共有

第67話

 聡一郎は今回、真一をうまく罠にはめ、1億4千万円もの損失を出してしまった!

 これだけの金額は彼にとって大きな痛手で、まるで心が痛むようだった。

 「この男、まさかこんな裏技を使うなんて、相手を見事に罠にかけたんだな」

 「かわいそうなあの若者、1億4千万円も余計に払ってしまった上に、最後にはバカにされた!」

 「もしこの玉原石が良いものを出さなかったら、彼は間違いなく怒り狂うだろう!」

 ……

 周囲の人々は真一に同情する一方で、彼を馬鹿にする声も聞こえた。

 真一は怒りを必死に抑えた。今回、聡一郎に騙されたが、最終的にはこの玉原石を手に入れた。

 彼はこの原石が期待通りのものを出してくれることを祈っていた。

 さもないと、本当にバカになってしまうかもしれない!

 「あなた、本当にこれでいいの?

 この玉原石を彼に渡すなんて、あまりに簡単に済ませすぎよ!」

 露美は少し不満そうに言った。

 「簡単に済ませる?そんなことはないさ。

 彼の状況を知っているだろう。一文無しの貧乏人が、どこから1.84億もの金を持ってくるんだ!

 後で支払えなかったら、店主にどう説明するつもりだ?」

 聡一郎は冷笑した。

 「そうね、それを忘れてたわ!」

 露美は驚き、すぐに笑顔になった。

 彼女は真一の状況をよく知っていて、1億8千万円なんて持っていないはずだ!

 聡一郎は今回、真一をひどくからかい、絶望に追い込んだ。手段は本当に巧みだった!

 これこそ彼女の夫だ。真一のような無能とは比べ物にならない!

 「お客様、カードでお支払いですか、それとも振り込みですか?」

 店主の亮介は顔色を曇らせた。本来なら、誰が1億8千万円もの大金を出すのか疑問だった。

 今、聡一郎の言葉を聞いて、すぐに悟った。真一がわざと混乱を引き起こして、無茶な値段を言っているかもしれない!

 もしそうなら、真一の末路は悲惨なものになるだろう!

 「カードでお願いします!」

 真一はクレジットカードを取り出し、そのまま亮介の前のカウンターに投げつけた。

 「カードで?」

 「まるで本気みたい!」

 「笑わせるなよ!」

 聡一郎と露美はお互いを見つめ合い、楽しそうに笑い合った。

 真一は離婚の際に全財産を失っていて、全くお金がないはずだった!

 そ
ロックされたチャプター
この本をアプリで読み続ける

関連チャプター

最新チャプター

DMCA.com Protection Status