第8話

彼のベッドで寝ることに嫌悪感を覚え、彼の謝罪を聞くのも気持ち悪かった。

でも、私はまだゆうりが言ったことを忘れていなくて、彼に伝えようと思ったけれど、どうすればいいのか分からなかった。

古澤は部屋に一日一晩閉じ込んで、ようやく家政婦が上がってきてドアをノックした。

「古澤さん、外に変わったおばあさんが来て、あなたが会いたい人に会わせることができると言っています」

古澤は惨めに笑いながら言った。「会いたい人はもう死んでしまった」

しかし彼はまだ立ち上がり、階下に降りた。

私は古澤の後ろについて行き、同じようにそのおばあさんを見た。

なぜかわからないけれど、私はおばあさんを初めて見たとき、彼女は私をじっと見つめてきた。まるで私が見えるかのように。

古澤の声は砂を三斤飲み込んだようにかすれていた。「お前は誰だ？」

おばあさんは古澤を見もせず、私だけをじっと見つめて、私と目を合わせた。

「君、随分苦しんだのね」

彼女は私を見つめて、年老いた目にわずかな慈悲が現れ、私はただただ故郷を見つけたような気持ちになり、涙がすぐに流れ出た。

その場にいたのは古澤だけが彼女の言葉を聞いた。彼は急いで振り返り、しかし見た目にはおばあさんが見ていた場所には誰もいなかった。

彼は何か感じて、急いで尋ねた。「おばあさん、誰と話しているんですか？誰と話しているんです？」

おばあさんはため息をついた。「不幸な子とね」

「桜井綾ですか？綾はずっと俺のそばにいるんですか？」

おばあさんはうなずき、古澤を指さして言った。「ねえ、君は私と一緒に来なさい。車は使わないで、歩いて一緒に行こう」

また私に言った。「君もこちらに来なさい」

古澤は振り返って私を一瞥し、目の奥にはまだ迷いがあるが、しかし嬉しくなったような感じがあった。

「綾、ずっと俺のそばにいるの？ごめん、お前に謝罪するよ。命を捧げて償う。本当にお前を愛してるんだ」

彼は長々と話したが、私はもう興味がなくなった。

おばあさんは彼を中断した。「もういい、彼女はもう聞きたくない、それ以上言わないで」

あれほど傲慢だった古澤が、なんと本当に黙って、素直におばあさんの後ろに従った。

彼女は見た目で七、八十歳くらいに見えたが、歩く速度は非常に速く、古澤という元気な壮年の男でも追いつけなかった。

こうして一晩中歩き