それが 最近の御話 実は裏事情があって…。黒の国の今の王様が白の国の王女さまにラブラブしててつまり…恋してて、そんで周りの猛反対を無視して助けに行った!というのが本当の本当の…裏話らしい。恋の力て…すごい!「くしゅうん!」 「ごほん!」 「くしゅ!」 何故だか 小鳥のエイルさん 子供のエイルさん 更に子供のアーシュさんまで同時にくしゅん!…って…。あれ?でも…どこで今の黒の王様ってば 白の国の王女さまに出会ったでしょうねワン?黒の王様や白の国の王女様って、一体どんな人達なのかな?ワン・・・ワン子はアーシュが黒の王でエイルが恋の相手、白の王女だというのを全然、知らないお城に着き、門の所で「じゃあ!またなワン子! 私はこれから友人と酒の約束があるからな」ケンタウロスのレグルスさん「もう一人のアーシュ…彼に会ったら、今度こそ、絶品の食事を楽しみにしてる!と伝えてくれよ」軽く手を振りながら、レグルスさんは立ち去った。「はい、です!ワン、ワン♪」 二人の後を追い 後ろからついてゆくワン子そこに後ろから声をかけられる「ワン子さん」白い光に包まれた17歳前後の少女の姿のエイルさんの精神体が立っていた「エイルさん…ワン、ワン!!」「お願いがあるの…ワン子さん」「?」「実は…」エイルが事情を話し出すその後、食事も終えて 今度はアーシュさんの御部屋でエイルさん(子供時代のエイルさんとアーシュさんのチエスの勝負頂いたお菓子をほおばりながら 見守るワン子ううう!アーシュさん結構強い。 「また負けた…くすん」エイル、ぱたっとテーブルに倒れこむ「がんばって、修行だな」と一言アーシュ 「ううう!」エイルさん 次回にチャレンジだ!ワン、ワン「間もなく、子供は寝る時間…部屋に帰れよエイル」「うん、でも、僕のお部屋は遠くて、アーシュのお部屋からだと30分以上かかるだけど」そうだ、ここ大きなお城だ…もんね、すごく広いだよね、ワン。すごく大きなホテルと一緒だもんねワン。ここは、大きさからいえば ホテルの建物が3つ4つ入ってしまうもんワン、ワン沢山の他の高い位の貴族の人達とか住んでるし街の警備をする人達離れの建物には軍隊の兵士さん達も住んでるみたい、ワン街の政治をする建物も城の中の右手にあったワン!「駄目」冷たく一言 ア
お部屋に戻ると部屋の前でリアンさんが立っていた。「エイル」 「どうしたの?リアン兄さま」「あ、ああ…ちょっと‥ね、白の国の王宮から知らせがあって‥」「たいした事じゃないよエイル」 言葉とは裏腹…目が動揺の色を隠せません。リアンさん ワン!ワン子は事情を知っているワンがちゃん!うあああ! 遠くから悲鳴やどよめき!物が壊れる大きな音「何! どうしたの!」見回りの兵士の一人が走ってきて「リアンさま!エイルさま!部屋に入ってください」「黒の国の兵士が‥!」ハッして 慌てて言葉を濁す見張りの白の国の兵士。「いえ、あの盗賊のようです、どうか部屋へ」「分かった」リアンが答えるエイルさんやワン子を先に部屋に入れると見張りの兵士にそっと、尋ねるリアン「先ほど、王宮からの知らせを聞いた」「白の国は 北の巨人族の軍隊の動きを知りながら、それを黒の国へは知らせず」「その為に巨人族の軍が黒の国の都や王宮を焼き払ったと…黒の国を治めてる王族は、ほぼ全滅…黒の国は滅んだ」「エイルの実の母親、黒の王子アーシュ殿と入れ代わりに黒の国に行った姫、彼女は黒の国の首都にいて、恐らく死んだらしい」「エイルが本当は人質だった、身代わりに彼女は…」「黒の国が滅び、黒の王族は…彼一人」「黒の国の兵士は…それを黒の国の王子である彼‥アーシュラン殿、アーシュ殿に知らせに来たのだろう?」「白の国は裏切った、その為に黒の国は滅んだ」「彼アーシュ殿は、このままでは敵の巨人族に引き渡されるか…処刑される」うなずく 見張りの白の国の兵士「エイルは部屋から出さないようにするから」ほんの数日前の出来事をリアンは思い出していた。「もし、俺が処刑される事になったら エイルには黙っていてくれるか?」「!」 「リアン殿、貴方は知ってるはずだ、運が悪ければ明日にでも俺は処刑されるかも知れない」無表情で淡々と話すアーシュ「なんとか、知らせずに…」リアンは沈黙して、アーシュの話を聞いている。「それから、俺は事情があって、黒の国へ戻ったとでも、別の場所に行った…とでも、言ってくれないか?」「エイルを悲しませたくない」 「ただ、幼い頃にあった思い出話で覚えててくれれば…それでいいから」「随分と悲しい事ばかり言うだね、本当にそれで、良いのかい?」リアンはアーシュを優しく見つめながら
