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第115話

週末はやっと休みが取れて、アルバイトを終えて帰ってきたら、まず床を掃除して洗濯をした。それで彼の機嫌を取ることができた。

おばさんが頑張ってくれなかったら、もう彼ら親子に追い出されていた。

恩返しと言えば、自分は赤木家に何も借りていないと心から言えるが。

今はただおばさんを手放せないだけだった。

今、彼はなんと私に言ってきたんだ。私が江川宏と結婚できるのは、赤木家のおかげだと。

私は赤木秋紀を見つめて、口角を引っ張った。「あなたは私のおかげでデザインを勉強したの?」

赤木秋紀は言った。「そうだよ。年に数回贈り物をしてくれるし、いつも家計を助けてくれるから、デザイン業界は儲かると思って選んだんだよ。そうでなければ、このつまらない専攻を選ばなかったよ」

「……どこの大学を卒業したの?」

「鹿専だよ」

鹿兒島専門学校。

「……」

彼は赤木邦康と同じような顔をしていたのを見て、つい口を開いてしまった。「だったら、江川に入れないよ。江川は一流大学以外は受け入れないんだから」

「自分で入れるなら、お前に相談するか?」

赤木秋紀は若気の至りで、私と論争しようとしていたが、赤木邦康が彼を引っ張って後ろに連れて行った。「入れないからこそ、お前を頼んだんだろ?離婚していないうちに、彼を手配してくれ!」

私が話に乗らなかったのを見て、彼は目を転じて突然山田時雄を見つめた。「君は南の友達?それとも上司?君はとても優れたと見えているから、きっとうまくやっているんだろう。この娘は頑固な性格だから、息子を助けてくれないかな?」

私は顔を真っ赤にして、どこか地面に入りたくなった!

山田時雄はほとんど迷いなく、澄んだ声で言った。「おじさん、ごめんなさい。彼女は私の上司で、私は彼女の言うことを聞かなければならないんだ」

私は少し驚いて山田時雄を見たが、彼は私に安心してって眼差しで伝えてくれた。

彼の性格を考えると、この件に応じるか心配していた。私は底の見えない穴を埋めることはしたくなかった。この件に同意すれば、次の件、その次の件が待っているだろう。そうなる前に、最初から彼らに諦めさせる方がよかった。

おばさんと関係のあること以外は、他のことには関与したくなかった。

赤木邦康は自分が見誤ったことに気づかず、私を探しに振り向いた。「南、おばさんの顔を立ててくれて……
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