第6話

悦子はしばらく固まった後、ゆっくりと首を振った。

「検死の結果によると、君が大島家に戻る前に玲奈さんは既に亡くなっていたのです。どうして彼女が生きていると嘘をついたのですか？」と、取り調べの警察官が厳しい口調で問い詰めた。

彼女は頭を垂れてしばらく黙った後、声を詰まらせてこう言った。「すべてお母さんのせいです。お母さんが犯人に、お姉ちゃんが警察に通報したと話したから、犯人がお姉ちゃんを殺したんです！」

悦子は必死で自分の関与を否定し、「私には全く関係ありません。知っていることは全部話しました」と主張した。

警察は悦子が話した場所をもとに、第一現場を突き止めた。

廃れた工場は至る所が血に染まっていた。検視官が到着して現場を封鎖し、そこにある血痕がすべて私のものであることを確認した。

誰もが信じられない思いだった。私が亡くなるまでどれほど酷い暴力を受けたのか。

両親は私の遺体を見て、ついに声を上げて泣き崩れた。

私は冷静にその遺体を見つめていた。体には一片の無傷な肌もなく、全身が青紫の痕で覆われていた。

田舎でも大島家でも、私は骨と皮ばかりの痩せた姿で通っていたが、その遺体は今、異様に膨れていた。

それは暴行のせいだった。

顔にも無傷な箇所はなく、警察がDNA検査をしなければ本人だと特定できなかったのも無理はなかった。今や自分でさえその遺体が自分のものだと信じがたい。

「どうしてこんなことに！犯人は手を出さないと言っていたじゃない！」母は遺体を抱きしめ、大声で泣き叫んだ。

若い警察官は見ていられなくなった。「最初からこうなると予想していなかったのですか？」

「犯人が彼女の手や足を切り落とすのを黙認するなんて、親として全く失格です」

もし以前のように父母が怒り狂って罵倒するはずだ。まるで以前の私に対してそうしたように。

両親が私を愛していないことに気づいた私は、いっそこの家を出ようかと申し出たことがある。

結果、私が待っていたのは両親の叱責だった。私が物事をわきまえておらず、田舎で育ったせいで腹黒くて策略的だと責められた。

一方で悦子は表向き無邪気で、決して争ったり奪ったりしなかった。

しかし悦子は私の前では威張り散らし、両親が彼女に何か良いものを買ってくれたと自慢するのだった。

私は両親の実の娘であるのに、両親は一度も私のことを信