その頃急を密かに知らせた黒の国の兵士 瀕死の兵士がアーシュの部屋で息絶えていたのだった。黒の国が白の国の裏切りで滅んだ事、黒の国の王都陥落の知らせ王族はほぼ殺害され 異母妹の王女は行方不明、殺害された可能性が高い黒の王族の生き残りはアーシュのみそうして、廊下には見張りの兵士の死体が転がり、すぐ傍にはアーシュの部屋アーシュの部屋に忍び込んだのは息も絶え絶えの血まみれの兵士が一人アーシュの故郷である黒の国の兵士彼は、黒の国が敵である巨人族に襲われた事と王宮が陥落した事をアーシュに伝えて、息絶えた。死んだ兵士、彼にそっと、部屋の白いシーツをかぶせ思い悩んだ後「本来なら俺は捨て石 人族の側室の子 俺は処刑されていたな 黒の王で王妃の子 跡継ぎの王女、王子達が生き残るはずだったから」アーシュの独白淡い恋心…正妃 寵姫の息子として憎まれてしまった相手、極上の美貌の王妃慕ってくれた美しい異母妹の王女、彼女が女王になるはずだった 幼い異母弟、無関心な冷淡な父王だが…今は…「もし、もしも、運命が味方して、生き延びる事が出来たなら」再び呟きアーシュは わずかばかりの荷物をまとめ部屋の奥に隠していた短めの剣ショートソードを手に取り 部屋の扉を開いた。アーシュは…振り返り部屋の中のテーブルの上のチエス盤にエイルが先程まで座っていた椅子を眺め とても不思議な思いで、感慨深げに ほんの少しだけ見つめてそうして、今度は振り返りもせず 部屋を出ていった。
エイルの部屋ではリアンが琴を演奏していた。 暖かなミルクがたっぷりと入ったココアが鼻腔をくすぐる。 「美味しいね☆ワン子さん うふ」「そうですねワンワン!」 でもワン子は 内心オロオロしていた と言うのも先程エイルさん実は17歳の現在のエイルさんの頼まれ事を思い出していたワンワン。 「あの子供時代のあの時、僕…いえ、私ね…心配するリアン兄さまに引き止められて」 「アーシュに会えなかったの、あの日の夜」「アーシュはお城から抜け出して それから十年近い時間がたつまで…ずっと、会えなかった」「それにお城から抜け出す時に 見張りの兵士に襲われて大怪我をしたらしいの!」 「もし 城から抜け出せなかったら、アーシュは処刑されてらしいだけど」 「せめて アーシュが怪我などしないように 子供時代の僕が守ってあげたい!」「僕がいれば、見張りの兵士はアーシュには手を出せないだろうし」「あの晩もう、一度だけ 子供時代の僕‥いえ、私にアーシュに会わせてあげたい」17歳のエイルさんの言葉を思い出しながら作戦を練るワン子 で・・作戦開始! 「あ!」ワン子はわざとココアをこぼした! 「ああ!大変 タオルは‥あれ?どこだろう?」 「隣の部屋に予備があったから 僕が取ってくるね」 エイルさん扉を開けようとしたエイルさんに 「エイル!」「どうしたの?リアン兄さま」 「まだ、盗賊がうろうろしてるかも知れないから・・部屋から出ちゃ危ないよエイル」めっ!と軽くエイルさんを諭し それから安心させるように微笑むリアン 「タオルの代わりの布が何かあったよね ハンカチを貸してごらん」僕の頭の上の小鳥 エイルさんが飛び立ち びっくりしたように部屋をグルグルと回る。 「え!どうしたの!小鳥さん!」と子供時代のエイル 驚いて様子を見てるリアン それから小鳥さんはリアンさんの顔にアタック! 「うああ!」驚いたふりして!部屋にあった大きな飾りの壷に手をやり手が滑ったふりして それをリアンさんの方に転がす ワン子あ、案の定 壷にリアンさんは足を取られ転がった。狙い?通り目を回してるリアンさんごめんね、リアンさん すごく~アーシュさんなんかより(おい!ワン子そこまで言うか!) 良い人なのに、すごく良い人なのに……あう…ワンワン
