第7話

「大谷さん？」彼女は大声で呼びかけた。

大谷が近づくと、彼女はクローゼットを指さして責めるように言った。「これが、お嬢様への扱いなのか？まともな服が一着もないよ！」

大谷はちらりとクローゼットを見て、静かに答えた。「先日、奥様が『新しい服は与えないで、反省させるように』とおっしゃったのでございます」

彼女は一瞬、忘れていたようで、しばらく呆然としてからやっと気づいた。

「私は本当にひどい母親だわ……」と、わずかに残っている数着の服を抱きしめて、泣き崩れた。

「玲奈……来世では必ず良い母親に巡り会ってね。ごめんね、お母さんが悪かったわ……」

その夜、母は私の部屋で一晩中泣き続け、翌朝には赤く腫れた目をして警察署に向かった。

悦子に会おうとする母を、警察が制止した。「申し訳ありませんが、彼女は今、犯罪容疑者で、誘拐事件の共謀に関わっています」

「そんなはずないですわ。うちの悦子は本当にいい子なんです！」

「まずは落ち着いてください。事実として、彼女は他人と共謀して被害者を誘拐し、その後、犯人に裏切られ、自身も手を負傷することになりました」警官はさらに何か言おうとしたが、

そのとき、悦子の実の両親が現れ、警官に駆け寄って問いかけた。「私たちは大島悦子の実の両親です。うちの悦子はどうなるんでしょうか？」

母は嫌そうに鼻を押さえて、悦子の実の両親から距離を取った。警官は彼らと母を交互に見て、しばし呆然とした。

「彼らが悦子の実の両親で、私はただの養母です」母は横でしぶしぶと説明した。

警察はすぐに事態を理解した。

「悦子さんは誘拐事件に関与したため、私たちは彼女を起訴する予定です」

悦子の実の両親は法律に無知で、泣き落としで状況を有利にしようとひざまずき、哀れを装う行動に出た。これは悦子の得意な手口でもあった。

「警察さん、うちの子はまだ18歳で何もわかってないんです！きっと玲奈っていう奴が悪いんです！」と、彼らは私に責任を押し付けようとした。

「何言ってるのよ！うちの娘を侮辱するなんて！」母は怒って前に出て、悦子の実の母親に平手打ちをした。

隣の警察はすぐに気づいて止めた。

悦子の実の母親は村人で、普段から大声で口論するのが常だった。「どこが嘘よ！玲奈はただの卑しい奴で、あなたの娘として生まれようとどうせ田舎に行って苦労するんだわ。今、