 何故だか 小鳥のエイルさん 子供のエイルさん 更に子供のアーシュさんまで同時にくしゅん!…って…。あれ?でも…どこで今の黒の王様ってば 白の国の王女さまに出会ったでしょうねワン?黒の王様や白の国の王女様って、一体どんな人達なのかな?ワン・・・ワン子はアーシュが黒の王でエイルが恋の相手、白の王女だというのを全然、知らないお城に着き、門の所で「じゃあ!またなワン子! 私はこれから友人と酒の約束があるからな」ケンタウロスのレグルスさん「もう一人のアーシュ…彼に会ったら、今度こそ、絶品の食事を楽しみにしてる!と伝えてくれよ」軽く手を振りながら、レグルスさんは立ち去った。「はい、です!ワン、ワン♪」 二人の後を追い 後ろからついてゆくワン子そこに後ろから声をかけられる「ワン子さん」白い光に包まれた17歳前後の少女の姿のエイルさんの精神体が立っていた「エイルさん…ワン、ワン!!」「お願いがあるの…ワン子さん」「?」「実は…」エイルが事情を話し出すその後、食事も終えて 今度はアーシュさんの御部屋でエイルさん(子供時代のエイルさんとアーシュさんのチエスの勝負頂いたお菓子をほおばりながら 見守るワン子ううう!アーシュさん結構強い。 「また負けた…くすん」エイル、ぱたっとテーブルに倒れこむ「がんばって、修行だな」と一言アーシュ 「ううう!」エイルさん 次回にチャレンジだ!ワン、ワン「間もなく、子供は寝る時間…部屋に帰れよエイル」「うん、でも、僕のお部屋は遠くて、アーシュのお部屋からだと30分以上かかるだけど」そうだ、ここ大きなお城だ…もんね、すごく広いだよね、ワン。すごく大きなホテルと一緒だもんねワン。ここは、大きさからいえば ホテルの建物が3つ4つ入ってしまうもんワン、ワン沢山の他の高い位の貴族の人達とか住んでるし街の警備をする人達離れの建物には軍隊の兵士さん達も住んでるみたい、ワン街の政治をする建物も城の中の右手にあったワン!「駄目」冷たく一言 ア
お部屋に戻ると部屋の前でリアンさんが立っていた。「エイル」 「どうしたの?リアン兄さま」「あ、ああ…ちょっと‥ね、白の国の王宮から知らせがあって‥」「たいした事じゃないよエイル」 言葉とは裏腹…目が動揺の色を隠せません。リアンさん ワン!ワン子は事情を知っているワンがちゃん!うあああ! 遠くから悲鳴やどよめき!物が壊れる大きな音「何! どうしたの!」見回りの兵士の一人が走ってきて「リアンさま!エイルさま!部屋に入ってください」「黒の国の兵士が‥!」ハッして 慌てて言葉を濁す見張りの白の国の兵士。「いえ、あの盗賊のようです、どうか部屋へ」「分かった」リアンが答えるエイルさんやワン子を先に部屋に入れると見張りの兵士にそっと、尋ねるリアン「先ほど、王宮からの知らせを聞いた」「白の国は 北の巨人族の軍隊の動きを知りながら、それを黒の国へは知らせず」「その為に巨人族の軍が黒の国の都や王宮を焼き払ったと…黒の国を治めてる王族は、ほぼ全滅…黒の国は滅んだ」「エイルの実の母親、黒の王子アーシュ殿と入れ代わりに黒の国に行った姫、彼女は黒の国の首都にいて、恐らく死んだらしい」「エイルが本当は人質だった、身代わりに彼女は…」「黒の国が滅び、黒の王族は…彼一人」「黒の国の兵士は…それを黒の国の王子である彼‥アーシュラン殿、アーシュ殿に知らせに来たのだろう?」「白の国は裏切った、その為に黒の国は滅んだ」「彼アーシュ殿は、このままでは敵の巨人族に引き渡されるか…処刑される」うなずく 見張りの白の国の兵士「エイルは部屋から出さないようにするから」ほんの数日前の出来事をリアンは思い出していた。「もし、俺が処刑される事になったら エイルには黙っていてくれるか?」