小鳥さんが こっちと誘導する! 「あ!あの!あの!誰かいます、ワン……見張りの兵士さんみたいでした!」「兵士さんにお願いしてお医者さまを呼んでもらいましょう」そう言ってワン子は…もう一人の子供時代のエイルさんを誘導部屋の角 廊下のコーナーを曲がるとそこには見張りの兵士 ケンタウロスの兵士に今にも槍で突かれそうなアーシュさんがいた!「危ない!アーシュさん」ワン子の声に 危うく避けるアーシュさん そうかワン! 17歳のエイルさんが言ってのは‥この事だった…だねワンだが!次の一撃が来た! アーシュさんに向かう槍の攻撃!カアアアアン!カキン!武器同士がぶつかり合う!大きな音横からもう一人のケンタウロスの戦士が現れた!アーシュさんに放たれた槍の攻撃を戦士の持つ槍で払う!「おい! 駄目だろうが!…その者は大事な黒の国からの人質、預かりもの!」「まだ処刑とは…殺すと決まったわけではあるまいが!」女性の声!ケンタウロスのレグルスさんだった。「同じことでしょう!レグルスさま!」「既に黒の国は滅んだ! その者の運命は決まったも同然!」血気にはやる もう一人のケンタウロスの戦士。「何故!かばうのです!どれだけの多くの仲間のケンタウロスが…黒の国の輩(やから)に殺されたと思っているのですか!」「レグルスさま、こ奴を生かしておけば 必ずや因縁の種になりますぞ!絶たねば危険です」「ふん!私はまだ…美味な魚料理を食ってないんだ」ぽつり、呟くレグルス「はい?」怪訝な顔をするケンタウロスの兵士「いや、なんでもない、おい!そこの!魔法使いの弟子だったな、ワン子!」「何か軽めの魔法の呪文でも唱えて」「血気にはやってる奴の頭が冷えるまで、殺さない程度にやっけてくれないか?」「すまんが、私だとつい手加減なしで、殺してしまいそうだ」レグルスの一言「ああ!ハイです、ワン、ワン!」「ネコの手え〜!」 ワン子の償還魔法 空中から巨大なネコの手が現れ魔法のネコの手がケンタウロスの戦士を撃つ というより頭に直撃☆! ゴイインンあ、ああ、気を失った、ワン!「ふふん! まあ!こんなもんでしょう!大活躍!」得意になるワン子。「アーシュ」エイルに呼びかけられてはっ!とするアーシュ「俺は大丈夫だから、エイル!お前は部屋に戻れ!」その言葉に首を振るエイル
過去の時間の中、過去のアーシュ、自分が城から逃げ…逃亡しているのを木の上で見ていた未来、今のアーシュそして、ワン子の方は……?◆ ◆ ◆ワン子さんはレグルスさんにこってりと絞られ(どうやら、昔の数十年前の魚料理を食べ損ねた恨みらしいワン(汗))牢屋に入れられたワン ああ,涙 ワン暗い牢屋の中で シクシクと泣いていたら……あ,あれ!小鳥さんの姿のエイルさんがやって来ましたワン。小鳥さんがゆっくりと淡い白い光を放ち 人型を取る「え、エイルさん!ワン」そこには透ける身体の精神体の17歳の姿の綺麗な少女のエルトニアことエイルが立っていた。「有難うワン子さん」嬉しそうなエイル 「でも、ごめんね、牢屋に入れられてしまったね」表情を曇らせる。「だ、大丈夫ですワン!きっと、きっと!なんとかなりますワン☆」明るく宣言する!ワン子(でも、多分・確証はない☆)顔をかたむけ、静かに優しく微笑むエイルさん白い光は大きくなって、小鳥さんは白い宝玉に変身、変化した。いつの間にか、エイルさんの部屋に置き忘れてたはずなのに皮袋がポンとワン子の横に皮袋から 宙を浮かんで出てきたオルゴールは音楽を奏でながら,ゆっくりと開き、前の魚から変化した時と同じように白い宝玉は呼ばれるように、ふわり・・と浮かんでオルゴールの中に納まった。わん子はオルゴールを皮袋にしまうワン。そして、次には…?カチリ!扉を開ける音!「ワン子出るんだ!」とレグルスが慌てているように言う。「少しまずい事になった、思ったより状況が良くなくてな…ワン子 お前が黒の国の間者スパイと思われてる」「え!ワン!」 「お前、リアン殿を眠りの粉で眠らせただろう?」「えええっと!」 (心の中で バレちゃいましたワン☆)「後からエルトニア姫が きっと自分の指示でワン子に頼んだと言うとは思う そうしたら、絞られる程度で済むのだが」「それが間に合わないと…ワン子、お前は、まじで、本当にそれは、ひどく酷い拷問を受けるぞ!ワン子」という訳で‥「こっちだ ワン子 いいか、此処から逃げろ」レグルスさんに連れられてワン子は塀の小さな穴から逃出ですワン!「ワン子は街はわかるか?あちらの丘に灯があるだろう 街にフェアリー亭という あの店、フェアリー亭はそれは美味しい酒と食事の宿兼食事処の店があって
