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第 1009 話

Author: 水原信
恵美は苦しんでいたが、それでも清墨を気遣って、振り返らずにその場を離れた。

清墨があまりにも冷たかった。もし恵美がずっと彼の部屋の前をうろついているのを見たら、きっと怒るだろう。恵美は、彼に感情を害してほしくなかった。

しかし、恵美はファラオのところへ行った。

ファラオは恵美の目が赤く腫れているのを見て、何も言わずに悟った。「もし清墨が困らせているなら、俺が代わりに教訓を与えてもいい」

つまり、他のことには口を出さないという意味だった。

ファラオがここまでの地位に上り詰めたのは、彼もまた過去に様々な経験をしてきたからだ。恵美が清墨のそばにずっといることを知っており、彼女がどういう感情を抱いてい
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