「!」 「リアン殿、貴方は知ってるはずだ、運が悪ければ明日にでも俺は処刑されるかも知れない」無表情で淡々と話すアーシュ「なんとか、知らせずに…」リアンは沈黙して、アーシュの話を聞いている。「それから、俺は事情があって、黒の国へ戻ったとでも、別の場所に行った…とでも、言ってくれないか?」「エイルを悲しませたくない」 「ただ、幼い頃にあった思い出話で覚えててくれれば…それでいいから」「随分と悲しい事ばかり言うだね、本当にそれで、良いのかい?」リアンはアーシュを優しく見つめながら
その頃急を密かに知らせた黒の国の兵士 瀕死の兵士がアーシュの部屋で息絶えていたのだった。黒の国が白の国の裏切りで滅んだ事、黒の国の王都陥落の知らせ王族はほぼ殺害され 異母妹の王女は行方不明、殺害された可能性が高い黒の王族の生き残りはアーシュのみそうして、廊下には見張りの兵士の死体が転がり、すぐ傍にはアーシュの部屋アーシュの部屋に忍び込んだのは息も絶え絶えの血まみれの兵士が一人アーシュの故郷である黒の国の兵士彼は、黒の国が敵である巨人族に襲われた事と王宮が陥落した事をアーシュに伝えて、息絶えた。死んだ兵士、彼にそっと、部屋の白いシーツをかぶせ思い悩んだ後「本来なら俺は捨て石 人族の側室の子 俺は処刑されていたな 黒の王で王妃の子 跡継ぎの王女、王子達が生き残るはずだったから」アーシュの独白淡い恋心…正妃 寵姫の息子として憎まれてしまった相手、極上の美貌の王妃慕ってくれた美しい異母妹の王女、彼女が女王になるはずだった 幼い異母弟、無関心な冷淡な父王だが…今は…「もし、もしも、運命が味方して、生き延びる事が出来たなら」再び呟きアーシュは わずかばかりの荷物をまとめ部屋の奥に隠していた短めの剣ショートソードを手に取り 部屋の扉を開いた。アーシュは…振り返り部屋の中のテーブルの上のチエス盤にエイルが先程まで座っていた椅子を眺め とても不思議な思いで、感慨深げに ほんの少しだけ見つめてそうして、今度は振り返りもせず 部屋を出ていった。
「え!エイルさん!!」 「あ!ワン子さん」黒の王宮 お城の大きな庭に立つ美しく着飾ったエイル、未来の時間にいるエイル「き‥綺麗ですワン びっくりしました!ワン」 綺麗な大きな髪飾り・・耳飾りに 複雑な形に結い上げて髪に挿し飾られた小さな真珠やダイヤが煌いているワンドレスも金の縁取りの刺繍が素敵です。胸元のベルトも大小の色とりどりの宝石がちりばめられてます 首飾りや 腕飾りも綺麗口紅もサクランボ色の綺麗な色ですワンワン「うふ、有難うワン子さん 最近はちょおとだけ・お洒落してるの」「国同士が仲良くしてもらう為の大事な外交でとても大切な大きなパーテイや茶会があってたから」「あれ!目元が赤い!少し濡れてます‥もしかして泣いてませんかワンもしや!アーシュさんが何かしたんですか?ワンワン」「ちょっと違うけど、本当はそうかも‥ね」くすっと笑うエイル「ああ!そうだワン子さん そうか!今は時間の旅の途中なんだね!!」うんうんと頷き、庭の花園にワン子の手を取り引っ張ってゆくエイル途中でお腹を抑えてちょっと吐きそうなエイル「大丈夫ですかワンワン」「うん、ごめんちょっと食あたりかな 最近、時々あるんだけど」すたすたと庭園、庭の奥へ歩いてゆく二人「あ、いた!見てこの蝶だよ これが・・僕」羽の片方が白、片方は綺麗な青色 瑠璃色の変わった蝶「皮袋のオルゴールを開けて、ワン子さん。」エイルさんの手に止まった蝶がオルゴールの音楽に反応して白く輝く宝玉に変身した蝶・・そして宝玉はオルゴールの中へ「時間の扉は その花園の中に出現してるよ僕にとって過去の出来事だから知っているんだよ 実は未来のワン子さんに聞いたの うふ」「じゃあ!僕・・ええっと私ねこれから準備があるから、名残惜しいだけど、行くね ワン子さん」「行く?って?エイルさんワン!」「僕いえ私、白の国に帰ることになったんだ」寂しげにうつむくエイル