ワン子は 可愛いフェアリー亭という酒場に入りましたワン! 二階に上がろうと階段に上がってゆくと「!」「ワン子か?」 フードを被った少年が声をかける。「アーシュさん! アーシュさんだああ!ワンワン!ねえ、大丈夫ですか? 味方の黒の国の兵士さん達とは会えましたか?ワンワン!」「何を言ってる?さっきの骨の野原で頭でも打ったのか?ワン子?」「え? じやあ! アーシュさんは・・今のアーシュさんなんですね☆ ワン」?? 顔をしかめるアーシュさん「すれ違った 俺にそっくりな過去の俺か?」その後、宿の部屋でくつろぎながら ハーブのお茶を飲んでますワン。「ふーん そうなのか?ワン子」「はいですワンワン」確かによくよく見てみると・・少しだけ今のアーシュさんの方が大きい。過去のアーシュさんは12歳前後、今のアーシュさんは13、14歳ぐらいそれにどこか張り詰めて無表情だった10年前のアーシュさんと比べて表情が豊かです‥ワンワン。つまり、明日にでも人身御供‥処刑されそう‥という状況なら あんな風になるのは、当たり前だよね・・ワン結構ハードな子供時代だったアーシュさんでも本人 薬のせいで記憶喪失になって覚えてない!て言ってましたけ・・ワン。「と・・なると 間違えられて捕まって、処刑されたら、大変だな!ここの世界のエイルは無事に会えたそうで、宝珠も確保したし」「早めに逃げ出さないと やばいかな」アーシュ
バタバタと階段を駆け上がる音がする!隠れる暇もなく 勢いよく扉が開く「ワン子さん!拷問うけたって!聞いたけど大丈夫なの!無事!」と小さなエイルポカポカと……はあ、ため息をつきながら、後を追いかけて 一緒に入って来るケンタウロスのレグルス「まったく、しまったもんだついつい 差し出された美味い菓子と美酒にワン子の居所を口を滑らせてしまった‥はああ」…ため息をつくレグルス「おや? 逃げもしないでこんな所で何をしている?黒のアーシュラン殿」怪訝な顔をしてレグルスは言う目を丸くして!口も聞けない小さなエイルさん「えええっつと・・どうしたもんかな?」とアーシュそれで…エイルさんは泣きながらアーシュさんに抱きついたままである。「その、もう泣くな、エイル」 「行かないで・・行かないで・・」と泣くエイルさん(子供のエイルさん)「ほら、あんまり泣くと目玉がウサギみたいになってしまうぞエイル」ああアーシュさん 相手がエイルさんだと めちゃ優しい優しい「アーシュなんか変? アーシュがそんなに優しく笑った顔、見たのは初めて」「いつも不無表情で、どこか不機嫌な顔をして少し背が高いそれにそんな表情豊か…だった?」不思議そうに見つめるエイル「ええ‥っつと」ハッ!として大きく目を見開き思わず瞳をそらして天井を見てしまうアーシュあああ、焦ってます‥ワン。ぴくん!として眉をあげるレグルスアーシュさん おもむろに口を開き「いいから、もう心配しなくていいから」エイルさんを抱きしめる そして 小さく眠りの呪文「あ、また、じゅ・・呪文・・・ひどいや、アーシュ・・」ことり‥と眠ってしまうエイルさん。ひょいと抱きかかえて寝床に連れてゆき そおっとベットに乗せて、毛布をかける。ふと眠りに落ちる前に言ったエイルの言葉また、呪文?また?つまり もう一人の俺も・・十年前の俺も・・同じ手を使ったのか? ちょっと冷や汗をかくアーシュ「おい!お前は!」 びし!とアーシュさんを指を差す!ケンタウロスのレグルス「十数年前、私の大切なアカアカを横取りして 約束した絶品お魚料理を作らなったアーシュだな!」昼間の・・そして、先程までの アーシュ殿とか憐憫やら同情に満ちた優しい扱いそれに先程までの優しい言葉は、一体どこにワン?数十年もたつというのに・・そ
