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第132話

紗希は元気を振り絞って、家族に単なる風邪で、大病を患ったわけじゃないと説明した。

でも家族の心配を受けて、彼女の心は非常に嬉しかった。

ビデオ通話が終わった後、紗希はベッドに横たわったが、眠れず、携帯を取り出してLINEを見てみると、拓海からメッセージが来ていた。

さっき彼女は家族と話していたので、拓海からのメッセージに気づかなかった。

彼女はおばあさんの前でまだ演技を続けなければならないと分かっていたので、返事した。「わかった」

彼女は目を閉じると、詩織のところで見た白いウェディングドレスを思い出した。あの目立つ白さに、彼女の気分が落ち着かなくなった。

でも、1ヶ月はそれほど長くはなかった。

それはすぐに終わった。

翌日、紗希は渡辺おばあさんの住んでいた私立病院に直接向かった。

タクシーに乗っていた時、美咲からメッセージが来た。「紗希、あの最優秀主演男優賞と関係がないと言ってたけど、あのマスクした人はあなたでしょ?あのキャンバスのバッグ、前回の誕生日プレゼントだ」

紗希は美咲からのメッセージを見て、嫌な予感がした。

彼女がエンタメニュースを開くと、案の定、「最優秀主演男優賞」と自分のスキャンダルだった。「撮影が終了した後、優秀主演男優賞は恋人と一緒に愛の満ちた新居に戻った」

その写真は明らかにマンションの外で撮られたものだった。

今や最優秀主演男優賞には、勝手に恋人ができてしまった!

紗希はもうどうすればいいか分からなかった。以前なら説明しただろうけど、今はもうどうでもいい。

どうせ芸能界なんて真実も嘘も混ざってるし、誰も本当には信じないだろう。

「紗希、今回私だけじゃなくて、他のクラスメイト達もあの写真の人があなたじゃないかって聞いてきてるよ」

紗希はわずかにため息をついたが、幸いにも病院を出たときにはマスクをしていた。そうでなければ、彼女は今回も間違いなくトラブルに巻き込まれていただろう。

彼女はそのエンタメニュースを転送して書いた。「そうだよ。最優秀主演男優賞の恋人は私だよ」

すぐに、彼女の投稿したインスタに「いいね」がたくさんついた。

しかし、たくさんの人は冗談だと思っていて、彼女の言葉を信じるというより、写真の女性が彼女に似ているだけだった。

紗希はこうなると分かっていた。最優秀主演男優賞のようなスターが一般人と
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