「昔の俺 アーシュ・・!」「!!」驚き茂みから出てくる時間の旅の途中である子供の姿 アーシュ・・。「どうして、エイルを白の国へ帰そうとしているんだ?」未来の自分に問いかける素直な疑問を口に出して問う子供姿、少年のアーシュ「・・戦いがはじまるんだよ 無事に生きて戻れるか判らない」淡々と話しかける未来のアーシュ「地に伏せて血だまりの中で命を絶たれるのは 戦士の定めか」「このまだ戦いは止められないのか?」今の自分、少年のアーシュは再び問いかけるその言葉に首をすくめる未来の大人の姿のアーシュ アーシュラン「知ってるだろう・・今は新たな敵、雪深い北の巨人族たちとの戦争は止められない」「戦いの種は長い年月 数十世代も前、俺が生まれる以前から蒔かれたもの幾重にも罠のようにクモの巣のようにはりめぐっている」「わかっていても、刈り取る事が可能なら・・よかったのにな」「もし、運命を変えられるなら・・」「その時間、その時を大切に・・な 愛しい人に大切な友や仲間 笑いあえる時間を大切に それが恵み・・というものかも知れないな」「じゃあ!な」 未来のアーシュは先に行ったアルテシア姫の後を追い歩きだす。だが、思い出したように振り返り「ああ、そうだ!ワン子と捜しているエイルの身体宝珠は向こうの先の庭にある」指を指す未来のアーシュ未来の自分・・彼を見送ると アーシュは唇をかみ締めて指差した方に走り出す少年のアーシュ
「いいか エイル、エルトニア・・リアンの所に行くんだ 判ったな」優しい声でゆっくりと話しかけるアーシュ「リアん兄さまの元に・・白の国に僕の国へ帰れと?」「ねえ!迎えに ちゃんと迎えに来てくれるの?」黙ったまま・・エイルを見つめるアーシュ「今はまだわからない でも、約束するから」エイルの涙をその指先でぬぐうと顔を近づけ 口づけを交わす「アーシュ・・アーシュラン」「約束するよ」エイルに向かって 微笑むアーシュ「必ず、待ってるから・・待ってるから・・」何度も振り返り 庭の奥に消えていくエイル「王・・黒の王 火焔の王さま 私のサラマンデイア様」 声をかけるのは 長い黒髪を上に丸く結い上げた女騎士。美しいメリハリのある身体をかっちりとした銀色の鎧に包み込んだリュース公女 アルテシア姫「結局、貴方も 先々代の王同様に・・私のおばあさまのように」白の国の姫君をエルトニア姫を手放すのね」「可哀想なエイル そして・・貴方・・」悲しげにつぶやくアル、アルテシア姫「私のおばあさまはエイル同様白の国からの人質で 先々代の黒の王と恋に落ちてたけど」「でも、結局は白の国にも戻れずに、黒の貴族のリュース家に嫁いで・・」「エイルの母、エリンシア姫…優しくて綺麗で、早く母を亡くし、父は姫を娶るつもりで…」「でも、エリンシア姫は非業の死を」「……私にとってエイルは妹のような存在、母親の分まで幸せになって良かったのに」「私は悲しいわ」「アル、アルテイシア リュース家の姫君」「行きましょうか・・私の黒の王さま リュース家は貴方達、王家の剣、盾でもある」「騎士として、今も昔も王家ともにあるわ」「ああ」うなずく アーシュランだが、彼は ハッ!と気が付いて・・「すまないアルテシア 俺のリュース準将軍殿・・少し先で待っててくれないか?」頷き それからアルテシア姫が先にいった事を確認して未来のアーシュは茂みに向かって声をかける。「そこにいるのは、知ってる何せ、俺にとっては過去の出来事だからな」苦笑 くす・・と笑う。