「え!エイルさん!!」 「あ!ワン子さん」黒の王宮 お城の大きな庭に立つ美しく着飾ったエイル、未来の時間にいるエイル「き‥綺麗ですワン びっくりしました!ワン」 綺麗な大きな髪飾り・・耳飾りに 複雑な形に結い上げて髪に挿し飾られた小さな真珠やダイヤが煌いているワンドレスも金の縁取りの刺繍が素敵です。胸元のベルトも大小の色とりどりの宝石がちりばめられてます 首飾りや 腕飾りも綺麗口紅もサクランボ色の綺麗な色ですワンワン「うふ、有難うワン子さん 最近はちょおとだけ・お洒落してるの」「国同士が仲良くしてもらう為の大事な外交でとても大切な大きなパーテイや茶会があってたから」「あれ!目元が赤い!少し濡れてます‥もしかして泣いてませんかワンもしや!アーシュさんが何かしたんですか?ワンワン」「ちょっと違うけど、本当はそうかも‥ね」くすっと笑うエイル「ああ!そうだワン子さん そうか!今は時間の旅の途中なんだね!!」うんうんと頷き、庭の花園にワン子の手を取り引っ張ってゆくエイル途中でお腹を抑えてちょっと吐きそうなエイル「大丈夫ですかワンワン」「うん、ごめんちょっと食あたりかな 最近、時々あるんだけど」すたすたと庭園、庭の奥へ歩いてゆく二人「あ、いた!見てこの蝶だよ これが・・僕」羽の片方が白、片方は綺麗な青色 瑠璃色の変わった蝶「皮袋のオルゴールを開けて、ワン子さん。」エイルさんの手に止まった蝶がオルゴールの音楽に反応して白く輝く宝玉に変身した蝶・・そして宝玉はオルゴールの中へ「時間の扉は その花園の中に出現してるよ僕にとって過去の出来事だから知っているんだよ 実は未来のワン子さんに聞いたの うふ」「じゃあ!僕・・ええっと私ねこれから準備があるから、名残惜しいだけど、行くね ワン子さん」「行く?って?エイルさんワン!」「僕いえ私、白の国に帰ることになったんだ」寂しげにうつむくエイル
「昔の俺 アーシュ・・!」「!!」驚き茂みから出てくる時間の旅の途中である子供の姿 アーシュ・・。「どうして、エイルを白の国へ帰そうとしているんだ?」未来の自分に問いかける素直な疑問を口に出して問う子供姿、少年のアーシュ「・・戦いがはじまるんだよ 無事に生きて戻れるか判らない」淡々と話しかける未来のアーシュ「地に伏せて血だまりの中で命を絶たれるのは 戦士の定めか」「このまだ戦いは止められないのか?」今の自分、少年のアーシュは再び問いかけるその言葉に首をすくめる未来の大人の姿のアーシュ アーシュラン「知ってるだろう・・今は新たな敵、雪深い北の巨人族たちとの戦争は止められない」「戦いの種は長い年月 数十世代も前、俺が生まれる以前から蒔かれたもの幾重にも罠のようにクモの巣のようにはりめぐっている」「わかっていても、刈り取る事が可能なら・・よかったのにな」「もし、運命を変えられるなら・・」「その時間、その時を大切に・・な 愛しい人に大切な友や仲間 笑いあえる時間を大切に それが恵み・・というものかも知れないな」「じゃあ!な」 未来のアーシュは先に行ったアルテシア姫の後を追い歩きだす。だが、思い出したように振り返り「ああ、そうだ!ワン子と捜しているエイルの身体宝珠は向こうの先の庭にある」指を指す未来のアーシュ未来の自分・・彼を見送ると アーシュは唇をかみ締めて指差した方に走り出す少年のアーシュ
「いいか エイル、エルトニア・・リアンの所に行くんだ 判ったな」優しい声でゆっくりと話しかけるアーシュ「リアん兄さまの元に・・白の国に僕の国へ帰れと?」「ねえ!迎えに ちゃんと迎えに来てくれるの?」黙ったまま・・エイルを見つめるアーシュ「今はまだわからない でも、約束するから」エイルの涙をその指先でぬぐうと顔を近づけ 口づけを交わす「アーシュ・・アーシュラン」「約束するよ」エイルに向かって 微笑むアーシュ「必ず、待ってるから・・待ってるから・・」何度も振り返り 庭の奥に消えていくエイル「王・・黒の王 火焔の王さま 私のサラマンデイア様」 声をかけるのは 長い黒髪を上に丸く結い上げた女騎士。