第9話

当然、これは三浦悠人の手によるものだ。

そして私の助けもあった。

氷室グループの株を手に入れ、三浦悠人を助けて氷室グループを潰した。

まるでかつて、氷室蒼が小林グループを潰したように。

夜が深まると、強いオーラを持っていた三浦社長はまるで別人のように見えた。

しっぽを振りながら、私におねだりしていた。

私は仕方なく右手の指輪を揺らした。

大きなダイヤモンドが光の下でキラキラと輝いていた。

「私はすでにあなたのものだよ、他に何が欲しいの？」

彼は必死に私に寄り添い、「ハニー、お腹すいた、ご飯ちょうだい」

細かい前髪が私の全身をチクチクさせた。

どうしようもなくて、私は笑いをこらえながら彼の顔にキスをした。

そのキスは、彼のどこかのスイッチを押したかのようだった。

彼は悪戯っぽく笑いながら、優しく私の服を解こうとした。

私は瞬時に体が硬直した。

愛に浸り、私は随分良くなった。

ただ、心の中にはまだ少しの影が残っていて、無意識のうちに私の生活に影響を与え続けていた。

三浦悠人はすぐに私の抵抗に気づき、動きを止めた。

彼は私を抱きしめ、頭を私の首に埋め込んだ。

右手で優しく私の背中を撫でていた。

「綾、怖がらないで、僕が守ってあげるよ。

僕のそばでは、泣いても、痛いと叫んでも、好き放題甘えられるよ。

愛しているから、待つこともできる」

温かい気持ちが胸に溢れ、目が潤んだ。

私は彼を抱き返し、唇にキスをした。

「悠人、来年、父が出所したら、私たち結婚しよう」

「わかった、奥さんの言うことを聞くよ」

彼は子供のように喜び、私に温かく応えてくれた。

私は陽だまりの中に立ち、彼は私の横に立った。

振り返ると、道中の泥はとっくに花で覆われていた。

私もそろそろ、勇気ある一歩を踏み出すときが来たようだ。

番外編（三浦悠人）

小林綾と初めて出会ったのは、私が三浦家の若旦那であることを知った翌日だった。

彼女はゴミ箱に阻まれた不良グループにいじめられていた。

彼らは悪意のある言葉を浴びせ、彼女の頭を叩いていた。

彼女は慣れた様子で地面にひざまずき、両手を合わせていた。

媚びるように命乞いをしていたのだ。

私は腹立たしさを感じた。

何も考えずに、私は一歩前に出て、彼女を後ろにかばった。

その日、私は無邪気な喋れない