「あれ!アーシュさん? また、はぐれたみたいですアーシュさんはいずこ??」一人きりにり、はぐれたワン子が呟く。一方、アーシュの方は……。「俺は戻って来たのか? ここは、黒の国の王宮 俺の城だ…間違いない!」そうして庭園の中の茂みに迷いこんでいるアーシュだったが…。庭園、此処は花の香りが漂う、綺麗な緑に噴水庭園の白いレンガの道が見えてそこに踏み出そうとした その時だった。「いや!アーシュ」 若い少女の声がしたのだった。「なんで、そんな事を言うの?僕は白の国へは戻らない!アーシュの傍に居るよ 僕は絶対、アーシュの傍に居るから」庭園 その庭の片隅のテラスエイルのお気に入りの場所に二人の人物が抱き合って立っていた一人は綺麗な髪飾りで髪を結い上げ、美しいドレスを纏った金色の髪の女性それにもう一人は・・鎧を身につけた二十歳前後の男性男性は肩ほどにのびた黒い髪を金の留め物で一つにたばねて鎧をまとっている。そして、彼は泣いてる女性美しい金色の髪をした女性を抱きしめているのだ。あれはエイル・・?俺のエルトニア、俺のエイルか? それに抱きしめてるのは俺…俺なのか…二十歳前後の男性 未来の俺なのか? という事は…?という事は此処は…?未来の時間なのか?それは間違いなく、おそらくは7,8年前後の近い未来 数年後の未来のアーシュだった。
次の日の朝・・まだ少し顔色が悪いアーシュさん「大丈夫ですか?ワン」レグルスの言葉に頷くアーシュ 深々とフードをかぶり‥迎えに来たレグルスさんと一緒に支払いを済ませ 早々に宿を出発する。街を抜け人目がなくなると「いいから無理せず私の背に乗れ‥アーシュ」レグルスさんの言葉に再び、頷き その背に乗る。「森の奥、こっちだ」ぱしゃん! 小さな魚が跳ねる。森の奥にある小さな泉・・泉の水は不思議な色をしてたワン 虹のように様々な色で煌き近くに行き すぐ傍の顔を近づけると‥銀色に輝く鏡のようでしたワン「私が触れても鏡のように硬くて手を触れる事も出来ないだが」泉にふれるレグルスさん「ケンタウロス族に伝わる伝承では・・ケンタウロスの賢者に神に時間の旅を許された者」「許された時間の間だけ、この泉の中の扉に入れるそうだ何故、お前達が時間の旅をしているか‥不思議だがな」皮袋のオルゴールが発光して 優しい旋律が鳴り響く泉は反応して 青い光を放つ「どうやら扉が開いたらしい 行け二人とも!」ワン子は皮袋を握りしめアーシュはうなずくとワン子の手を取り泉の中に足を踏み入れ 二人は青い、青い光に包まれましたワン☆気がつくと、ここは黒の国のお城でしたワン!・・・・・!おや!ここは見覚えありますワンワン☆少し前にワン子はここに薬を届けた事がありますワンここは・・アーシュさんやエイルさん(現在 17歳のエイルさん が住む黒の国のお城です!ワンワン☆)
アーシュさんはゆっくりと顔をレグルスさんに向けて、暗黒大魔王のような、ものすごい表情で睨み付けてますワン「こら!馬女!小さなエイルが起きるだろうが!その口を縫いつけられたくなかったら 少し黙れ、馬女!」 「なんだとお!また水竜を召還して地の底深く沈めてやろうか!ガキ!」「ここで…?湖でない…召還に必要な大量の水がない!此処でやれるもんなら、やってみな!デカ馬女」そこにワン子が慌てて言う「駄目です!ワンワン 宿屋で騒がない! アーシュさんは今は姿を隠さないとまずいでしょ!」 「それに今 一緒に仲良く(?)いるところを見られたら、レグルスさんもまずいじゃないですか?」「エイルさんを城から連れ出したのはレグルスさんだし…だしワン」ワン子のダメ押しに 思わず口をつむぐ ご一同様「まさか、わん子に諭されるとは!」