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第7話

彼に続いて、客を迎え入れ、一緒に忙しく動き回った。

巨大なLEDスクリーンには、おじさんの生涯が映し出されていた。

彼の音声や姿、功績や報道が流れていた。

私はぼんやりとスクリーンを見つめ、思い出に浸った。

その記憶は、あまり良いものではなかった。

彼に対する私の印象は、実はそれほど深いものではなかった。

私の記憶の中では、彼はいつも無表情な人だった。

彼はほとんど私に話しかけず、婚約のときに翡翠のブレスレットをくれただけだった。

そのブレスレットは氷室家の嫁にしか贈れないと聞いていた。

だから後日、それは氷室蒼に取り返された。

そのことを考えると、自嘲の笑みがこぼれた。

画面が突然暗くなった。

再び明るくなると、別の映像が映し出された。

それは大久保の携帯にあったあの動画だった。

場内はざわめき立った。

私はそれを止めるのを一瞬忘れ、その場に固まった。

全身の血液が凍りつき、スカートの裾の下は濡れていた。

「何を見てるんだ、何が面白いんだ、さっさと電源を切れ!」

ジャケットが私の腰に巻きつけられ、大きな両手で私の目が覆われた。

誰かが私を守ろうとしてくれていた。

周囲の議論の声が耳に入ってきた。

「ビデオに映っているのは、小林綾だよね?」

「そんなに多くの男に......いやらしい」

「見たか?彼女、なんだか漏らしたみたいで、気持ち悪い」

「なんてこった、氷室様の前でこんなものを流すなんて、こんな汚い人が氷室家の嫁になれるなんてどうかしてる」

目の前が再び明るくなり、その大きな手は私の耳に移動した。

一語一語が力強く響いた。

「小林綾は被害者だ!

被害者に暴言を吐くなんて、君たちの生い立ちは犬に食われたのか!」

私は向かい側で固まっている氷室蒼を見たが、心の痛みはもうそれほど強くは感じなかった。

世界が静かになっていった。

私は解放されるように微笑み、耳元の大きな手をしっかりと握りしめた。

「私はもう氷室家の嫁じゃない、氷室蒼と離婚したから」

今、私は本当に値する人に出会った。

素晴らしいことだ。

翌日、私は早起きした。

自分の持ち物を整理し、リビングで氷室蒼を待っていた。

いつも迅速な彼だが、今回は特にのんびりしていた。

私は立ち上がり、「行こう」と言った。

しかし彼は私の手首を引っ張り
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