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第71話

 「秦さん、正直に言って、この二つの帝王緑の色合いは純粋で透き通っていて、非常に高価です。このようなものは市場に出回らないため、正確な市場価格を見積もることはできません。

 もし売りたいのであれば、当店では16億で買い取りたいと思います!」

 赵も心を動かされずにはいられなかった。

 帝王緑のようなトップクラスの極上の翡翠は、出会うことが稀だからだ。

 もしこれを店で買い取れば、これからは店の看板商品となるだろう!

 唯一の欠点は、この帝王緑の大きさがあまり大きくないことと、真一が真ん中から切ってしまったことだ。そうでなければ、もっと高価になっていただろう!

 「これって……」

 真一は驚いて呆然とした。まさかこの二つの豆種が突然変わって、極めて貴重で希少な帝王緑になるとは夢にも思わなかった!

 彼が答える前に、低く力強い声が後ろから突然響いた。

 「僕は20億出す!」

 声が落ちると、70歳を過ぎた老人が、数人のスーツ姿のボディーガードに付き添われて外から入ってきた。

 老人は精神的に活発で、堂々とした歩き方をし、その姿勢から自然と威厳が漂っていた。一目見れば、高い地位にいる権力者であることが分かる!

 「なんだって?」

 「20億?」

 聡一郎と露美の二人は驚いた。

 さっきまで真一を馬鹿にしていたが、最後には彼ら自身が実はその筋書きの一部だったという皮肉な結末になるんだ!

 真一がどんな幸運に恵まれたのか分からないが、最後の一打で20億円の価値を持つ帝王緑を切り出したのだ!

 彼がそれを転売するだけで、簡単に18億以上の利益を得られることになった。

 これは二人にとって、屈辱的な出来事だった!

 草野産業の総資産は700億に達するものの、そのほとんどは不動産だ。

 18億もの現金は、聡一郎にとってはかなりの大金だった!

 この瞬間、彼の顔色は非常にひどかった。その悔しさは心の奥深くに染み込んでいた。

 もしこの玉原石が帝王緑になることを事前に知っていたら、さっき数百万円追加すれば、すべてが手に入ったはずだった!

 しかし、彼は今さらながら、手遅れだと気づいてしまった!

 特に露美は言うまでもなく、彼女の家の会社は中小企業に過ぎず、総資産もかろうじて20億円を超えている程度だ。

 しかし、彼女の目の中でのくだらな
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