「ああ」冷や汗の二人「ふうぅ…」ため息をついて、アーシュさんは一言「ワン子は手伝え、レグルス、数十年前の約束を今、すぐにはたしてやるよ」「どうする気だ?」「何かうまい理由をつけて店の奥の厨房を借りる」 「材料も調達してと‥…まあ、アカアカとかの材料はないが何か美味いもん作ってやる」アーシュさんは残り物で それは美味い料理を沢山沢山、料理を作りましたワンワン。白身魚のカレー風味 野菜のポタージュ ジャガイモの冷たいスープ。魚の入ったリゾットに 鳥肉のグラタン ぴり辛のタラモサラダグレープフルーツにオレンジ 林檎などの果実を細かく刻んだものソースにあえたサラダトマトと挽肉のソースのパスタスコッチエッグというゆで卵に挽肉を包んで油で揚げたものジャガイモを使ったシェパードパイ東洋風の挽肉の饅頭に こちらも東洋風の料理で鶏肉を丸ごと使う料理で 肉の中にもち米や栗 赤いクコの実をつめてコトコト 薄めの味のスープで煮込んだ料理なんでも、サムゲタンというそうですワン甘く煮込んだ果実入りのクレープ チョコムース。 ミントとレモンと蜂蜜入りのゼリ店にあった 紅い果実のお酒を部屋に運びこむ「う…うまい!うまいぞ!!はあ、あいつらにも食べさせてやりたかった」あまりの美味しさに涙目モードのレグルス料理の素晴らしさに店の主人は関心しまして そこで、口止めをかねて(なにせ アーシュさんはその黒髪などの特徴から、すぐ隣国の
バタバタと階段を駆け上がる音がする!隠れる暇もなく 勢いよく扉が開く「ワン子さん!拷問うけたって!聞いたけど大丈夫なの!無事!」と小さなエイルポカポカと……はあ、ため息をつきながら、後を追いかけて 一緒に入って来るケンタウロスのレグルス「まったく、しまったもんだついつい 差し出された美味い菓子と美酒にワン子の居所を口を滑らせてしまった‥はああ」…ため息をつくレグルス「おや? 逃げもしないでこんな所で何をしている?黒のアーシュラン殿」怪訝な顔をしてレグルスは言う目を丸くして!口も聞けない小さなエイルさん「えええっつと・・どうしたもんかな?」とアーシュそれで…エイルさんは泣きながらアーシュさんに抱きついたままである。「その、もう泣くな、エイル」 「行かないで・・行かないで・・」と泣くエイルさん(子供のエイルさん)「ほら、あんまり泣くと目玉がウサギみたいになってしまうぞエイル」ああアーシュさん 相手がエイルさんだと めちゃ優しい優しい「アーシュなんか変? アーシュがそんなに優しく笑った顔、見たのは初めて」「いつも不無表情で、どこか不機嫌な顔をして少し背が高いそれにそんな表情豊か…だった?」不思議そうに見つめるエイル「ええ‥っつと」ハッ!として大きく目を見開き思わず瞳をそらして天井を見てしまうアーシュあああ、焦ってます‥ワン。ぴくん!として眉をあげるレグルスアーシュさん おもむろに口を開き「いいから、もう心配しなくていいから」エイルさんを抱きしめる そして 小さく眠りの呪文「あ、また、じゅ・・呪文・・・ひどいや、アーシュ・・」ことり‥と眠ってしまうエイルさん。ひょいと抱きかかえて寝床に連れてゆき そおっとベットに乗せて、毛布をかける。ふと眠りに落ちる前に言ったエイルの言葉また、呪文?また?つまり もう一人の俺も・・十年前の俺も・・同じ手を使ったのか? ちょっと冷や汗をかくアーシュ「おい!お前は!」 びし!とアーシュさんを指を差す!ケンタウロスのレグルス「十数年前、私の大切なアカアカを横取りして 約束した絶品お魚料理を作らなったアーシュだな!」昼間の・・そして、先程までの アーシュ殿とか憐憫やら同情に満ちた優しい扱いそれに先程までの優しい言葉は、一体どこにワン?数十年もたつというのに・・そ
