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第7話

その一言で、上野の顔から笑顔が消えた。

私は得意げにポケットから取り出して見せた。

玉の質も、細工も、どれも上野が持っているものよりずっと良い。

翔太はぼんやりとそのペンダントに刻まれた文字を見つめていた。

「裕奈って、どういうことだ?」

私は無表情で「ああ」と短く答えた。「言い忘れてたけど、これは私が娘につけた名前、田口裕奈よ」

翔太は少し焦った様子で言った。「俺たちは、娘の名前を木村由衣にすると決めてたんじゃなかったか?」

「それは昔の話よ」

私は冷たい表情で、翔太を無感情な目で見つめた。「それに、私は由衣が嫌いなの」

翔太と離婚した後、私は嬉しくて、離婚証明書の写真をSNSに投稿した。

近所の女の子、麻衣が狂ったように「いいね」を押して、電話で雑談を持ちかけてきた。

「佳穂さん、あなた本当に目が覚めてますわ!そんなクズ男は捨てるに限ります!」

麻衣の口から、翔太の最新の情報を聞いた。

離婚後、彼と上野は想像していたほど甘い生活を送っているわけではなく、しょっちゅう口喧嘩をしているという。

上野は早く結婚したがっているが、翔太はいつも「もう少し待とう」と言うばかりらしい。

それだけではなく、夜になると、翔太はいつも娘の子供部屋にこもって、そこで長い時間を過ごしているそうだ。

麻衣は言った。「それは、木村さんが佳穂さんを懐かしんでいるからですよ」

私は笑った。

手に入れた時には大切にせず、失った後で初めて懐かしむ。

そんな手口は、上野くらいしか信じないだろう。

しばらくして、上野から電話がかかってきた。最初から怒鳴り声だった。

「田口、あなた全部計算してたんでしょ?翔太君の資産はどこに行ったの?会社はどうして空っぽになってるの?それに、どうして翔太君がこんなに多くの借金を抱えているの?今や取り立て屋が家にまで来て、私たちの家を抵当に入れようとしてるのよ!」

私は気にするそぶりもなく、お菓子を食べながら、携帯を耳から少し離した。

「上野、前に言ったでしょ?翔太の奥さんになるのは簡単じゃないって。

「会社は私と翔太が一から築き上げ、互いに支え合って作ったものよ。家だって、私たち二人の努力で手に入れたもの。

「私は自分の努力に見合うものを持ち帰っただけ。人は奪ってないわ。彼の奥さんになりたいなら、私
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