美しいメリハリのある身体をかっちりとした銀色の鎧に包み込んだリュース公女 アルテシア姫「結局、貴方も 先々代の王同様に・・私のおばあさまのように」白の国の姫君をエルトニア姫を手放すのね」「可哀想なエイル そして・・貴方・・」悲しげにつぶやくアル、アルテシア姫「私のおばあさまはエイル同様白の国からの人質で 先々代の黒の王と恋に落ちてたけど」「でも、結局は白の国にも戻れずに、黒の貴族のリュース家に嫁いで・・」「エイルの母、エリンシア姫…優しくて綺麗で、早く母を亡くし、父は姫を娶るつもりで…」「でも、エリンシア姫は非業の死を」「……私にとってエイルは妹のような存在、母親の分まで幸せになって良かったのに」「私は悲しいわ」「アル、アルテイシア リュース家の姫君」「行きましょうか・・私の黒の王さま リュース家は貴方達、王家の剣、盾でもある」「騎士として、今も昔も王家ともにあるわ」「ああ」うなずく アーシュランだが、彼は ハッ!と気が付いて・・「すまないアルテシア 俺のリュース準将軍殿・・少し先で待っててくれないか?」頷き それからアルテシア姫が先にいった事を確認して未来のアーシュは茂みに向かって声をかける。「そこにいるのは、知ってる何せ、俺にとっては過去の出来事だからな」苦笑 くす・・と笑う。
「あれ!アーシュさん? また、はぐれたみたいですアーシュさんはいずこ??」一人きりにり、はぐれたワン子が呟く。一方、アーシュの方は……。「俺は戻って来たのか? ここは、黒の国の王宮 俺の城だ…間違いない!」そうして庭園の中の茂みに迷いこんでいるアーシュだったが…。庭園、此処は花の香りが漂う、綺麗な緑に噴水庭園の白いレンガの道が見えてそこに踏み出そうとした その時だった。「いや!アーシュ」 若い少女の声がしたのだった。「なんで、そんな事を言うの?僕は白の国へは戻らない!アーシュの傍に居るよ 僕は絶対、アーシュの傍に居るから」庭園 その庭の片隅のテラスエイルのお気に入りの場所に二人の人物が抱き合って立っていた一人は綺麗な髪飾りで髪を結い上げ、美しいドレスを纏った金色の髪の女性それにもう一人は・・鎧を身につけた二十歳前後の男性男性は肩ほどにのびた黒い髪を金の留め物で一つにたばねて鎧をまとっている。そして、彼は泣いてる女性美しい金色の髪をした女性を抱きしめているのだ。あれはエイル・・?俺のエルトニア、俺のエイルか? それに抱きしめてるのは俺…俺なのか…二十歳前後の男性 未来の俺なのか? という事は…?という事は此処は…?未来の時間なのか?それは間違いなく、おそらくは7,8年前後の近い未来 数年後の未来のアーシュだった。
次の日の朝・・まだ少し顔色が悪いアーシュさん「大丈夫ですか?ワン」レグルスの言葉に頷くアーシュ 深々とフードをかぶり‥迎えに来たレグルスさんと一緒に支払いを済ませ 早々に宿を出発する。街を抜け人目がなくなると「いいから無理せず私の背に乗れ‥アーシュ」レグルスさんの言葉に再び、頷き その背に乗る。「森の奥、こっちだ」ぱしゃん! 小さな魚が跳ねる。森の奥にある小さな泉・・泉の水は不思議な色をしてたワン 虹のように様々な色で煌き近くに行き すぐ傍の顔を近づけると‥銀色に輝く鏡のようでしたワン「私が触れても鏡のように硬くて手を触れる事も出来ないだが」泉にふれるレグルスさん「ケンタウロス族に伝わる伝承では・・ケンタウロスの賢者に神に時間の旅を許された者」「許された時間の間だけ、この泉の中の扉に入れるそうだ何故、お前達が時間の旅をしているか‥不思議だがな」皮袋のオルゴールが発光して 優しい旋律が鳴り響く泉は反応して 青い光を放つ「どうやら扉が開いたらしい 行け二人とも!」ワン子は皮袋を握りしめアーシュはうなずくとワン子の手を取り泉の中に足を踏み入れ 二人は青い、青い光に包まれましたワン☆気がつくと、ここは黒の国のお城でしたワン!・・・・・!おや!ここは見覚えありますワンワン☆少し前にワン子はここに薬を届けた事がありますワンここは・・アーシュさんやエイルさん(現在 17歳のエイルさん が住む黒の国のお城です!ワンワン☆)
