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第4話

その言葉に、芽衣は少し気を使った声で言った。

「黒崎社長、今日は日差しが強いので、もしよろしければ惠理が書類を持っていきますよ」

「大丈夫だ。ちょうど会社に寄るつもりだから」

「わかりました。それでは惠理に地下駐車場までお持ちさせますね」

「うん」

私は絶望していた。

周りの秘書たちは、「さすが山田さん、黒崎社長のことを考えている」と口々に褒めたたえていた。

芽衣は自信満々に、「愛ってそういうものよ」と言いながら微笑んだ。

しかし、突然私に視線を向け、怒鳴った。

「でも、私の男に手を出す奴は容赦しない!」

私の顔は腫れ、服はボロボロで肌がむき出しになっていた。

お腹も縮んでしまっていた。

今日はもう助からないと感じた。

痩せ細ったお腹に手を当てて、静かに涙を流した。

生まれてくるはずだった子供に申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

私は周りの人たちを睨みつけた。芽衣には必ず復讐すると誓った。

「その目、何?」

芽衣はもう一度私を平手打ちし、「まだ諦めないつもり?」と言った。

彼女は暗い顔で、「胸が大きいね、偽物かしら?確認してあげるわ」とカッターを持って近づいてきた。

彼女の姿はまるで鬼のようだった。

「ぎゃあ!」

私が叫ぶと同時に、カッターが胸に深く突き刺さり、血がどんどん溢れ出た。

痛みに耐えきれず、意識を失いそうだった。

その時、外から隼人の声が聞こえた。

「芽衣、書類は?」

芽衣は驚いて手が震え、カッターを落とした。

彼女は他の秘書に合図を送り、服を整えてからドアを開けて出て行った。

「黒崎社長、早いですね」

「書類を」

「すぐにお持ちします」

短い沈黙があった。

私は助けを求めようとしたが、声が出なかった。

周りの秘書たちが私を監視していた。

ドアが閉まっており、隼人には私が見えない。

何とかして隼人に気づいてもらおうと、私は椅子をつかみ、全力で倒そうとした。

しかし、体力がなく、椅子が少し動くだけだった。

秘書はドアの外を確認し、ほっとした表情を見せた。

次の瞬間、カッターが胸から引き抜かれた。

秘書は片手で私の口をふさぎ、もう一方
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コメント (18)
goodnovel comment avatar
りりピチ
続きが気になりすぎてやばい!!!!!
goodnovel comment avatar
なこ
続きが気になりますちょっとグロいけど本当におもしろい!
goodnovel comment avatar
久美
続きが見たいです。面白い
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