ワン子は 可愛いフェアリー亭という酒場に入りましたワン! 二階に上がろうと階段に上がってゆくと「!」「ワン子か?」 フードを被った少年が声をかける。「アーシュさん! アーシュさんだああ!ワンワン!ねえ、大丈夫ですか? 味方の黒の国の兵士さん達とは会えましたか?ワンワン!」「何を言ってる?さっきの骨の野原で頭でも打ったのか?ワン子?」「え? じやあ! アーシュさんは・・今のアーシュさんなんですね☆ ワン」?? 顔をしかめるアーシュさん「すれ違った 俺にそっくりな過去の俺か?」その後、宿の部屋でくつろぎながら ハーブのお茶を飲んでますワン。「ふーん そうなのか?ワン子」「はいですワンワン」確かによくよく見てみると・・少しだけ今のアーシュさんの方が大きい。過去のアーシュさんは12歳前後、今のアーシュさんは13、14歳ぐらいそれにどこか張り詰めて無表情だった10年前のアーシュさんと比べて表情が豊かです‥ワンワン。つまり、明日にでも人身御供‥処刑されそう‥という状況なら あんな風になるのは、当たり前だよね・・ワン結構ハードな子供時代だったアーシュさんでも本人 薬のせいで記憶喪失になって覚えてない!て言ってましたけ・・ワン。「と・・なると 間違えられて捕まって、処刑されたら、大変だな!ここの世界のエイルは無事に会えたそうで、宝珠も確保したし」「早めに逃げ出さないと やばいかな」アーシュ
過去の時間の中、過去のアーシュ、自分が城から逃げ…逃亡しているのを木の上で見ていた未来、今のアーシュそして、ワン子の方は……?◆ ◆ ◆ワン子さんはレグルスさんにこってりと絞られ(どうやら、昔の数十年前の魚料理を食べ損ねた恨みらしいワン(汗))牢屋に入れられたワン ああ,涙 ワン暗い牢屋の中で シクシクと泣いていたら……あ,あれ!小鳥さんの姿のエイルさんがやって来ましたワン。小鳥さんがゆっくりと淡い白い光を放ち 人型を取る「え、エイルさん!ワン」そこには透ける身体の精神体の17歳の姿の綺麗な少女のエルトニアことエイルが立っていた。「有難うワン子さん」嬉しそうなエイル 「でも、ごめんね、牢屋に入れられてしまったね」表情を曇らせる。「だ、大丈夫ですワン!きっと、きっと!なんとかなりますワン☆」明るく宣言する!ワン子(でも、多分・確証はない☆)顔をかたむけ、静かに優しく微笑むエイルさん白い光は大きくなって、小鳥さんは白い宝玉に変身、変化した。いつの間にか、エイルさんの部屋に置き忘れてたはずなのに皮袋がポンとワン子の横に皮袋から 宙を浮かんで出てきたオルゴールは音楽を奏でながら,ゆっくりと開き、前の魚から変化した時と同じように白い宝玉は呼ばれるように、ふわり・・と浮かんでオルゴールの中に納まった。わん子はオルゴールを皮袋にしまうワン。そして、次には…?カチリ!扉を開ける音!「ワン子出るんだ!」とレグルスが慌てているように言う。「少しまずい事になった、思ったより状況が良くなくてな…ワン子 お前が黒の国の間者スパイと思われてる」「え!ワン!」 「お前、リアン殿を眠りの粉で眠らせただろう?」「えええっと!」 (心の中で バレちゃいましたワン☆)「後からエルトニア姫が きっと自分の指示でワン子に頼んだと言うとは思う そうしたら、絞られる程度で済むのだが」「それが間に合わないと…ワン子、お前は、まじで、本当にそれは、ひどく酷い拷問を受けるぞ!ワン子」という訳で‥「こっちだ ワン子 いいか、此処から逃げろ」レグルスさんに連れられてワン子は塀の小さな穴から逃出ですワン!「ワン子は街はわかるか?あちらの丘に灯があるだろう 街にフェアリー亭という あの店、フェアリー亭はそれは美味しい酒と食事の宿兼食事処の店があって