アーシュさんはゆっくりと顔をレグルスさんに向けて、暗黒大魔王のような、ものすごい表情で睨み付けてますワン「こら!馬女!小さなエイルが起きるだろうが!その口を縫いつけられたくなかったら 少し黙れ、馬女!」 「なんだとお!また水竜を召還して地の底深く沈めてやろうか!ガキ!」「ここで…?湖でない…召還に必要な大量の水がない!此処でやれるもんなら、やってみな!デカ馬女」そこにワン子が慌てて言う「駄目です!ワンワン 宿屋で騒がない! アーシュさんは今は姿を隠さないとまずいでしょ!」 「それに今 一緒に仲良く(?)いるところを見られたら、レグルスさんもまずいじゃないですか?」「エイルさんを城から連れ出したのはレグルスさんだし…だしワン」ワン子のダメ押しに 思わず口をつむぐ ご一同様「まさか、わん子に諭されるとは!」「ああ」冷や汗の二人「ふうぅ…」ため息をついて、アーシュさんは一言「ワン子は手伝え、レグルス、数十年前の約束を今、すぐにはたしてやるよ」「どうする気だ?」「何かうまい理由をつけて店の奥の厨房を借りる」 「材料も調達してと‥…まあ、アカアカとかの材料はないが何か美味いもん作ってやる」アーシュさんは残り物で それは美味い料理を沢山沢山、料理を作りましたワンワン。白身魚のカレー風味 野菜のポタージュ ジャガイモの冷たいスープ。魚の入ったリゾットに 鳥肉のグラタン ぴり辛のタラモサラダグレープフルーツにオレンジ 林檎などの果実を細かく刻んだものソースにあえたサラダトマトと挽肉のソースのパスタスコッチエッグというゆで卵に挽肉を包んで油で揚げたものジャガイモを使ったシェパードパイ東洋風の挽肉の饅頭に こちらも東洋風の料理で鶏肉を丸ごと使う料理で 肉の中にもち米や栗 赤いクコの実をつめてコトコト 薄めの味のスープで煮込んだ料理なんでも、サムゲタンというそうですワン甘く煮込んだ果実入りのクレープ チョコムース。 ミントとレモンと蜂蜜入りのゼリ店にあった 紅い果実のお酒を部屋に運びこむ「う…うまい!うまいぞ!!はあ、あいつらにも食べさせてやりたかった」あまりの美味しさに涙目モードのレグルス料理の素晴らしさに店の主人は関心しまして そこで、口止めをかねて(なにせ アーシュさんはその黒髪などの特徴から、すぐ隣国の
バタバタと階段を駆け上がる音がする!隠れる暇もなく 勢いよく扉が開く「ワン子さん!拷問うけたって!聞いたけど大丈夫なの!無事!」と小さなエイルポカポカと……はあ、ため息をつきながら、後を追いかけて 一緒に入って来るケンタウロスのレグルス「まったく、しまったもんだついつい 差し出された美味い菓子と美酒にワン子の居所を口を滑らせてしまった‥はああ」…ため息をつくレグルス「おや? 逃げもしないでこんな所で何をしている?黒のアーシュラン殿」怪訝な顔をしてレグルスは言う目を丸くして!口も聞けない小さなエイルさん「えええっつと・・どうしたもんかな?」とアーシュそれで…エイルさんは泣きながらアーシュさんに抱きついたままである。「その、もう泣くな、エイル」 「行かないで・・行かないで・・」と泣くエイルさん(子供のエイルさん)「ほら、あんまり泣くと目玉がウサギみたいになってしまうぞエイル」ああアーシュさん 相手がエイルさんだと めちゃ優しい優しい「アーシュなんか変? アーシュがそんなに優しく笑った顔、見たのは初めて」「いつも不無表情で、どこか不機嫌な顔をして少し背が高いそれにそんな表情豊か…だった?」不思議そうに見つめるエイル「ええ‥っつと」ハッ!として大きく目を見開き思わず瞳をそらして天井を見てしまうアーシュあああ、焦ってます‥ワン。ぴくん!として眉をあげるレグルスアーシュさん おもむろに口を開き「いいから、もう心配しなくていいから」エイルさんを抱きしめる そして 小さく眠りの呪文「あ、また、じゅ・・呪文・・・ひどいや、アーシュ・・」ことり‥と眠ってしまうエイルさん。ひょいと抱きかかえて寝床に連れてゆき そおっとベットに乗せて、毛布をかける。ふと眠りに落ちる前に言ったエイルの言葉また、呪文?また?つまり もう一人の俺も・・十年前の俺も・・同じ手を使ったのか? ちょっと冷や汗をかくアーシュ「おい!お前は!」 びし!とアーシュさんを指を差す!ケンタウロスのレグルス「十数年前、私の大切なアカアカを横取りして 約束した絶品お魚料理を作らなったアーシュだな!」昼間の・・そして、先程までの アーシュ殿とか憐憫やら同情に満ちた優しい扱いそれに先程までの優しい言葉は、一体どこにワン?数十年もたつというのに・・そ
