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第3話

彼女の兄はにやりと笑った。「何が猥褻だ、明らかにお前が俺を誘惑したんだろう」

私は壁についてある監視カメラに指差した。「彼のしたことは明らかに猥褻になります。監視カメラは全部録ってたはずです」

文美が冷笑した。「ここにこんなに人がいるのに、見てりゃわからないというの?言い訳しても見苦しいわ」

彼女は悪意に満ちた私の体を見回し、口角を引き上げた。

「この泥棒猫はまだいっぱい高価なものを着飾ってるよ、全部男を誘惑して騙し取ってきたんでしょ。私たちで全部壊してやろう。誰か来て、こいつをテーブルの上に縛り付けてやろう。じゃないとまだ他の男を誘惑するかも」

縛り付けるためにはロープがないといけないと言い出す人がいた。

文美は部屋を一回見渡した。「カーペットを取り外して縛ればいいじゃないか。こいつは私たちの足踏み場みたいなもんだし」

そう言って、多くの人が私の周りに湧いてきた。私の手足が掴まれて、無理矢理にもがく私をテーブルの上に担いだ。まるで自分が殺される羊のように思えた。

「警告する、すぐに私を放してください」

私が怒鳴れば怒鳴るほど、彼女たちは私の腕に傷をつける。

「まだ警告するって言うの?泥棒猫のくせによくも自分のことを主人のように思い込めるな」

右手側の女は一番きつく私の皮膚をつねった。肉を引き裂くかのような勢いだった。

私は歯を食いしばり、厳しい声で言った。「あなたたちの行為は違法です、それは知っていますか?」

「私は自分の家の中にあるものを取り出してるだけ、何が違法だ?それに法律で言うならあんたみたいな泥棒猫の方が悪いわ。私たちはただ正しいことをしているだけ、社会の風紀を正しているだけだ。何が間違っているの?」

文美が私の前に立って、満面の笑みを見せた。

「今日は、あんたの身につけているものを全部取り除いて、みんなにあんたのもとの姿を見せてやる。どれだけキモいかみんなに見せてやる」

話し終えると、彼女は唐辛子の瓶を取り出し、私の顔に塗りつけた。

他の配信者がそれを見て、すぐにはさみ、こしょう、刃物を取り出し、ゆっくりと私に近づいてきた。

「視聴者の皆さん、五万いいねを超えましたので、私はこの泥棒猫の髪を切ります。こいつを二度と人前に出られなようにします」

「ライブ初の泥棒猫制裁、みんなフォローして、すぐに泥棒猫の顔を傷つけさせます」

ライブの視聴人数がとんでもなく増加し、直ぐに噂が他サイトまで広まって、大金の投げ銭を送る人も出てきてた。

私は唐辛子に刺激されて大声で叫んだ。「文美、お前は絶対いい死に様にならない」

耳のそばは笑い声しか聞こえなかった。私がまだ現実見えていないと嘲笑う声だった。

「私?」

文美は恐れを知らないそぶりを見せた。「私の彼氏は全国トップの金持ちのた後継者だよ。彼の姉もトップのデザイナーで、資産価値は数億もある。彼らのものは私のものだよ。あんたが私を殺せると思う?どうやって?」

私は彼女が人を殴る勇気が私と弟の溺愛から育てられたものとは思いもよらなかった。

私は冷たい声で言った。「もし君の彼氏が君がこんな人だと知っていたら、まだ付き合えてやれるかしら?」

「あんたみたいな泥棒猫に指図される義理がないわ」

文美は私の首につけている翡翠のペンダントを数秒間じっと見つめ、つかんだ。

「なぜこの翡翠を持っているの?」

彼女はなんと私の首からそれを引き剥がそうとしている!!!

首周りはすぐに赤く腫れ上がり、冷たくて変な匂いもする。私の皮膚が切れて、唐辛子が染み込んで、さらに痛みが増した。

「文美、それに触んないでください。それは君が触っちゃいいものではない!」

私にこう言われて、彼女の力はますます強くなり、さらに彼女の両親も助けに私のペンダントを引っ張り出そうとした。

「泥棒猫のものは全部男と寝てもらったものだから、壊せ!!!」

文美は嗤笑しながらペンダントを引き剥がしてから、手を高く上げて地面に叩きつけた。私は横に頭を向けて、地面に散らばっているペンダントを見た。私の歯はますます固く噛み締めた。

ライブを見ている視聴者の中に、床の上に散らばっている破片を見た一人が驚いてコメントした。「この翡翠は古いもののようですね。ある御曹司の所有物で、以前は博物館で展示されていました」

私の手足にあった拘束が軽くなった。彼らはためらい始めた。こんなに貴重なものを壊したから、相当な格の弁償になるだろう。

しかし、文美の背後にいる彼女の両親と兄は、他の人を軽蔑の眼差しで見つめ返した。

「あの御曹司はあたしたちの婿よ。この淫乱女がどうやって騙し取ったのか知らないが」

彼女の母は軽く鼻を鳴らし、軽蔑の眼差しこっちにを向けた。

「私の彼氏だけでなく、彼の姉も私にとても優しいのよ。先月、彼女は私の旅費のために五百万も渡してくれ。物を壊すぐらいは言うまでもなく、あんたを殺しても、彼らは私を責めないはず」

「私を殺したら、君は一生刑務所で過ごすことになるよ」

この女はまったく愚かで悪だった。弟が彼女にどうして惹かれたの全然わからなかった。

彼女は怒って、私の鼻を指さして罵った。「淫乱め、あんたが私を呪うなんてあり得ない」

彼女は私のスーツケースを叩きに行き、中には私のデザイン図、ハイエンドのドレス、そしていくつかの宝石が入っていた。彼女は私のデザイン図に惚れ込まれ、それを手に取ってしばらく見てから嘲笑した。

「実は、あんたは金だけじゃなく、姉さんのデザイナーの肩書きにも興味を持っていたのね」

デザイン図は数字がつけられないほど価値のあるものだ。私は必死にもがき、彼女に返してと叫び喚いた。

「私は洋介の姉だ。早くそれを返してください」

彼女は動きを止め、振り返って私を一瞥した。

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