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第5話

「いいえ」私は目を真っ赤にして彼を見つめた。

「あなたのパスワードなんて知らないわ」

この時、ジュエリーは隣に座っているが、一言も発しなかった。

森下綾も急いで私にカバーしてくれた。

「私がいじったのよ。会社は私たち二人で管理しているんだから、資料を見てもいいだろう」

これを聞き、森下葛尾は席から立ち上がった。

森下綾がパソコンのパスワードを知っていることを忘れていたようだ。

顔は恐怖に満ちていた。

「何を見たんだ」

「月次報告書をちょっと見ただけよ。すぐに出たわ」

森下綾は無関心に答えた。

彼の緊張した表情は少し和らいだ。

私も安堵のため息をついた。

森下綾が帰った後、森下葛尾はすぐに書斎に行った。

きっとパスワードを変えに行ったのだろう。

夜、彼は私を抱きしめて眠った。

彼と一緒に寝たくなかったが、彼は私から離れようとしなかったのだ。

いつものように、私の耳元でずっとこう呟いていた。「また子供を作ろう」

「最近、いつも夢を見るんだ。亡くなった子供たちが僕に会いに来る夢を」

彼がそう言うのは、そのせいだったのか。

彼の言葉に乗じ、子供たちの埋葬場所を聞き出すことにした。

というのも、埋葬したのはいつも彼で、私には場所を教えてくれなかったのだ。

「体はまだ回復していないわ。医者さんは何度も出産したせいで体がひどく弱っていると言っていたの」

「それに、私も最近、子供たちの夢を見るの。彼らの墓参りに行かせてくれない?」

森下葛尾の体は硬直になった。

「明日、連れて行ってやる」

翌日、彼は私を墓地へ連れて行った。

4人の子供たちは同じ場所に埋葬されていた。名前をつける暇もなく、墓石には何も書かれていなかった。

私は口元を押さえて泣き崩れた。

一人一人の子供の顔は、記憶に焼き付いている。

生まれたばかりの彼らは、あんなに可愛くて、あんなに元気だったのに。

今は冷たい土の下に眠っているしかないなんて。

森下葛尾は墓石に近づくことすらできず、私に早く帰るようにせかした。

帰る途中、復讐心をより強くした。

森下葛尾は最近、家に帰っていなかった。会社の上場準備で忙しいらしい。

森下綾も私の誘導で、懸命に働いていた。

あっという間に、会社が上場する前日になった。

明日、東京で上場式典が行われる。

私は彼の妻な
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