ワン子は 可愛いフェアリー亭という酒場に入りましたワン! 二階に上がろうと階段に上がってゆくと「!」「ワン子か?」 フードを被った少年が声をかける。「アーシュさん! アーシュさんだああ!ワンワン!ねえ、大丈夫ですか? 味方の黒の国の兵士さん達とは会えましたか?ワンワン!」「何を言ってる?さっきの骨の野原で頭でも打ったのか?ワン子?」「え? じやあ! アーシュさんは・・今のアーシュさんなんですね☆ ワン」?? 顔をしかめるアーシュさん「すれ違った 俺にそっくりな過去の俺か?」その後、宿の部屋でくつろぎながら ハーブのお茶を飲んでますワン。「ふーん そうなのか?ワン子」「はいですワンワン」確かによくよく見てみると・・少しだけ今のアーシュさんの方が大きい。過去のアーシュさんは12歳前後、今のアーシュさんは13、14歳ぐらいそれにどこか張り詰めて無表情だった10年前のアーシュさんと比べて表情が豊かです‥ワンワン。つまり、明日にでも人身御供‥処刑されそう‥という状況なら あんな風になるのは、当たり前だよね・・ワン結構ハードな子供時代だったアーシュさんでも本人 薬のせいで記憶喪失になって覚えてない!て言ってましたけ・・ワン。「と・・なると 間違えられて捕まって、処刑されたら、大変だな!ここの世界のエイルは無事に会えたそうで、宝珠も確保したし」「早めに逃げ出さないと やばいかな」アーシュ
過去の時間の中、過去のアーシュ、自分が城から逃げ…逃亡しているのを木の上で見ていた未来、今のアーシュそして、ワン子の方は……?◆ ◆ ◆ワン子さんはレグルスさんにこってりと絞られ(どうやら、昔の数十年前の魚料理を食べ損ねた恨みらしいワン(汗))牢屋に入れられたワン ああ,涙 ワン暗い牢屋の中で シクシクと泣いていたら……あ,あれ!小鳥さんの姿のエイルさんがやって来ましたワン。小鳥さんがゆっくりと淡い白い光を放ち 人型を取る「え、エイルさん!ワン」そこには透ける身体の精神体の17歳の姿の綺麗な少女のエルトニアことエイルが立っていた。「有難うワン子さん」嬉しそうなエイル 「でも、ごめんね、牢屋に入れられてしまったね」表情を曇らせる。「だ、大丈夫ですワン!きっと、きっと!なんとかなりますワン☆」明るく宣言する!ワン子(でも、多分・確証はない☆)顔をかたむけ、静かに優しく微笑むエイルさん白い光は大きくなって、小鳥さんは白い宝玉に変身、変化した。いつの間にか、エイルさんの部屋に置き忘れてたはずなのに皮袋がポンとワン子の横に皮袋から 宙を浮かんで出てきたオルゴールは音楽を奏でながら,ゆっくりと開き、前の魚から変化した時と同じように白い宝玉は呼ばれるように、ふわり・・と浮かんでオルゴールの中に納まった。わん子はオルゴールを皮袋にしまうワン。そして、次には…?カチリ!扉を開ける音!「ワン子出るんだ!」とレグルスが慌てているように言う。「少しまずい事になった、思ったより状況が良くなくてな…ワン子 お前が黒の国の間者スパイと思われてる」「え!ワン!」 「お前、リアン殿を眠りの粉で眠らせただろう?」「えええっと!」 (心の中で バレちゃいましたワン☆)「後からエルトニア姫が きっと自分の指示でワン子に頼んだと言うとは思う そうしたら、絞られる程度で済むのだが」「それが間に合わないと…ワン子、お前は、まじで、本当にそれは、ひどく酷い拷問を受けるぞ!ワン子」という訳で‥「こっちだ ワン子 いいか、此処から逃げろ」レグルスさんに連れられてワン子は塀の小さな穴から逃出ですワン!「ワン子は街はわかるか?あちらの丘に灯があるだろう 街にフェアリー亭という あの店、フェアリー亭はそれは美味しい酒と食事の宿兼食事処の店があって