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第68話

 「どうしてこんなことに……?あの役立たずがどこで江都銀行のプレミアムカードなんて手に入れたんだ……」

 聡一郎は目を疑い、信じられない様子で呟いた。

 「もしかして……和子が彼に渡したのかしら?」

 露美はすぐにそう思い至った。

 「でも彼と和子は何の関係もないはずだろう?和子が彼にそのカードを渡すわけがない。

 二人が本当にそういう関係だとしたら……」

 聡一郎が言ったところで、彼は激しく頭を振った。この厳しい現実を受け入れられなかった!

 和子は彼にとって高嶺の花の女神であり、たとえ真一が江都銀行のプレミアムカードを持っていたとしても、和子が真一の彼女であることを決して信じられなかった!

 真一のような役立たずが、高貴で美しい和子にふさわしいはずがない!

 「きっと彼は甘い言葉で和子を騙したんだわ!」

 露美は嫉妬心を露わにした。

 彼女はもともと、自分と離婚した後、真一が落ちぶれて乞食になると信じていたのだから。

 しかし、現実は彼女に強烈な打撃を与えた。真一は彼女を離れた後、あっという間に和子と関係を築き、さらには和子から江都銀行のプレミアムカードまで手に入れた。ここ数日の彼の生活はおそらくとても豊かだろう!

 かつて彼女の家にいた犬以下の無能な存在が、今や彼女よりも良い生活をしているなんて、どうして彼女が納得できるだろうか!

 「あなたの言う通り、きっと彼は何か卑劣な手段で和子を騙してカードを手に入れたんだ。とにかく僕は和子と彼が恋人同士なんて絶対に信じられない!

 それに、彼はさっき1.84億で値を止めた。おそらく、彼のカードにはもうほとんどお金が残っていないんだろう!

 もし今回の原石が何も価値が出なかったら、その後の彼の生活はどうなるか、私は見てみたい!」

 聡一郎は冷笑した。

 彼は真一がプレミアムカードをどうやって手に入れたのかは知らないが、一つはっきりしていることがある。真一が最後に値を上げたときには明らかに不安そうだった。それが真一の限界だろう!

 もし彼が本当に和子の彼氏なら、わずか1.84億円程度で追い詰められるはずがなかった。

 きっと何か裏があるに違いない!

 「そうだね、もしこの原石から何も出なかったら、彼がどうするか見ものだわ!」

 露美は笑顔を取り戻した。

 もし真一が全財産を賭け
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